正田圭さんの経歴に関する疑義を検証する

脱社畜サロン半分になりましたね。
イケハヤの発狂でサロンは盛大に炎上しましたが、発端である正田圭さんは最初こそ反論していたものの劣勢とみるやだんまりを決め込み、結局何が真実だったのか、正田圭さんの経歴は本当なのかわからないままで、どうも逃げ切りを図っている節があります。
そこで、せっかくなので情報を整理して、結局正田圭さんとは何者だったのか、皆さんに改めて考える助けになればと思いnoteを書くことにしました。
大まかには次の流れでまとめます。 
1.正田圭さんの経歴
2.正田圭さんに関する記事に関する疑義
3.M&A実務をしているという正田圭さんの嫁
4.結局の問題

1.正田圭さんの経歴

簡単に時系列にまとめると下記の様になります。
1986年4月 奈良県出身
2001年(15才) SEO関連の会社を起業
2005年(19才) SEO関連の会社を売却
2010年(24才) 年商35億の企業を倒産させる
時期不明     飲食、小売、建築など6社を売却
2011年(25才) TIGALA株式会社を設立し代表取締役に
2013〜2015年  汐留パートナーズ非常勤役員
2015年(29才) 正田圭さんの資産が10億を突破
2016年頃?    麻雀ウェルカムの事業再生に関与
2017年5月     M&A仲介事業開始
2017年12月         pedia買収
2018年2月     pedia salon開始
2018年6月     1億円を調達
2018年10月     1.5億円を調達

では、それぞれの経歴についてわかっていることを書きます。

まず、正田圭さんが起業したというSEO関連の会社についてですが、現状一切が不明です。SEOの先駆け企業だったということなので何かしら記事になってたり、知ってる人がいてもおかしくないと思うのですが、今の所この会社に関する情報はありません。(知ってる人いれば教えてください)
ちなみにインターネットの広告代理店と言っていたり、

そのため、起業という選択肢しかないと思い、「インターネットは今後大きく成長する」といった軽い気持ちでインターネットの広告代理店業をはじめることにしました。
引用元:https://www.pr-table.com/tigala/stories/823

売却したのは20才のときと言っていたりするものもあります。

会社を売却して得たお金をプライベートバンクに預けて、自由に旅をして戻ってくると、預けたお金が増えている、と書かれているんです。それで会社を売却するのは良さそうだなと思い、20歳のタイミングで会社を売却。
引用元:https://www.pr-table.com/tigala/stories/823

次に経営していたという年商35億の企業、どうも不動産投資で失敗し、倒産したということのようです。この年は確かにリーマンショックでたくさんの企業がおなくなりになられていますので、ありそうな話ではあります。
しかし、売上高が35億もある企業が倒産したとなると多かれ少なかれ記事になっていないのは不自然と言わざるを得ません。非公開会社とはいえ売上高が35億もあれば外部の企業と相当額の取引をしますので、普通は帝国データバンクなり東京商工リサーチなりが倒産情報をキャッチします(売上高が1桁億円の企業でも結構捕捉されます)。しかし、いずれのデータベースでも正田圭(旧姓:安田圭)という人物が代表取締役をしていた企業の情報を見つけることはできませんでした。
なにより、会社が倒産しているケースで会社名を答えられない理由がよくわかりません。なんで倒産してて、従業員ももういないのに会社名が明かせないんでしょうか?解せぬ…

その後も正田圭さんは少なくとも6つの会社を経営し、売却しているとされています。しかし、これらの企業名を一切明かせないというのはかなり疑わしいと言わざるを得ません。売却先がどんな会社かは知りませんが、通常は企業を買収したら取引先などに知らせるためにホームページなどでお知らせを出しますし、公告も行います。その際は当然対象となる会社名と合わせて代表者名を記載しますので、正田圭さんの名前を一切ネット上に流出させずに6社もの会社を売却というのは正直すごいなーとしか思えません。
会社売却時には株主である正田圭さんと契約を結びますので、「正田圭さんから買ったということは一切公言しないでくれ」という約束をすることも確かに可能だとは思いますが、そもそも正田圭さんが代表者であったという事実は秘密情報ではありませんし、登記簿を取れば誰でも知ることができるわけですからそれを秘匿してくれというのも奇妙な話です。
大体からして「あなたから買ったということは一切公言しないでくれ」なんてことを買主に言われる経営者ってどんな経営者ですかね?
私は反社から買う場合くらいしか想像できませんでした。(M&A実務者のかた教えてください)

