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平成とは何だったのか?(日本記者クラブ 講演)

2018年9月27日、日本記者クラブで、「平成とは何だったのか?」について講演しました。
1990年代のバブル崩壊、2000年代の「偽りの回復」とリーマンショックなどについて話しています。
全部で1時間28分あります。

https://youtu.be/cW6TkPmC4Vc @YouTube


◇ 概要
 平成時代を一言で言えば、世界経済の大きな変化に日本経済が取り残された時代。
 努力したけれども取り残されたのではなく、大きな変化が生じていることに気がつかなかったために、改革が必要ということが意識されなかったのが大きな理由だ。

 平成の時代を経済面から見れば、大きく3つの期間に分けることができる。
 第1期は1990年代バブル崩壊によって日本経済が痛手を受け、それまで日本経済を支えてきた金融機関が崩壊した。
 しかし、日本人は、バブル崩壊に気が付かず、2015年頃までバブルの二日酔い状態にあった。
 この間に世界経済は大きく変わっていた社会主義国の崩壊、中国の工業化、インターネットの普及
 90年後半の金融危機で、「1940年体制」の中枢が崩壊した。

 第2期は、2000年頃から2010年頃まで。
 この期間に円安が進み、日本経済は回復した。しかし、これは、円安による偽りの回復だった。
 日本の製造業の復活とアメリカ住宅バブルは密接に関連していた。
 これが、2008年のリーマンショックによって急激に終焉した。そして日本の輸出産業が大打撃を受けた。

 第3期はそれ以降。ここでは、とくに2013年に導入された異次元金融緩和が重要な意味を持っている。
 政府への依存が強まったことが問題。

 将来に向けての課題
 (1)人口高齢化にどう対処するか?労働力人口の減少と高齢者の増加
 (2)中国における最先端技術(とくにAI)にどう対処するか?


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