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どうでもいい話(2023年 7月分)


シーン・ビジネス⑤

とまあ、偉そうな事を並べ立てたけれど、私は“接客しなかった”だけである。

私が遅番の時は売上の伸びが違う、なんて良く言われたけれど、ただ単に遅番シフトが多くって、日数の少ない他スタッフは時の運だっただけかもしれないし。

20年近く昔は「販売=接客」という風潮がまだまだ根強く、大手アパレルメーカーが180°接客方針をひっくり返しVMD主の販売戦略を打ち出す少し前。

本社の販売部には過去、百貨店でマネキン経験をしてきた、接客の猛者が多く残っていた。

個人ノルマは無いけれど、月間日間で店舗予算が設定され、半期予算達成を達成出来れば、少額の報奨金が店舗に出る。

逆に達成出来なければ、連動する稼働予算(働けるだけの時間)が減ってしまう。

後述もするが「接客しろしろ」言われない筈が無い。

私が最初に勤務したT店は、館の立地も、テナント位置にも恵まれていて、放っておいても来客は多いし、飛ぶように売れる店だった。

私は接客しにいかず、お客様を観察していただけ。

あ、じ~っと見詰める訳じゃないよ。

自分は作業していますよ体で、店舗全域に意識を張り巡らせていた。

お客様は千差万別。
お喋りしたい方も、放っておいて欲しい方も、気になる商品は有るけどサイズが分からない方も、店員に声を掛けるのは恥ずかしい方もetc

お客様に合わせて、私は お手伝いしていただけ。

基本的に他スタッフが居れば作業しないで談笑してたし。

そんな私の、独りの時間の相棒達。

─脚立─

T店は天井高く、特に壁面什器の上2段は、脚立が無いと商品が取れない。

用意されていた脚立は、A型に広がる5段と8段。畳んだ状態で1.5mと2m。

この5段脚立の4段目を肩に掛け、土日なんかは息付く間もなく行ったり来たり。

ちょうど上がると「○○さん、それも取って!」「その横のも!」なんて、スタッフや お客様方にリクエストされて、しばらく脚立から降りれなくなったりも(笑)

私は運痴だけれど、当時は今は無き体幹に何でだか優れていたから、脚立のてっぺんにつま先立ち出来て、登った後の可動範囲が広かった。
※脚立の天頂部には立たないように、とシールで注意書きが貼ってあります。真似しちゃダメですよ。

繁忙期を過ぎ、閑散期に入ると、掃除以外に やる事無い。
皆 掃除しているから、お手軽な手の届く範囲は終わっちゃってる。

皆がやらない上の方しか、ホコリが残って無いんだな。

だから私、基本的に高さ2m以上の範囲を、区画毎に掃除してたもんだっけ。

意外とね、皆あんなに掃除してるのに、上の方は手付かずだったりするんだよ。

特に天井に着く、大ガラスと大鏡。

ガラス類は早番が一度拭いたら、余程の事が無ければ拭かれない。皆 時間が無いから、パッと目に入る、背伸びで手の届く範囲だけ。

これより上は、業者や館の設備さんに外注になったりで、年に一度ぐらいしか拭かれない。

何となく、初めて見上げた時。

──汚ったな。

て、思ったよ(遠い目)

透明な筈のガラスが、磨りガラスですか?てなくらい、真っ白けっけ。

一度気付いちゃうと気になるもんで、月に一度は2m脚立のてっぺんに つま先立って、洗剤拭き水拭き乾拭き。

ピッカピカの真っ透明、洗剤の筋が残らんように拭き上げたもんだ。

何度か言った気もするんやが、落下系の絶叫マシーンは大の苦手なんだ。
あの、胃の、ヒュッて浮く感じが、何とも…(震)

だから高所恐怖症なのかなぁ、なんて思ってたんだけど、どうにも違うみたい。

多分ね、命の危険性の無い高さと、確実に絶命する高さは平気なんだ。自分でもよく分かんないんだけど。

中間の微妙に死にきれなさそうな重症を負いそうな高さがダメみたい。

ほら、脚立から落っこちても、余程打ち所悪くない限り痛いだけで済むじゃない。

脚立作業していると、店舗全域を見下ろせるから、好きだった。
床に立っていると平什器で、死角がどうしても出来てしまうんで。

そのかわり、上ったり下りたり頻繁。

脚立も当時はアルミ製の軽量のじゃなくて、スチール製のだったしね。そこそこな重量感を担いで お店の中を行ったり来たり。

閑散期でも結構な運動量だったんじゃないかな。
食パン生活とか、無理だよw

一番高所が終わったら、脚立に寄っかかりながら作業してたのは、内緒の方向で。

脚立は、友達。

─ダンボール箱─

これが一番好きだった。
商品が届くと毎日やってくるパッキン。

私は某アミューズメントパークで店舗裏倉庫番をやってた時期が有って、ことダンボールとガムテの扱いには慣れていた。

箱を開けるのにカッターの刃は出さないから、シュッとスラックスの尻ポッケに差してな。

ガムテは腕輪みたいに手首に嵌めてたな。

中番だと店着したパッキンを作業し易い様に広げたり、遅番だと移動商品を箱詰めする作業が多くって。

クルクルって指先で回しながら、箱を組むのもバラすのも とにかく速かった。
いや、引越し業者さんとか倉庫番の方々には負けますけど(汗)

「あ!この箱良い!取っといて!」

なんて、良く片付けないでおいてもらったものだよ(遠い目)

工作するのが好きだったもんで、箱の耳を切ったり外側に折り込んで強化した、ストックやバックヤードの丁度良いサイズの小物入れを作っていたものだよ。

中でもゴミ箱はヘルプ先でも作ってたな。

大概どこの店舗もオープン当時から使ってそうな、どデカい箱の天井をくり抜いただけの、くったくたなゴミ箱を使っていたもんで。

バックヤードに置いてあるんなら良いんだけど、レジ横とか人目に付く所に平気で置かれてるんだもん。
気になっちゃって。

ダンボールを半分割して、ロゴやガムテの剥がし跡なんかも内側にして、できる限り見栄え悪くならない丈夫なやつを こさえたもんだよ。

あの頃は線引使わないで真っ直ぐダンボール切るの得意だったな。蛇腹の垂直方向にもよ。

─厚紙─

商品をディスプレイする時に折れ防止で畳んだワイシャツの背に入れる1.2mm厚の厚紙。

工作にもよく使ったけど、一番やったのは、角落とし。

備品倉庫から届いたまんまの厚紙だと、工場で裁断したままの角が有る。

この角がな、シャツの背にシュッと入れた瞬間に糸を引っ掛けちゃって、傷作っちゃうんだよ。

「ぎゃー!!?」

なんて、良くなったっけ。

だから店舗に有った厚紙は、工作用の数枚だけ残して、全部ハサミで四角を丸く落としてやった。

これもね、8mm直径の円に切るのを、最も得意としたよ。
数十枚切って重ねてトントンって正した時に、殆どズレてないくらい、綺麗に揃うんだよ(えっへん)