2011年TIGALA株式会社を設立し代表取締役に就任というプロフィールがあります。これについてはTIGALA株式会社の登記を確認したので、TIGALA株式会社の経歴についても簡単にまとめます。(なお、住所情報については関係者の自宅の可能性もあるので伏せさせてもらいます)
2011年12月 設立(本店:港区港南) 代表取締役小林硬平
2012年  5月 本店を港区港南に移転
2012年  6月 小林硬平が代表取締役を辞任
2012年  6月 代表取締役に安田圭が就任
2013年11月 小林硬平が取締役を辞任
2014年  2月 正田圭に姓を変更
2014年  4月 本店を港区三田に移転
2016年  2月 正田彩が取締役に就任
2016年  2月 本店を渋谷区恵比寿に移転
2017年  3月 小野寺智寛、佐藤信祐が取締役に就任
2017年  3月 渡邉香織が監査役に就任
2017年  5月 本店を港区南青山に移転
2017年  9月 湯浅幾磨が取締役に就任
2017年12月 小野寺智寛が取締役を辞任
2018年  1月 湯浅幾磨が取締役を辞任
2018年  3月 山田真哉、菊地正登が取締役、社外監査役に就任
2018年  6月 渡邉香織が監査役を辞任
2018年  6月 山田真哉、菊地正登が辞任し監査役に就任
以上です。

んっ!??????
なんと、正田圭さんはTIGALA株式会社の設立時取締役ですらありませんでした。pediaに「TIGALA株式会社は正田圭さんの資産管理会社として設立した」とか書いてあったのですが…

当社は2011年12月より、代表取締役である正田圭の資産管理会社として設立されましたが、2017年5月よりM&A仲介事業を開始し、今回初めての第三者割当増資となります。
引用元:https://thepedia.co/article/2643/

設立時の株主が誰かは調べる手段がないのでわかりませんが、自分の資産管理会社の代表取締役に赤の他人を就任させるでしょうか?
というか正田圭さんはTIGALA株式会社設立時には取締役ですらありません。
更にいうと、2012年11月に変更されてますが、TIGALA株式会社の設立時の目的は現在とは全然違うものでした。

資産管理会社ねぇ…って感じですね。
後述しますがこの目的は正田圭さんの嫁である正田彩さんの過去の事業と被っています。
更に、小野寺智寛さんと湯浅幾磨さんが取締役に就任するも、一年も経たずスピード辞任してます。このお二方は簡単に調べたところM&Aや事業再生のプロみたいですね。まあスピード辞任に関しては憶測の域を出ないので何も言いません。

汐留パートナーズの社外取締役という経歴についても調べましたが何も情報は出てきませんでした。
また、汐留パートナーズにも問い合わせをしましたが返答がない状態です。

2.正田圭さんに関する記事に関する疑義

正田圭さんについて検索すると様々なメディアのインタビューやコラムが出てきます。すべて拾うとキリがないのですが、「正田圭」や「TIGALA」などで検索して上位に出てくるもの、かつpediaの記事や対談、自身の書籍など記事として客観性のないものを除外するとだいたい次の3記事です
①2017/7/21 エグゼクティブキャリア総研の記事 「15歳で起業したボクが35億の会社を経営するまでの話 ―中学生起業家の失敗のすべて – TIGALA株式会社 代表取締役CEO 正田 圭氏
②2017/12/26 fastgrowの記事 「TIGALA正田が迫る“エグジットした起業家の思考法”
③2018/5/17 ダイヤモンド・オンラインの記事 「23歳で35億円企業を築いた男の「一番確実でシンプルな儲け方」

これらについて私が何に問題と思っているかといいますと、これらがすべてヤラセじゃないかという点です。結論から申しますが、これらの記事はすべてパブ記事又はパブ記事の可能性が高い記事です。

パブ記事とはパブリシティ記事の略で、簡単に言うとお金を払って記事を書いてもらう、又は載せてもらうという商品です。
私も過去に自社の商品PRで使ったことがありますが、通常は企業が、自社製品をヨイショしてくれる企業のインタビュー記事を載せてくれとか、新商品を出したので取材してくれという用途で使われます。当然メディアからしたら出稿者はお金を払ってくれるクライアントになるわけですから、かなりクライアント寄りの記事になります。というか、こう書いてくれと言ったらほぼそのとおりになると思っていただいて構いません。
私もまさか自分で自分をヨイショする記事を載せるために使う人がいるとは思ってなかったのですが、いました。

