本が、文字通り「しゃべり始めた」(Google Pixelを使う:その6)

最初に重要なことをお知らせしておこう。 Googleは、12月10日、「Googleレンズ」を「iOS」ユーザーにも提供すると発表した
したがって、iPhoneのユーザーも、近々、この機能が利用できるようになる。これは、グッドニュースだ(ただし、「検索ウインドウから利用できる」ということなので、ここで述べているテキスト変換機能などが使えるのかどうかは、まだ分からない)。

さて、「本がしゃべり始めた」と、「沈黙していた書物が、つぎつぎにしゃべり出した」(Google Pixelを使う:その5)で述べた。これは必ずしも比喩ではない

実際にしゃべり始めたのだ。
テキストになっていれば、コンピュータが読みあげてくれる。

これは、ファウスト第1部。
ファウストがマルガレーテに出会う、有名な場面だ。


挿絵はドラクロワ
Pixel 3は、一字も間違えずにテキスト化してくれた。

Mein schönes Fräulein, darf ich wagen, Meinen Arm und Geleit Ihr anzutragen?
Bin weder Fräulein, weder schön, Kann ungeleitet nach Hause gehn.

translate のボタンを押すと、直ちに翻訳してくれる。日本語の翻訳はかなりおかしいのだが、目当ては読み上げ。ほぼ完全なドイツ語で読んでくれた
Pixel 3がなくとも、上のテキストをコピーして、PCやスマートフォンのグーグル翻訳にペーストすれば、朗読を聞くことができる。
要は、(何度も言うように)テキストが手に入るかどうかなのである。テキストさえあれば、何でもできる。Pixel 3というのは、紙の書籍からテキストを吸い上げてくれる機械なのだ。

昔、『ファウスト』の朗読が入った録音テープを買ったことがあるのだが、聞きたいところまでたどり着くのが大変な手間だった。
Pixel 3なら、読んでほしいページを広げるだけのことだ。誠に簡単至極。

本がしゃべってくれるのは、実に楽しい。
そこで、嬉しくなって、いろいろと試してみた。
シェイクスピア全集を取り上げよう。

「映画は終わりが肝心(その4) ポランスキイの『マクベス』」
で取り上げた『マクベス』。その中の有名な独白。

To-morrow, and to-morrow, and to-morrow, Creeps in this petty pace from day to day To the last syllable of recorded time, And all our yesterdays have lighted fools The way to dusty death. Out, out, brief candle life's but a walking shadow; a poor player, Chat struts and frets his hour upon the stage, And then is heard no more: it is a tale old by an idiot, full of sound and fury, signifying nothing.

これは、ミスが2カ所あった。That をChatと(4行目)、Told をoldと(5行目)、誤記している(どちらも、行の右端の字をよめなかった。ということは、私の撮影法が不完全だったということか)。

つぎに、「『真夏の夜の夢』のミシェル・ファイファー」で取り上げた『真夏の夜の夢』。最後にあるパックの台詞。

If we shadows have offended Think but this, and all is mende That you have but slumber'd he While these visions did appear.

この場合もミスが2カ所。mended のdと、  here.の re.が抜けてしまった(どちらも行の右端だからだ)。しかし、あまり大きな問題ではない。

実に簡単に、どんな本の、どんな箇所も、読み上げてくれる。
そこで、昔から疑問だったことをやってみた。
漢詩を中国語で読んだらどう聞こえるのだろう? 次の詩は、李白の有名な詩。
 
故人西辞黄鶴楼
煙花三月下揚州
孤帆遠影碧空尽
惟見長江天際流

これも、翻訳は全然だめなのだが、多分読み上げは正しいのだろう。この詩を高校生の時に知って以来、実に半世紀以上たってから、はじめて朗読を聞くことができた。

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野口悠紀雄

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