この辺からは通常業務で使うもの。

─マネーカウンター─

ある時、T店長に言われた。

「コレ、邪魔だから捨てて良い?」

「え!? 使ってますよ、ソレ」

引き出しの中にキッチリ納めていたマネーカウンターを差し、T店長は首を傾げた。

「え?使ってるの?コレ」

「使ってます、使ってます!」

小銭を種類毎にセットして、高さの目盛で金種事の枚数と金額を知れる、手動の集計器。

使わない日は無い。
使わない従業員は居ない。と、思ってた。

「むしろコレ使わないで、どうやって数えてるんですか」

「コレ」

T店長が差したのは、釣り銭バックに小銭を納める時に使う、個別の棒金ケース。

確かに、50枚セットで10枚ずつ仕切りがあるけれど、目盛は無い。

「端数はどうしてるんですか?」

「数えて、暗算してる」

何ソレ、絶対、面倒臭い。

「いや、コレ使った方が絶対早いですよ」

「使い方分からないし」

oh…

「あー…とりあえず、皆 使ってるんで、捨てないで引き出し入れといて下さい」

なんてね、事も有りました。

T店長は早専だったから、常に決まった釣り銭額しか数えなかったから、こんな事になってしまったんだと思う(笑)

─電卓─

私は そこそこタイピングが速い方だが、ことテンキーの入力は神速に辿り着いていたと思う。

POSレジ等のデータでは見れない平均値や客単価を出すのに、良く叩いてた。

タタタタタタタッて50品目くらい打って、総計に差異が無ければ「やった~!」てなるし、差異が出ると「畜生!もっかいだ!」てなる。

ほぼほぼ差異は出なかったけど、必ず2回は同じ計算して、自分が出した数字が正解なのか確認してた。

ただね、このテンキーに慣れすぎてしまって、ノートPCの横並びの数字を打つのは、物凄く遅いし良く間違える(笑)

とりあえず、思い付くだけでこんなもんかな。
今では、出来ない事ばかりだ。

─おまけ─引き出し

T店の引き出しに謎の物体が入っていた。

木製で3つのプラスチックの節が稼働する、太さ1.5cm 長さ7cm程の、細長い物体。

片側は丸い球体で、片側は扇形に湾曲している。

…指。

どっからどう見ても、指にしか見えない。
先輩スタッフに聞いてみた。

「コレ、何なんですか?」

「指」

あ、やっぱ指なんだ…

話を聞けば、当時木製で掌付きだったトルソーボディの指が、もげてしまった物らしいんだけど。

店内のトルソーに、指の無い物は存在しなかった。

若干、恐怖である。

遅番で閉店後、照明を落とした店内で独り引き出しを開く度、ゾワッとしてた。

──この話、これで終わらない。

ヘルプで入ったI店にM店の引き出しにも、同様に指が一本だけ入っていた。

やはり、店内のトルソーに指の無い物は存在しない。

確かにポコッと取れやすい物ではあったけど…

指だけ在るとか、地味に恐怖である。

⑥に続く──

ちょっとだけ弱音。

無理をして、また絵を描けなくなるのが、怖い。
無理をして、何の世界も無い虚無を生きるのが、怖い。
世界を、呪いたくない。

仕事にしてしまうと、絶対、無理をする。
もっともっとと、貪欲なまでに仕事にかまける。

だけど、私にはコレしか残ってない。

創作出来ない人生は、嫌だなんだ。
下手でも、下手なりに、世界を描き続けたい。

──ぬぬぐぐぐぅ…

はい!お先真っ暗、弱音終了!

明日はエロの話する!

上げてくぞぉ!フルスロットル☆ブィブィブィブィーン☆

エロと虫の話はテンション上がるよね!
なんでだろね!

遊び屋⑦※ちょいエロな話※

30代前半、なんだか妙にハマっていた場所がある。

ラブホテルだ。

一般の小綺麗な所より、コンセプト部屋の在る所が「何コレ!!?」ていう使い方も分からん遊具がいっぱい在って面白かったもんで、つい。

キャラクター部屋はキャラクターが描いてあるだけだったな。場所にも寄ると思うけど。

宿泊しても一部屋 一万円しない、下手なビジホより お安いもんで、遠出した時の宿 代わりにも使ったりしてた。

まあ、言うてもそんなに方方へ行ってはおらんのだが。

これまで元旦那・パートナー・アレやらコレやら・うにゃむにゃと、巡って来たラブホの感想おば少々。

─駐車場─

初めてラブホを使ったのは20代前半。

私の愛車で半島を回るドライブの途中、通りかかった大通り直結の、田舎のポツンとラブホテル。

真夏の早朝出発だったから、真っ昼間に ちょっと仮眠、てなノリだった。

駐車場直結タイプのラブホで、1台用の車庫の上に、メゾネットの部屋が在る。

何部屋か入口を囲うように建っていて、奥には本館。
一部屋使われてるようで、車庫の入口に幕が下りてた。

適当に空いてる車庫に車を入れ、細い階段を登れば、広々とした古そうだけど綺麗なお部屋。

…あの、ベッドの上の明らか布団で無い幅広の帯は、一体…

普通にビジホでもかかってたりするけど、アレ、何なんだろうね。

小机の上には、UFOキャッチャー1回分のコインが1枚サービスで置かれていた。

…そういえば、なんか知らんが慣れてると思われてたらしくて、いきなり初めて口に突っ込まれたの、あっこだったな(遠い目)

呑んだけど。

あの時は休憩だったかな、色々いたして夕方、日が高いうちにドライブの続きしようと自動会計して、階段を下りた。

会計したのに、駐車場の閉められた幕が上がってない。

えええ~、どうすんの???コレ(焦)

車庫内を捜索するも、開閉用のボタン的な物も見当たらない。閉じ込められちゃった。

厚ビニール製の幕は地べたに重りの鉄骨が入っているだけで、簡単に言うと、鍵のかかってないシャッターみたいな造り。

持ち上げる事は、出来ちゃうんだな。

せっかく従業員と会わずに使える仕様なのに、幕を持ち上げ にじり出て、仕方なく本館に人を探しに行きましたよ(遠い目)

本館の階段を登れば、簡易なフロント。人は立っていないし、気配も無い。

呼び出しベルを何度か押して「すみませ~ん」て しばらく声掛けたけど、全く人が出て来ないんだな。

え~、困ったなぁ(汗)

フロントの周囲をウロウロすれば、通路に数台のUFOキャッチャー。
コイン持ち出して無いと思ってたから、やらなかった。

車庫に戻って、結局、私が幕を持ち上げている間に車を出してもらった。

ズズズズ…

ルーフめっちゃ擦ってんだけど(遠い目)

出し終えた車の運転を替わろうと運転席に回れば「あ」と声を出した お相手さん。

「ポケットにコイン入ってた!」

さっきフロント行った時に気付けよ。と 思ったのは、内緒だ。

持ってても困るんで、消化しにフロントに戻ってみた。

やっぱりフロントは無人。

ギャーギャー騒ぎながらキャッチ失敗して帰ろうとすれば、ようやく従業員が出てきた。

今更、用 無いから。

ペコッと一礼して、立ち去りました。

─アメニティ─

まず一番ラブホで驚かされる。
種類の多さが尋常じゃない。

洗面台の小カゴには一般のホテルでおなじみ、歯ブラシやカミソリなんかに加えて、化粧水~美容液まで基礎化粧品が並んでいる。

入浴剤も数種類、バブルバスまで在ったりして。

あわあわモコモコ楽しいよね!
ラブホの風呂釜はジャグジーだったりするから、余計に楽しいよね!

個包装のマウスウオッシュにローションなんかはラブホ特有。

ベット周辺にはゴムが2つに、灰皿には使い捨てライターまで置かれていて。
ボトルのウェルカムドリンクが冷蔵庫に そっと入っていたりもする。

トイレには必ず生理用ナプキンが2個置かれているし、女性系目線のアメニティが とにかく豊富。

これで、あの料金でしょ?コスパ最強。

勿論、貰って帰るよね!全部じゃないけどね!