エグゼクティブキャリア総研ですが、転職エージェントであるEXCAREERが運営元です。ここがどうかは知りませんが、こういう転職サービスは求人依頼をするとトップインタビュー記事を書いてくれるというサービスが付いてきたりします。
次のfastgrowですが、これは記事にちっちゃく「sponsored」の文字が入ってます。つまりパブ記事確定です。
最後のダイヤモンド・オンラインですが、よく見ると提供が「QREATOR AGENT」になってます。つまりダイヤモンドが取材したわけではなく、QREATOR AGENTから記事提供を受けて掲載しているということです。
QREATOR AGENTに私は知らないのですが、山本一郎さんがパブ記事であると指摘されていました。

総括すると正田圭さんに関する記事はパブ記事ばかりだったということになるわけですが、これをどう考えるかは各人におまかせします。

3.M&A実務をしているという正田圭さんの嫁

正田圭さんがM&Aの実務を任せているという正田圭さんの嫁、正田彩さんに(@ZZZZ2611)ついても調べて見ました。
本人のプロフィールでは「21歳で会社設立→売却」となっています。
本名で検索するとなにやら怪しげなイメージビデオが出てきますが多分他人の空似でしょう。
調べてみたところ正田彩さんは株式会社レッドハートと言う会社を経営しており、JEWELRYADDICTというブランド名で楽天等でジルコニアのジュエリーなどを販売していたようです。(当時のtwitterアカウントもありました@jewelry_addict
当時のホームページもあって、現在は繋がりませんがウエブアーカイブから一部は確認できます。https://web.archive.org/web/20110904010137/http://jewelryaddict.co.jp:80/
まあ見てみるとジルコニアをダイヤモンドって言って売っちゃうところとか、LAセレブがせいぜい1万くらいしかしないジュエリーを愛用してるってマジ?って感じで、今のビジネスに通じるところがあるような気もしてきますが、これも検証不能なので多くは申しません。
ちなみにこの会社も2013年以降の足取りが全くつかめず、登記情報も見つけることができませんでした。(知ってる方いたら教えてください。)
2014年には正田圭さんと結婚しているはずですので正田彩さんの経歴としては会社売却1回ということになると思います。ただM&A業界で働いた経歴もなく、事業売却の経験が1回あるだけの正田彩さんがM&Aの実務をやってますってのはかなり苦しいよなというのが正直なところです。

4.結局の問題

結局の所じゃあ何が問題なのかというと、えらてんさん(@eraitencho)が指摘されていた「正田圭さん、単刀直入にいって、あなた儲かってる風の雰囲気だして信者つくって、信者から集金することで儲けるタイプの人とちゃいますか?」これに尽きるわけです。
正田圭さんの「2〜3桁億円をメインとしたM&Aコンサル会社」という肩書ですが、正田圭さんは「三桁億円の案件は今やってる最中だからセーフ」と弁明しています。
ですが、「2〜3桁億円のM&Aを獲得してたけどプロフ盛っちゃった」と「盛ったプロフで2〜3桁億円のM&Aを獲得した」は全く違います。
TIGALA社の事業計画書には次のページがありました。

これを見るとTIGALA社のM&A案件はpedia又はpedia salonのM&A無料診断から獲得してきていることが推測されます。
pedia買って、パブ記事で自分ヨイショして、その後にM&A案件を獲得してるのは明らかなわけです。なぜならM&A無料診断はpediaの中で行われてるわけですから。
このFAを依頼した人たちはどういう情報から正田圭さんに依頼したんでしょうか?その情報って正しかったんでしょうか?盛ったプロフにだまされて依頼したわけではないんでしょうか?

5.さいごに

他にもガバガバな事業計画書など突っ込みたいところは山程あるんですが、分量が多すぎるので終わりにします。
結局の所、正田圭さんに関しては疑わしいってことしか言えないわけですが、正田圭さんが誠実に答えてくれればほとんどの疑いは晴れると思いますので、正田圭さんがきちんと答えてくれる日が来るのを期待しています。

ちなみに正田圭さんはM&Aのプロで連続起業家とはとても思えないようなペラッペラなコメントがチャーミングな方ですが、モーメントにまとめましたのでよければどうぞ。
https://twitter.com/i/moments/1088732339599958016


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