「小さなテレビ受像機」を配る : クリエイターが自分の存在を知らせる最強の方法

 フリーランサー、とくにクリエイターにとって、自分の存在と、自分が提供できるサービスを世の中に知ってもらうのは、たいへん重要なことです。

ウエブページを作ったが、どうしたら見てもらえるか? 
 そのためには、自分の仕事を紹介するウェブページを作ることが有効です。
 noteの「プロフィール」欄は、そのために重要な役割を果たすでしょう。

 しかし、いかに魅力的なウエブページを作ったところで、それを見てくれる人がいなければ作らなかったのと同じことです。 
 ウェブにはあまりに大量の情報が溢れているために、特定のページを見てもらうのは、至難の業です。検索エンジンの上位に表示されれば見てもらえるでしょうが、一般的なキーワードでは、個人のページが上位に表示されるのは、極めて稀です。
 では、どうしたら見てもらえるでしょうか?

 メールの署名欄にURLを書くのは、多くの人が行なっていることです。ですから、ここに自分紹介用ページのURLを記載することが、当然考えられます。
 ただし、メールを受け取った人がそれをクリックしてくれるかどうかは、別問題です。署名欄のメールアドレスやURLがごく普通のものになってしまったいま、ほとんどの人はそれらをクリックしないでしょう。少なくとも私は、署名欄にあるURLをクリックしたことはありません。
 他の人もそうであれば、この欄は、存在していないのと同じことになります。

◇ ページに誘導するQRコード入りチラシを作る
 ところで、これについては最近条件が大きく変化しています。「サイトへの入り口を、現実世界に簡単に作れる」で述べたように、入り口をリアルな世界に作れば、ウェブに誘導することが可能になっているからです。

 私はこのことを、ホテルのレストランで食事をしているときに実感しました。手持ち無沙汰に、テーブルの上にあったシュガースティックに印刷してあったホテル名をグーグルレンズで認識させたところ、ホテルのウエブページが開かれ、いろいろな催し物をやっていることが分かったのです。
 ホテル名を検索するなど、これまでもやろうと思えばいつでもできたことです。しかし、わざわざ検索する気にはなりませんでした。たまたま食事中で他に何もやることがなかったために、サイトを開いたのです。
 これは大変大きな変化です。このような変化をぜひとも活用すべきです。
 では、入り口をどのように作ったらよいでしょう?

 紙に自分のプロフィールページに誘導するQRコードを印刷し、簡単な説明を加えれば、そのチラシが入り口になります。
 本当は、文字をグーグルレンズで読み取る方式にしたいのですが、現在ではグーグルレンズを使っている人はごく少数です。他方で、スマートフォンはほとんどの人が持っており、しかも、特別のアプリなしにQRコードを読み取ってくれるようになりました。したがって、現段階では、入り口はQRコードにするのがよいでしょう。

宣伝用のチラシを作ったが、では、どこに置くか?
 では、このチラシをどこに置いたら良いでしょう?

 公園の掲示板に貼ったら良いでしょうか? 私が井の頭公園で見た掲示板には、鍵もかかっておらず、スペースも空いていたので、そこに貼り付けることもできそうです。
 それに加え、この掲示板には、下にチラシを入れる箱がありました。1枚貼り付けて、残りはこの箱にいれておくことも出来そうです。

 しかし、個人がこれらを自由に利用できるのか?許可が必要なのか?分かりません。
 それに、この場所において眼につくかどうかも疑問です。
 もっと目に付くところはないでしょうか?

 どこかの家の塀に貼り付けることも考えられますが、断らずに貼るのはまずいでしょう。では、自分の家の塀では?「ピアノ教室」などをやっている場合、自宅に掲示を出している人がいますから、できないこともないのですが、「クリエイターの仕事を提供します」というチラシは出しにくいでしょう。それに、マンション住まいの場合には、外壁はありません。

 井の頭公園の入り口では、このような紙袋を見かけました。

 ここに入っていたのは通常の宣伝ビラだと思いますが、このような袋を作ってQRコードのチラシを入れておくという方法も考えられます。でも、勝手にやってよいかどうか、疑問です。それに、雨にあたれば濡れてしまいます。
 では、町中の家の郵便ポストに入れて歩く? 毎日多くのビラがはいっていますからやってできないことはないですが、そこまでやるのは、どうも・・・・。

 私は新刊書の表紙の写真とともにQRコードを印刷したものを自作し、「それを新刊書発売の際に書店に置いてもらえるだろうか?」と出版社の人と相談したことがあります。ところが、「とても無理だろう」という返事でした。
 確かにその通りです。書店の店頭の展示スペースは、大変貴重な空間なのです。書店としては、個人のチラシを置くより、別の本をおくほうがずっとよいでしょう。
 これからしても、リアルな空間の価値が高いことが痛感されます。
 そのうち、公共団体で、地域のフリーランサー振興のため特別の掲示板を用意してくれるかもしれませんが、その時まで待つのも大変です。

 では、どうしたらいいでしょうか?
 そのための方法を以下に提案します。それは、「専用チャネルのテレビ受像機を配る」という方法です。そんなことができるでしょうか?

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「小さなテレビ受像機」を配る : クリエイターが自分の存在を知らせる最強の方法

野口悠紀雄

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野口悠紀雄

人工知能革命が、金融と経済活動を根底から覆す

PHP ビジネス新書(2018年9月) 「はじめに」、第1章、第2章を全文公開
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