─怖い話─

これは聞いた話。

昔働いていた店舗に、過去ラブホの清掃をやっていた、という方が居た。

なかなかに凄ぇ経歴してんな、て感心したものだ。

「ラブホのコップは使っちゃダメですよ。俺は絶対、使いません」

「何で?」

ホテルなんかで常設されている、ガラスのコップ。
共用だけれど、きちんと洗われて透き通っていたり、私は使えない程 潔癖ではない。

「大変な事になってるからですよ」

「大変な事!?」

「そりゃあもう、色んな使い方されちゃってて」

い…色んな使い方…

なんか、思い浮かぶだけでアレやらコレやら うにゃむにゃに、まみれちゃってるコップの姿。

「分かった。使わない」

店舗だったから流石に どんな状態なのかまでは聞かなかったけど。勿体無い事したな、と思う。

それからラブホのコップは使わないようになったんだけど…

一度だけ、猛然と お腹を壊した時がある。

あの時は ゆっくり一泊で、元気な日だったからノリノリで遊んで、朝も ちょっと遊んでから、チェックアウトしようと思ってた。

んだが。

早朝、トイレから出られなくなってしまった。

もうね、水しか出ないのに 出るもの無いに、怖いぐらい おトイレに行きたくなるんだ。

結局、残りの時間は全部おトイレ。
お腹抑えてヘロヘロで帰宅したよ。
凄ぇお相手さんにバツは悪いし、何より時間料金が超絶勿体無い。

超元気だったのに何で突然、あんなに お腹壊れたかな(遠い目)

思い返せば、あの日の夜。
お薬飲むのに使っちゃたんだよね、ラブホのコップ。

まあ、コップの所為では無いかもだけどね(笑)

─回転ベッド─

昭和の時代に懐かしい、今では四角いベッドが主流で ほぼ見ない。

一度だけ、出先の宿 代わりに使ったラブホが、丸い回転ベッドだった。

おおおお✨

ベッドにダイブして、枕元のボタンをポチッとな。

ゆっくり回り出す丸いベッド。
天井を見れば、貼られた丸い鏡。

たぁのし~い♪

ただただ回ってるだけなんやが、アトラクションにでも乗ってる感じにテンション上がったよ。うん。

ボタンは何個も種類が在って。

全部押してみたよね。

BGMが流れてみたり照明の色が変わったり暗くなったり。

ピロートークに意味も無く回してみたりもしたよね。するよね。

いやあ、アレは楽しかった。

もっかい普及してくんないかな。
設備としては、もの凄く お高そうではあるんだけども。

─コス・プレイ─

ラブホに寄っては簡単なプレイ用の衣装(ド○キで売ってそうなペラいやつ)を貸してくれる。

メイドドレスにミニスカナースにセーラー服etc…どれも一度は着てみたい。

小机に置かれたラミ写真をヨダレ垂らして毎度眺めていたんやが。

「そんなに着たいなら、お互いに一個選んで借りようよ」

なんて運びになったんだな。

メイドもナース捨てがたいが…やっぱ身近な所だと、学生の時 馴染みがなかったセーラー服かな。

「私、セーラー服にする!あと何、頼む?」

ベッドの枕元、フロントへの内線に手を掛け振り返った。

「コレ」

oh…

指し示された写真は、赤いブルマーの体操服。ご丁寧にハチマキ付き。

まさか、私に着せようってんじゃないだろうな…自分で着ろし。

思ったけど、セーラー服への憧れが湧いちゃってたから、素直に受話器を持ち上げましたよ(遠い目)

チャイム音と共に、カゴに入れられ届いた衣装。

おおお✨セーラー服だ!

紺のスカートに白い身頃の…あれ、何て言うんだ?セーラー襟のついてるセパレートの上着の部分。

あれ、ムズいね。
横開きなんだね。

若干 手間取ったけど、赤いスカーフを襟に渡し、30代の女学生(ヤンキー仕様)の出来上がり。

えへへ♪ えへへへ♪

ベッドサイドの鏡で全身眺めて、スカートぴらぴらさせたり、ご満悦。

そりゃあもう、楽しかったよ。
スカート捲ったり何やら、ごにょごにょ。

ただな、横開きだもんで、いざシュパッと脱ごうと思っても、方方 引っかかっちゃって団子になっちゃったよ(笑)

あとな~、体操服な~…

ブルマーって、なんて言うか、恥ずかしいよね…パンツ履いたまんまだと はみパンするしね(遠い目)

下手にパンイチより恥ずかしいよね。
何でだろね。

結局、ハチマキで縛られちゃったり何なり、ごにょごにょ。

まあ、せっかくだから勿体無いし、再びセーラー服を着てみた。

日中のお安いプランで残りの時間はまだ、たっぷり。
冷蔵庫が尽きちゃったもんで、オーダードリンクを頼んだ。

♫ピンポ~ン

「はいは~い♪」

チャイムが鳴ったので、そこそこ酔っていた私は、ふわふわしながら扉を開けた。

「あら~!」

注文品を持って来てくれたのは、壮年のおばちゃま。

「よ~く、お似合いで~♪すっごく、可愛い~♪」

「──あらやだ、ありがとうございま~す♪」

パタン(扉を閉めた音)

…………

めっちゃ恥ずかしい~!私、セーラー服 着たまんまだったぁ~!ぐぬぅ~(悶絶)!

恥ずかしいよ。

プレイスタイル赤の他人に おべっか使われるの、めっちゃ恥ずかしいよ。

顔から火が出るとは、まさに この事。

まあ、ブルマーでなくて良かったですよ…(遠い目)

─出歯亀─

とあるラブホでトイレに入った時に気が付いた。

足元腰元顔元いくつか、丸い金属の輪がハマってた。

コレ、玄関のやつ…

見まごう事なく、玄関扉に付いてる覗き穴。

え…覗けんのかな…

トイレ側から覗いて見たけど、見えるのは差し込む光だけ。
こちら側は反対方向のようだ。

隣の風呂場が覗けたら良かったのに…

部屋に戻れば、跡形も無く消えている お相手さん。

…まさか!!!

風呂場に回ったら、しゃがんで覗き穴 覗いてやがったよ、あの野郎。

─お風呂─

ラブホは大抵一般の風呂釜より広め、ゆったり2人は浸かれるサイズ。

洗い場も広かったり、ジャグジー付いてたり、お風呂遊びも楽しいもんだ。

3部屋はブチ抜かれてるだろう、広めの お部屋に泊まった時がある。
若干 料金は上乗せだけど、それでも2千円くらい。お得過ぎる。

部屋も広々としていたが、一番 驚いたのは風呂場の大きさ。

ふおぉ…✨

軽くテニスコート半面は有ったと思う。

中央には、でーんっと円形の風呂釜が鎮座していて、浴槽には手すりの階段付き。プールですか?

洗い場は広いだけじゃなくて、ちゃんと遊べる遊具が置いてある。
スケベイスやら、プレイマットやら。

水で洗い流せちゃうから、ラブホとはいえベッドじゃな~…なんて遊びも、気兼ね無く出来ちゃうんだな。うしし♪

─伝票─

ある時、クレカの明細を見ていて、ん?ってなった。

記載されていたのは、海鮮っぽい居酒屋の名前。

呑み歩いていた時期と被っていたからスルーしてたけど、全く行った覚えの無い居酒屋で、頻繁にクレカを使ってるみたい。
そりゃあもう、常連クラス。

んん~…スキミング被害とかじゃあるまいな…

なんて、自分の手帳と居酒屋の会計日を照らし合わせた。

──あ!コレ、ラブホ行った日のだ!

