レファラシがでない
小1のころ。
わたしは、わりと勉強はできる方だった。
体育が足を引っ張るぐらいで、それ以外の教科の成績はよかった。
ただ、人見知りでおとなしく、声が小さかったので、
成績表には「もっと大きな声でお話ししましょう。」
とかいてあった。
ちなみに、習い事はガールスカウトとピアノをやっていた。
そんなわたしが、小1の時のこと。
音楽の授業でハーモニカを習う時期がきた。
先生から、次回の授業で「きらきらぼし」を吹きますよと言われた。
家に帰り、家族にその報告をする。
じゃあ、練習してみようかということになった。
「ド・ド・ソ・ソ・〇?」
事件発生。
ハーモニカの吹き方を忘れた人は思い出してほしい。
ド→吹く
レ→吸う
ミ→吹く
ファ→吸う
ソ→吹く
ラ→吸う
シ→吸う
きらきらぼしの冒頭「ドドソソララソ」の5番目の音。
「ラ」が出ない。
何回やっても出ない。
姉や母は知っている。
母・姉ズ「ラは吸えば出るよ。」
ゆ「・・・、すうってどうすればいいの?」
(一同驚愕)
前にも言ったが、うちの母は5人の娘を育てている。
おそらく、誰もこんなところで引っかかった娘はいなかったはず。
だから、姉をはじめ、母もびっくりなのである。
まさか、「吸う」ができないとは!
っていうか、毎日酸素取り込んでるやんけー!!!
今この瞬間も息吸ってるじゃん!!!
そこにいた誰もが、そう突っ込んだ。
今この瞬間も、私が無意識に「吸う」という行為をしているか。
母と姉ズがどんなに言葉を尽くして説明しても、無駄である。
どうやったら吸えるのか、「ラ」の音が出るのか、私にはわからないから。
無意識でやっていることを、意識してやることはできないから。
言葉で説明しても無駄だと悟った母と姉ズ。
ストローを持ってきて、私に吸わせようとする。
でも飲み物が無いから、吸えない。
結局、母は姉にコーラを買いに走らせる。
ストローでコーラを飲む。
わたしは、「吸う」を意識して経験する。
もう一度、ハーモニカを口に当てる。
「ドドソソララソー、ファファミミレレド」
できたーーーーーーーー!!!!!!
(一同拍手喝采)
きらきら星なんて、おそらく我が家では、みんな教えなくてもすらすら吹けたに違いない。「ラ」の音を出すまでに、ここまでてこずるとは、誰も思わなかったはず。
そこからも、きらきらぼしの特訓は続く。
最後まで、ちゃんと音がでる。
間違わずに、1曲通せるようになった。
次の音楽の授業で、「きらきらぼし」ふける人ー?
と担任がみんなにきく。
みんなふけるものだと思っていたから、わたしは張り切って手を挙げる。
なんと、だれもいない。
わたしは担任に当てられて、クラスのみんなの前できらきらぼしの独奏をすることになった。
最後まで、間違えずに完璧に吹いて見せたドヤ( ・´ー・`)
(一同拍手喝采)
「すごいねー!みなさんもゆきぴさんみたいに上手にふけるようにがんばりましょう!」
ってほめられた(n*´ω`*n)
底辺どころか、マイナススタートからの逆転劇。
(いや、私以外だれもふけなかったの?なんで?)
じつはふけるのに、手あげなかっただけ?
そんなわたしも、
無事「吸う」を意識してできるスキルを取得!
高学年になる頃には、
鼓笛隊でトランペットを吹くまでに成長。
あ、トランペットは吹くだけだった。
(吸わなくてもいいやつ)
みんなはハーモニカ、普通に「吸う」出来た?
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