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はじめての推し活

ひとはなぜゾンビ映画にハマるのか?

あの有名なゲームもそうだけど。
大昔のドラキュラ然り、
ミステリアスな魅力にやられるのだろうか。

実際体験はしたくないけど、
なぜかみちゃう。

もう30年以上も前のこと。
中国で言うゾンビ=キョンシーのドラマが大流行した。
小学校に上がったばかりのわたしも、
どハマり。

テンテン役の女優さんは
広瀬すずちゃんみたいにかわいくて
大好きだった。

なぜかキョンシーは死んでいるのに、
全く腐敗しておらず、
棺桶から飛び出して、
膝が曲がらず、ピョンピョン跳ねて移動する。

学校の休み時間には、
みんなキョンシーの真似をして、
ピョンピョン飛び跳ねていた。

もちろん、
キョンシーは死んでいるので、
ご飯はこんもりもられた上に、お箸がブッ刺してあるのだ。

家でも同じようにこんもりよそったご飯にお箸をたてて、親に縁起でもない!と怒られた記憶もある。

そんなある日、
沖縄にビッグニュースが舞い込んだ!

テンテンとキョンシーズの来沖イベントがあると言う。

当時の沖縄は、県外から芸能人が来ることもなく、まだ沖縄ブームも来てなかった。
夢のような機会だ。

わたしは、親に頼み込んで、
車で1時間半ほどかかる会場まで連れて行ってもらった。

当然ものすごい人、人、人。
あんなに大勢の人が集まっているのを見るのは、生まれて初めてだ。

生で見るテンテンは、
テレビと同じくものすごくかわいかった。

イベントでは、舞台上でテンテンやキョンシーズとキョンシーごっこできるコーナーなど、手を挙げて当てられた一部の観客も参加できる企画があった。

当時わたしは相当内気で、人見知りだったけど、推しと交流できるとなれば、頑張るしかない。ひたすら真っ直ぐ手を上げ続けた。

何も考えずに。

キョンシーごっこコーナーは終わり、
テンテンへの質問コーナーへ突入。

なんと、不意打ちで当てられてしまった。

わたしは頭が真っ白になる。
何を質問するか、
全く考えていなかった。

大好きなテンテンがこっちをみている。
もう思考停止である。

もじもじしながら、
どうにか質問を絞り出す。

「すきな給食のメニューはなんですか?」

通訳の方もちょっと困っている。
台湾に給食があるかなんて、当時は気が回らなかった。
でも、どうにか好きな食べ物という質問にして聞いてくれた。

「すきな食べ物はステーキです。」

答えが返ってきた。

このあとの記憶はほぼない。
もう、満足だ。

でも、もっとききたいこと、
気の利いた質問ができたはずなのに。

それができなかった自分が歯痒かった。

そんな初めての推し活。
小1のおもひで。

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