ラブホの自動精算機でクレカ使うと、そういう名称になってるんだよ。

出力されるレシートには、ラブホと違う名称が記載されてたりするから、処分する前に一度確認しておいた方が良いですよ。

─玩具─

ラブホには昭和の旅館にあったような、飲み物が個別に収納されてる、別料金の冷蔵庫が存在する。

小部屋から飲み物を取り出すと、自動で会計に追加される。
時々、古い現金を入れるタイプの所も在る。

ビールに缶酎ハイ、やや割高だけれど、2本は呑むよね。

時々、大人の玩具が一緒に冷えてたりすると、ちょっとニヤッてしちゃうのよ(笑)

他に、常温の小さな大人の玩具 自販機が置いてあったりする。

造りは冷蔵庫と同じで、ボックス型の小部屋に玩具が個別に収納されてる。

どちらかと言えば初心者クラスのローターやバイブが多い印象だから、ド○キのエロコーナーで買うのは恥ずかしいし、通販だと何買って良いか分からない、だけど初めてカップルで遊んでみたい、なんて時は良いんじゃないかな。

キャッキャと照れ笑いながら「やだぁ、も~」なんて、やり取りする、若人カップルが脳裏に浮かぶよ。ニヒヒ。

─遊具─

ラブホの一般部屋には無かったりするけど、コンセプト部屋にはプレイ用の大型遊具が置いてあったりする。

一番多いのが、SM部屋。

私はSでもMでもないんやが、ノリでソフトなプレイもしたりする。

一般部屋よりエロティックな内装の所が多く、赤い壁紙に黒い天井…なんて部屋に当たると、思わずゴクリと生唾呑んじゃうよね。

遊具の正式名称は分からんのだが、メジャーな所だと、X字の貼り付け板。
コレはどのSM部屋にも必ずある。

ただな、使い方がいまいち分からん。SM物は なんか可哀想で観てらんないのが多いもんで。たまに観るけど。

両手を繋がれて、ただ立位で~みたいなパターンになりがちだな。

ムチやらパドルやらSM小道具なんか持ち込んで無かったりするしね。フラッとその場の気分で部屋選択しちゃったりするもんで。

やっぱり正式名称は分からんのだが、なんか宇宙的なギャラクシーな名前だった気がする…何だったかな。

初めてラブホで お目見えしたのは、あー、えー?文章で説明するの難しいな…

何かマッサージ屋さんのベッドみたいな凹みと穴の空いた、馬の鞍のような形の遊具。

半身乗る位のサイズの座面に、頭側と足元に手足を乗せるようの棒が付いてる。

公園の木馬の遊具がイメージ近いかな。

何コレ!?

って、まず乗ってみたよね。

簡単な説明書きが在ったんだけど、最初に当たったやつは、座面の下から床に掛けて四角い金属の柱になってて、ただ、置いてあるだけって感じだった。

無重力的な動きも無いし、何より乗り方が分からん。
アレは、上を向いて座るものなのか…?下を向いて伏せるものなのか…?

伏せて乗って手足を棒に置くと、座面のフチと膝部の棒が、体に刺さって地味に痛い。

何か よく分かんないな、てのが最初の感想だった。

2度目に お目見えしたやつは、座面の下が支柱ではなく、太いスプリングで出来ていた。

びよんびよん するんだ、びよんびよん。

あれは面白かった。うん。またやりたい。
結局 使い方は良く分かんないままなんやけど(笑)

AVなんかでお馴染みの箱ブランコ、繋がれて動けないけど 往復の揺れが発生するやつ。

もちろん、乗るよね。繋がれるよね。

ただな、あん時 酔っ払って悪ノリしてて、全裸のM字開脚、写真に撮ったんだよね(遠い目)

撮って、と 言ったのは私だった気もするが、お相手さんだったかな…??
記憶が あやふや。

何枚かハメ撮った写真、個人利用の範囲で済んでれば良いけど。
まあ、おおやけ にされたところで 私は痛くも痒くも無いから、別に良いんだけど。
金は払わねぇよ。ばら撒いちゃってくれ。

ハメ撮りは、別れた後のリスクも考えてから、行いましょうね。

──とりあえず、思い付く限りでこんなもんでしょか。

また面白いラブホ話、思い出したら語ります。

そうそう、コンセプト部屋と言うと、電車の車内だとか、撮影現場のセットみたいな部屋が在るんだって。

一度行ってみたいな✨電車のやつ✨
絶対、楽しいよね!

⑧に続く──

シーン・ビジネス⑥

販売員やってた現役時代で、数え切れない程の新人を教育した。
ノウハウ程の話では無いんだが、一応、記しておこうと思う。

バイトを始めて、3ヶ月目。
常勤スタッフの中では、T店長に次いで一番の古参になってしまった。

こればかりは入れ替わりの多い業種なので、致し方無い。

んだが。

もれなくやってくるのは、新人教育。
私も新人なのに、更に後輩の指導をせねばならん。

自分独りで資料を読み漁るより、誰かに教えながらだと、自分自身の勉強にもなる。
読んだり調べたりした知識よりも、実践した方が私は すんなり覚えられるんだな。

メインの日中業務は勿論のこと、早番は店長が、遅番は私が、二人で協力して育成する訳なんだな。

日中業務は おさらいや、店長が教えていない部分を重点的に担当して、店長に どこまでの範囲を教えたか共有する。

店長が教えている部分と重複しそうな気がするので、必ず「コレ、習った?」て聞いてから始めてた。

私はメイン立たずにサポートする立場。

“店長”という肩書きが付いちゃってると、どうしても皆最初は萎縮しちゃう。
T店長は年齢も少し上だったしね。お子さん4人だったかな。

その点、私はまだ20代前半だったから、皆 喋りやすかったとんだと思う。

最初っからガンガン話しかけるしね、私。
教える時も接客以外は、全部タメ口だったし。

私個人は人の合う合わないが多くって好き嫌い激しい方と思うんだけど、そういうのは職場では殆ど出さないし。
分け隔て無く接してたのも良かったんだと思う。

よく使ったのが「オッケー?」というフレーズ。
皆ノリ良く「OK♪」て返してくれるんだ。
「全然OKじゃない!」て全力で返ってくる事も有る(笑)

「分かりましたか?」って聞くよりか、対等な感じがするし、返事もし易い気がして好んで使ってた。

遅番の指導は困った事に、私しか出来ない。店長 早専だったから、知らないのだよ、遅番業務。

初めて遅番教えたのは、大学生さんだったかな。

私が最初に遅番習った時は鬼の2日間やったけど、店長に「最低3日下さい!」て言って、シフト組んでもらった。

日中は店長と私の二人体制、拘束9.5時間だったかな。そこに学校終わりの学生さんが3時間くらい遅で入るかたち。

フルタイムじゃないから稼働予算に余裕があって、土日含めて一週間 貰えたかな。

とはいえ、私自身 遅番業務が完璧…という訳では無い。
有り体のことは知っていたけど未経験だったり、不足の事態が起きた時の対処なんかは知らない事ばかり。

ここで、自信を持ってない空気を放っては、ダメだ(震)

接客と、同じだ。

先輩に自信満々に教えられれば、それだけ新人は安心出来る。

あ、勿論、適当な事は教えませんよ。

誰かに何かを教えるってのは、気が抜けないもんだ。サシだしね。

遅番教育初日、どう教えたら良いもんか分からなかったんで、最初に自分が教わった時と同じ方法をとった。

実際に全部触らせながら「コレをやったら、コレ」「それをやってる間に、コレ」みたいな感じで、進めてみた。

──大失敗だった。

まず業務を教わる時、皆メモを取るのだよ。普通の事なんだが。

しかも私流の流れで教えちゃうと、作業が入れ子になっちゃって、余計に訳分かんないメモが増えるんだ。

誤記
拘束9.5 ✕ → 実働9.5 ○

調子良く説明して「じゃあ次…」なんて言うと「ち、ちょっと待って下さい!」と言われてしまう。

作業で手を使っちゃってるもんで、メモをする時間が無いんだな。

こっちもこっちでメモしてる間は指示出しかけた指が空を泳いだまま、黙って終わるのを待つしか出来ない。

バーッて書いて「お待たせしました!」て続きのGOサインが出るんやが…

絶対、ろくなメモ出来てない…

て、分かるよ、こっちも。

そんなこんなを繰り返し、小一時間掛けてレジ締め何やらの閉店作業を、一通り教えてた訳だ。

教育時の残業代は出るって聞いてたから、ちゃっかり残業付けましたけど。

翌日。

やっぱり私が教わった時と同じに、実際やってみてもらった。

とりあえず私は口を出さずに黙って作業するのを見守ったんやが…

「ええと…えええ~と…(汗)」

ペラペラペラペラ、めくられるメモ帳。

作業の項目を整理して記載してないから、探し当てられなくてメモ帳の頭からお尻まで全部めくって、それでも探し当てられない。

やっぱりな~…(遠い目)

と思ったのは、内緒だ。

「出来ました!」

なんて言われても、出来てないことばかり。

「本当に?本当に、これでOK?」

「え?あ、いや…ええ~と…」

なんてのを3回くらいやって、あかん、と思ったんで、残りは全部指示出した。

こればっかりはな~…やってみん事には気付かない。

相手の得手不得手やレベルに合わせるって能力が極端に低い私が、全面的に悪かった。

これからは、教え方変えよう。と思う良いキッカケの出来事だった。

とりあえず この子に関しては、3日目の営業中にメモ帳を見せてもらって、足りないところ・間違ってるところを書き直してもらって、事前にも説明出来るところは説明し直しておいた。

5日目にはメモ見ながらで時間は掛かるけど、基本の閉店業務は おさえられたみたい。

「本当に?本当に、これでOK?」

「えッ!? あッ…ううん??…お、OKです…」

「うん、OK♪あはは~♪」

「ちょっと!からかわないでよ!変な汗かいたぁ~、もう~」

なんて やりとりは、新人には必ず やる定番になったな(笑)

とりあえず「店長に聞いても分かんないと思うから、遅番で困った事があったら私に電話して。どんな小さい事でも良いから」て伝えて締めた。

いや、皆、遠慮無いね(爆笑)

私の勤務時間外、容赦なく電話掛かって来たよ。休みの日に電話無い方が少なかったよ(笑)

またね、私が居ない時に限って「えッ!?」ていう問題が起きるもんで、私も大変勉強になりました。

ありがとう、Y君✨

さておき、私も指導の仕方について考えねば効率悪い事に気が付いた。

自分独りだとレジ精算・キャット精算・伝票作成・PC作業・入金etc、入れ子にならない作業が無い。

これ、知らない人間には、分かりにくいよなぁ…

実際作業しながら、何も知らなくて「コレをぽ~んと、やれ」て言われたら困るよなぁ、なんて考えながら遅番業務をするように心掛けた。

自分は自分、他人は他人。

自分と他人は違うんだって、色んなケースを考えてみた。

そして、店長も私も休みが少ない中、ヘルプをもらってどうにか回っていたT店に、漸く常勤スタッフが2名 採用された。

私の変更した教え方の流れおば、少々。

【⠀経験、未経験か確認⠀】

業種・業態 及び 機材(端末の違い)等々 関わらず、同じような作業をした事が有るか無いか、必ず確認する。

「前は何の仕事してたの?」「どのくらい働いてたの?」から「レジ締めた時有る?」みたいな流れに持っていって、さりげなく経験値を探る。
聞かれる方は警戒するから、開き直ってズバッと聞いちゃう時が多かったな。

例えば、自分を例にすると、直前の私は業態も会計方法も違う遊技場で閉店作業をしていた。レジを締めたり棚卸は日々の事。

現金を直接触る仕事では無いし、端末や伝票も違うが、似通ったもので応用が出来たんだな。

やっぱり完全な未経験より、何かしらで触った時の有る方の方が、呑み込みが速い。

【⠀最初から触ってみるか、やってるところを見るか、選択してもらう⠀】

作業の流れなんかは ぶっちゃけ、教える側は やりながら説明する方が、楽だ。

教わる側は両手が空くから メモを取る時間が取れて、作業中より見てる方が視野も広がるから、疑問が浮かんで確認もし易いと思う。

ちなみに、この質問をして最初から触ったスタッフは居なかった。

時々、私みたいに全部 自分で触らないと覚えられない奴も居るし、時間が取れない場合も有るから、ケースバイケースで。

【⠀作業は混ぜずに一個ずつ⠀】

定時で上がる為には、出力の待機時間や動線を工夫して、入れ子にした方が早く上がれる。

だが、初めて作業を教わる側は、混乱するだけ。

レジスターだけ精算・キャットだけの精算・館への端末入力・帳票類の作成…うにゃむにゃ、時間が掛かろうが、基本を掴んでもらっておかないと、不測の事態に応用が利かない。

基本は大事。

【⠀最後まで口は出さない⠀】

「先にそれやっちゃダメー!」ていう作業の時は、大慌てでストップ掛けるけど、基本的には黙って見守る。

一個の作業が終わる度に工程のおさらい、合ってれば褒めるし、違っていたら指摘する。
「本当に、これでOK?」は正解・不正解、どちらにでも使えて便利。

教える日数があったら、最初から最後までやってもらって、総評を下す日を作る。

教わる側は不安だから「これで合ってますか?」とか聞いてくれるんで、そういう時だけ「うん、OKOK、大丈夫!」とか「うん、間違ってる!」て、爽やかに返事する。

まあ「さあ、どうかなぁ(ニタリ)?」て、私は大体とぼけてましたね。だって、意地悪したくなるじゃん(笑)

【⠀魅せる⠀】

教える最終日、前日までに基本が出来ているな、と判断したら、手伝いはさせずに、私独りで やってみせてた。

勿論、基本ではなく応用の入れ子作業。
「こっちの間に、あっち」「あっちの ついでに、そっち」みたいな感じで手は作業をしつつ、口は説明。

営業中に不備がなければ大概、定時より十分早く終わる。

「速ッ!!?」て言わない子は、居ませんでしたよ(自慢)。

──とりあえず、こんなもんでしょか。なんか抜けてたら、後述します。

完全な我流ですが、何かのお役に立てれば幸いです(礼)

⑦に続く──

母親は、アレ(23)

我が家に来るなり、タンクトップに短パン一枚、母親の背中が、祖父にしか見えなかった。

「母ちゃん、じぃじ そっくり(爆)」

母親に祖父似だと言うと めっちゃ嫌がるんで、これでもかと言っといた。

そんな私と母親の、今朝の会話 備忘用。

短パンしたの素足に、レースの くるぶしソックス。
座椅子でテレビを見ている母親の足が、むくんでいた。

私「母ちゃん、足 むくんでるよ」

母「え?別に むくんでないけど」

私「ほらほら、ココ」

私は母親の靴下直上のポコつきを指した。

母「コレ、むくみじゃないよ」

私「え!? じゃあ、何コレ!!?」

私はポコつきを指でツンと押してみた。

ぶよっとしてた。

私「皮!!? たるみ!!? 脂肪!!?」

母「ちょっと、全部言わないでよ…(涙)」

私「あッ…ゴメ。全部は、言い過ぎたわ…(汗)」

うん、流石に正直に頭に浮かんだ単語が口から出ちゃったて、自覚はしたよ(テヘペロ)

(24)に続く──

シーン・ビジネス⑦

とまあ、エラそうな事を並べ立てたが、基本的に私は内弁慶の まのじゃくである。

新人なんか格好の獲物だ。

だって、イタズラの一つも出来なきゃ、やってられなかったんだもん!

特にOJTを口実にやる、お店屋さんごっこは楽しかったな。

新人スタッフに店員役をやってもらって、私は客人役。

最初は普通に会計の仕方だとかサッカー(袋詰め)なんかの基本を見るんだけど、待ってる間に必ず、意地悪な質問が浮かんで来ちゃうんだ。

コレ、聞かれたら困るだろうなぁ(ニヤリ)

最初のうちは「現金で五千円、クレカで端数を支払います」みたいな実用的な質問してたけど、終盤は「コレ絶対、答えられないやろ」っていう、半ばクレーマーに近い質問してた。

いやぁ、楽しかった(笑)

これもね、仕事でやるまらまだしも、普通に買い物してる時も出ちゃうから、タチが悪い。

お?そう返すか~!いただき☆

なんて勉強になるもんで、つい、やっちゃうのよね。ごめんなさいね、変な質問しちゃった店員の方々。

余談であるが、コレ、しつこいな~放っておいてくんないかな~みたいな接客されてる時にも、使う。

厄介な客と思わせて、離れていただくんだ。
たまに効かない人居るけど(笑)

そんな面倒臭い お客様にほど燃える私が、新人時代の出来事おば。

ワイシャツやネクタイはビジネスシーンにだけ、使うものでは無い。

冠婚葬祭、元来 正装としての役割だ。

ワイシャツにはザックリ分けて、ドレスシャツとソフトシャツの違いが有る。

ドレスは昔ながらの硬い衿芯が使われていて、台襟の下は第一ボタンで、直下のボタンが無い。

台襟のボタンを開くと衿元がたわんで格好がつかない。

元々、台襟もしっかり止め、ネクタイ着用で着るための正式なシャツだ。

衿芯が堅いので、慣れないと苦しい。

そこで登場したのが、ドレスよりも柔らかい衿芯を使った、ソフトシャツ。

ビジネスシーン等、長時間着用しても首周りの疲れが軽減される。

現在の主流は殆どソフトだな、ドレスは格式高い式典ぐらいにしか着用されない。

という認識も、クール・ビズが始まるより前のものだから、現行は もっと緩やかになってるかもな。

私が最初に務めたT店では、白無地レギュラーカラーのドレスシャツと、カラーバリエ豊富なソフトシャツと、両方 取り扱っていた。

先の知識も教わったものでは無く、調べまくった結果であって、教わった時は「これがドレス、こっちがソフト」くらいの薄らぼんやりしたものだった。

ぶっちゃけ、今持ってる詳細な商品知識は、雑学にしかならん。

だがな、こんな お客様は聞かんやろ、みたいな商品知識に、必要性があった。

独りで お店番をしていた、閑散期の夜。

店内に お客様は一人だけ、じっとネクタイを選んでいらした。

「すみませ~ん」

お客様に呼ばれたので お伺いに行った。

「このネクタイの素材は何ですか?」

「シルク100%です」

「芯地も?」

!?!?!??

洗濯タグを引っ張り出して細かい文字を読めば、ウールの記載。

ものによりウール100だったりポリが混ざっていたり。

簡単な予備知識だけど、それまで知らなかったんだ。

答えられたから良かったものの、ネクタイの事なんか、私は結び方一種類しか知らん訳。

誤記
まのじゃく ✕ → あまのじゃく ○

それだけでは終わらない。

「何でウールなんですか?」

!?!?!???

「少々、お待ち下さい!」

私は慌てて店頭のネクタイコーナーから、一番奥地のレジカウンターまで走った。

確か、確か、備品発注伝票のファイルに“ネクタイの知識”みたいなプリントが入ってた筈!

表紙をちょろっと見かけたくらいで、読み込んでいなかった。

大慌てでホチキス留めのプリントをペラペラめくって、大急ぎで戻った。

「お待たせ致しました、復元率を高める為です。ネクタイを結んだ後に出来る 結び目のシワ、ハンガー等に掛けておいて頂くと、生地の重みでシワが伸びるんです」

だった、気がする。

「ネクタイは洗えますか?」

「シルクなので、洗濯は出来ません」

「良くやっちゃうんですが、お醤油のシミなんかは、どうしたら良いですか?捨てるしか無いですか?」

!?!?!??

そんな勿体無い!私は再びカウンターを往復ダッシュ。

「シンナーやベンジンをしませた布で、軽く叩くと…」

昔 実家には在ったけど、そんな薬剤、一般家庭には無いだろう。と思ったのは、内緒だ。

「大切なネクタイでしたら、クリーニング店に持って行かれた方が、良いと思います」と付け加えた。

そんなこんなで他にも「表地の打ち込み本数」や「糸の番手」なんか聞かれ、小一時間、ネクタイの説明をした。
ネクタイの事しか、聞かれなかった。

お客様はネクタイ一本買って下さって、無駄では無かったなぁ、と思う。

プリント束には聞かれなかったネクタイの知識や、答え終わると抜けちゃった細かい数字なんか、沢山 残っていて。

…また、同じような事が起きたら、店内往復するのは、手間だ。

他にお客様の居ない閑散期だから出来たけど、繁忙期に出来る事では無い。

店内往復している間に他のお客様に捕まってしまうし、レジに入ったら出られなくなる。
お待たせしている間に去られてしまっては元も子もない。

私は独り手隙の時間に数日掛けて、ネクタイの知識を頭に突っ込んだ。

ついでだから色んなネクタイの結び方や、品番も詳細に覚えた。

店内で誰よりもネクタイに詳しくなったんで、店長に雑学として渡したり、接客時に一言添えるのに役立った。

まあ、同じような お客様には二度と当たらなかったけど(笑)

私は一辺倒の心にも無い褒め言葉を言う接客らしい接客が大の苦手だ。
ていうか、出来ない。

だから、商品知識をもって接客トークの代わりとした。

同じくワイシャツから小物まで、手引きの冊子を熟読した。
TPOも分かんない若造だったから、その辺も強化した。

自分の困ってたけど試してみたら解決した、経験談も役に立ったな。

私は織りの入った白シャツしか着なかったから、他スタッフによく「白シャツの事なら詳しい人が」て、交代されたりもした。

ある程度 商品知識に自信をもって来た頃。
とある、大失敗をした。

ネクタイの棚の前で、若い女性のお客様がポケットチーフを眺めていた。

「これはハンカチですか?」

「いえ、シルク100%のポケットチーフです。畳んでスーツのポケットに差す」

聞けばポケットチーフで、探されていた。
一部しか出してなかったから、在庫を出して持って行ってみた。

今度 結婚式を控えた花嫁さんが、お一人で必要物品の買い出し中だった。

「“ブートニア”って、分かります?」

!?!?!????

お客様に聞かれ、私は言葉に詰まった。

「あ、やっぱり知らないですよね。私も初めて聞いたんです」

私は うんともすんとも答えなかったんだが、顔に「何ソレ!?」って、書かれてたんだと思う(遠い目)

聞けば、花嫁さんのブーケと お揃いに、花婿さんにも同じ生花を胸ポケットに挿すのだと言う。

あ、あー!あれ、ブートニアって言うんだあ!

勉強になります。

結婚式の衣装は貸出だが、使用する小物(コルセット等)は各自用意する事が主流。

もれなくポケットチーフも用意するように、との事。

「胸ポケットに お花を挿すのに、ポケットチーフも要るんですか?」

!?!???

え…?????

ここで私、大失態を犯した。

ポケットにお花が詰まってるのに、チーフを挿したら、邪魔じゃない?

自分の尺度で実用性を考えた結果「必要無いです」と、答えてしまったのだよ…

お客様は勿論、店員の言葉を信じて、ポケットチーフは買わずに退店された。

えー…必要無いと思うんだけどなぁ…

モヤッとしたままだったので、お店のパソコンで『ブートニア ポケットチーフ 必要?』を検索した。

結果──

『必要です』

何だと!!?

ブートニアは あくまでも飾り、正装にポケットチーフは不可欠。

ポケットチーフを挿した上で、生花を飾るものらしい。
ポケットチーフが無いと、ダメなんだそう。

や…やっちまったああああぁ(泣)!!!

今更、適当ぶっこいた事を後悔したところで、遅い。

私は通路に走り出て お客様の姿を探したけれど、とっくに見当たらなくなっていた。

くうぅ…館内放送で呼び出ししてもらうか!?

とも思ったんだが、何て弁解すれば良いのか分からなくて。

ちょこっと検索しただけで出たんだから、少し待ってもらってでも調べるべきであったものを…

多分、着付け師さんとか式場の方が、どうにかしてくれる…ような気がする…

完全に他力本願にした。

自分の間違い一つで、人生一度であろうイベントを台無しにしてしまった。
と思うと、せめて館内放送で呼び出してもらえば良かった…と、今は思っている。

本当に、申し訳ございません(土下座)!

もう二度と、適当ぶっこくのは止めよう…

心を新たにする出来事だった。

あんまりね、店員の言うこと鵜呑みにしちゃ、あかんですよ(遠い目)
私みたいのが、居るからね。

⑧に続く──

シーン・ビジネス⑧

バイト5ヶ月目頃には、店長不在で新商品が入荷した後、レイアウト変更されなくなってきたり、何だかよく分からん頼りにされたりし始めて、ちょっと右腕っぽくなってきた(自画自賛)

土日は変わらずヘルプをもらっていたけれど、平日は人が余るので、車持ちの足の有る私はヘルプへ行く事も増えた。

ヘルプ先でも遅番だから、色んな お店ルールに出会って新鮮だった。

ヘルプ先では最大1回しか教わる機会が無いし、下手すると日中聞いただけでレジ締めだったりする。

いやまぁ、不安だよ。次のヘルプまで冷や冷やだったよ。出勤して速攻「大丈夫でしたか!? 問題起きませんでしたか!?」て聞くのが、常でしたよ(笑)

そんな私が出遭ってしまった、ちょっぴり困ったスタッフ、バイト時編。
内緒ですよ。

─ケース1─

T店の土日で良く中番ヘルプに入ってくれていた、Y店の学生ちゃんと I店の女性の方。

二人とも背が低くって、私は いつも見上げられていた。
この二人、ちっちゃいんだけど、圧って言うか…圧が凄い。

お話好きな方達だから、うっかり会計レジのフォローに入っちゃうと、出られなくなっちゃうんだ。

しかも、何か距離がめっちゃ近い。

T店のレジカウンターは片側が出入り口のコの字型だったから、近いなぁ…て思ってちょっと離れると、にじり寄って来られて、いっつも壁にピッタリくっつくまで、追いやられちゃってた。

その頃一緒に遅番やってたK君は人見知りな子だったから「逃げられないんです…どうしたらいいですか??」なんて相談してきた程。

分かる。分かるよ、その気持ち(ホロリ)

私はレジ終わったらサッと在庫出したり お店直したりしたい性分だから、同じ悩みを抱えていたんだな。

「とりあえず 閉じ込められないように、私は レジの入口側をキープしてる」

て、K君には助言したっけ。

誰かがレジ売ってたら 普通サッカーに入るんだけど、わざわざレジ交代までしてた。

なんか知らんが お二方とも私の事を気に入ってくれてる様子で、無下にも出来んから余計に困るんだな(笑)

ある時、店長が早番で私が遅番、二人が同日に中番ヘルプの日があった。

いやもう、凄ぇの。

また暇な日だったのかな、店長も居るのに、二人とも私に向かってマシンガントークなの。
しかも、二人とも全然違う話してるの。三人固まってるけど、会話してるのは1対1と1対1なのよ(笑)

いやぁ…実家では茶飯事だったけど、以外でこんな事起きるだなんて思ってなかった。

しかも、二人とも、凄く近い。

タジタジになりながらもレジには入らないで逃げられるようにしてた筈なのに、それぞれと会話してて気付いたら、試着室の外壁に背中がくっついちゃってた。

て、店長~!たぁすけてぇ~(汗)!

目で近くの店長に助けを求めたら、ものすごく微笑ましい顔をされていたよ。

「あ!今ちょうど手隙の時間だから、二人とも一緒に休憩とっちゃえば!?休憩行くなら今のうちだよ!今のうち!」

てね、どうにか機転を回して、ようやく圧から解放されたんだな。

「店長、助けて下さいよ…(涙)」

「うん!すっごい壁まで追いやられてるなって思って見てた(笑)」

なんてね、事が起きたからか分からんけど、二人が同じ日にヘルプに入る事は、二度と無かったんだな。

また学生ちゃんはK君に片想いしちゃってね、よく恋愛相談受けてた。

K君は私には分からんのだったけど、店長が「息子にしてデートしたい」て言う程のイケメン具合だったらしく、おしゃべりも得意じゃなくて、一見 物静かに微笑んで話聞いてる風だから、モテたんだよね。

私は…まあ、一番一緒にシフト入る機会が多かったし、お互い ざっくばらんに喋ってたから、普通にヤンチャボーイだな~くらいにしか思ってなかった。

K君、彼女いたんだけど、さすがにコレは私が伝えちゃいかんと思って、学生ちゃんには黙ったまま「頑張りな」って応援しといた。

だってほら、若い二人だ、何が起こるか分かんないじゃん、うしし♪

私は甘酸っぱい恋バナに、飢えてたんよ(笑)

おっと、脱線。

─ケース2─

バイトの募集に、とある国の留学生が来た。
普通に店長が営業さんと一緒に面接して、自国で販売とレジ締め経験済み、日本語も お上手だって事で採用になった。

日本語話せるとはいえ、専門用語なんかは なかなか伝えるのが大変で。

3日目くらいだったかな、学校帰りの時間勤務になるから、私が遅番教える事になった。

「じゃあ、あとよろしくね~♪」

「は~い♪」

店長の勤務時間が終わり、私と留学生ちゃんの二人だけの時間になった。

私は「なんか起きたら電話して」と 休憩取りに行って、留学生ちゃんは一人でお店番。

特に電話も掛かって来なくて良かった~なんて、お店にフラッと戻って来て、唖然とした。

留学生ちゃん、レジカウンターに両肘着いて、D○やってたんだ。

「お店の中ではゲームやらないでね」

速攻、言ったよ。

「は~い」

なんて留学生ちゃん、バックヤードの荷物置きにD○を置いた。

画面は、開いたまま。

私が何か作業して、チラッと見ると、バックヤードの扉全開のまま、ゲームを続けている留学生ちゃん。

そういう意味じゃ、無いんだけどな…

異文化だけど「ここは日本だから」って教えたんだけど、あんまり伝わらなかった。
私、英語一つも喋れないし。

結局、留学生ちゃんは閉店時間まで会計の時だけレジに出て来て、以外の時間は品出しすらせず、ずうっとD○やってた。

困ったなぁ…

なんて思いながら、とりあえずレジ締め教えたんだけど、メモに専門用語が書けなくて、凄い難航した。

次の日。

店長と私は二人体制、留学生ちゃんは学校終わりで入り。

店長と一緒の時も、ああなのかな…
て疑問だったんで、聞いてみた。

「店頭でD○やってたから注意したんですが、店長と一緒の時もゲームやってるんですか?」

「ええ!!? ゲームなんてやってる所見た事無いよ!凄く真面目に仕事教わってる」

て、言うのだよ。

なんか、私、告げ口した悪い奴みたいじゃんか。
私がナメられ過ぎてたんだ。

すんごいモヤッとしたよ。

その日の店長が上がる間際、留学生ちゃんから店舗に電話が掛かってきた。

「どうしたんですか?」

「…なんか『レジ締め難しくて覚えられないから、辞めます』だって」

「おぅ…」

私も店長も、言葉を失いましたよ。

なんか、結局全面的に、私の教え方が悪かったんだろう的な、終わり方をしましたよ。

まぁ、良かったっちゃ、良かったけど…

未だにモヤッとするのよ。

私、教える側に向いて無い…

とな。

─ケース3─

困ったスタッフの筆頭に上がるのは…

そりゃあ勿論、私だ。

私は割かし放っておかれて平気な空気感らしく、実際 自分でも放っておいて欲しい時間が長い。

ようは、独りが好きなんだ。

だが、これは完全に育った環境により、自分が独りで平気だったから、そう思ってた部分が大きくて。

超超超絶かまってちゃん、なのだ。

独りの時間欲しさにフラッと居なくなれば、始終ベッタリしてる時間も欲しい訳。

めちゃめちゃ面倒臭いんよ、私。

これがね、自分では気付いてなかったんだけど、若い頃は公私共に出ちゃってた。

バイト始めて一年経ったくらいだったかな。

綺麗めな お姉さんスタッフと一緒に働いてた。

私は店長命だから、店長の為に どんな仕事も頑張ってた、つもりだった。

だけど、放っておかれちゃったんだ、私。

店長に悪気は無いよ。
ただ単に、お姉さんスタッフに店長が付きっきりで お仕事教えたり、世話焼いたりしてた、ってだけ。

三人お店に居ると、私は二人から離れて別の作業して、二人は楽しく会話を弾ませながらホコリ取ってるんだ。

お姉さんスタッフも新人の頃は、それで別に構わなかったんだけど、半年経っても そんな感じのままだったもんだから…

拗ねてしまったのだよ、私(遠い目)

そりゃあもう、突然 理由も話さず「辞めます」って言い出して、店長に「辞められたら困る!」て言われても聞かなくて、営業さんまで駆けつける大騒ぎ。

その時の おじさま営業M氏に、休憩室まで連行されて、二人で 対面でテーブルに着いた。

小一時間 黙り決め込んだかな…

何を聞かれても「辞めます」以外、なかなか口を割らなかった。

だって、自分でも 何でこんな事になってるのか、分かってなかったんだもん。

とにかく「辞めたい」しか、浮かんで来ないんだ。実際、接客嫌いだし、辞めたかったし。

急に辞められるのは困るって事で、別店舗に異動も打診されたけど、断った。

それでも 優しい おじさまM氏の話術にハマり、私は口を滑らせた。

「店長が、私と仲良くしてくれないから…」

はい、これが年貢の納め時。

M氏は続けて店長とミーティングして、ことの事情を説明してくれて、仲直りしました、とさ。

いやね今でも私、一方的な言いがかり だったって、思ってますよ…

いやね、あの時 辞められてれば、別の人生になったんだろうな、とも思う。

どちらにせよ、結果オーライだ。

私はね、ほぼほぼ放っておいて欲しいけど、時々かまってくれないと、拗ねちゃうんだよ。

めちゃめちゃ面倒臭ぇんだよ、自分(笑)

⑨に続く──

シーン・ビジネス⑨

なんて書き方すると、お店でギスギスした感じなのかなぁ、と思われれるたかもしれないが、そうでもない。

店長とは超仲良かった。

談笑するし、二人そろうとレイアウト変更楽しく作業したし、私のプライベートが落ち着いてきても変わらず食パンの引換券くれるし。

店長は お酒が呑めない方だったから、スタッフ同士の宴会が出来ない代わりに、ちょいちょい私と休み被せてくれて、出不精な私を外に連れ出してくれた。

「○○に新しいショッピングモール出来たんだって!一緒に行こうよ♪」

「良いッスね!車出します♪」

敵情視察という名の、おデートである。

もちろん、私は進んで足役をした。

色んな所に大型ショッピングモールが建った時期で、既存店でも自チェーン店が出店すると、足を伸ばして覗きに行ったりしたもんだ。

頻繁な時は、月に一度は有ったかな。

とある秋の事。

私は感謝デー生まれだもんで休むなんてしなかったから、店長と新規のアウトレットモールに行った時に、サプライズをしてくれた。

店長が愛用しているト○ンプの直営店で下着を買いたいと言うので、くっついて行った。

「○○さんの誕生日プレゼントに、ブラジャー買ってあげる♪」

!?!????

正直、驚いた。

いや、誕生日プレゼントにブラジャー貰うって、なかなか無い気がするんやが…結構、有るもんなのかな???
考えると、有る気もするなぁ…??

多分、当時の私が あんまりなペッタンコの貧乳を嘆いて、しょっちゅうスタッフに「巨乳になりてぇ、ボインになりてぇ、胸の谷間が欲しい!」て、話してたからだと思う(遠い目)

「何食べたら、そんな巨乳になるの!? 教えて(涙)!」

巨乳スタッフに聞いた所「牛乳」「キャベツ」「蒟○ゼリーざくろ味」という回答を得た。

どれも少しばかりの摂取ではダメだそうで、蒟○ゼリーのざくろ味だけは販売してなくて試して無いが、牛乳とキャベツは結構 食ったと思うけど、大人になってからじゃ遅いらしい。

巨乳になりたい諸君、成長期のうちに、牛乳とキャベツを もりもり食したまえ。

大人になってからでは、お金をかけないとサイズが変わらないんだよ(泣)

昔店長に同じ話をペロッとしたら「○○さんが巨乳だったらキモチワルイわよ」って、ズバッと斬られてたんやが…

おっと、脱線。

「好きなの有る?」

「え、え、えぇ~(汗)よく分かりません…」

店内の壁一面、レースに色とりどりの下着達。

「ちゃんとパッドの入ってるやつにしよう!」

「は、はい…」

「色はコレね!いつも白ばっかだから!」

それは、肌着ではなく、表のワイシャツの色です…

何か結局よく分からんまま、店長に選んでもらって、まるで本物のような弾力の分厚いパッドが2つも入った、ワイヤーにコイルボーンのしっかりしてる、総レースのマカロンっぽいメロン色のブラジャーを買ってくれた。

「セットにするなら、パンツは自分で買ってね」

「あ、は、はい!」

せっかくだからセットにと思って、パンツは自分で払った。

ラッピングして貰って、他のショップもウロウロして、店長を お家に送って、帰路。

バックミラー越しに後部座席のト○ンプの紙袋を見て思う。

何なんだろう、コレ…???

と。

⑩に続く──

一家全員、アレ②

つい先日の話。

一時は血迷って きょぬーに憧れた ひんぬーの私であるが、今現在は「こんな微々たる乳、要らん」と、思っている。

もう無くて良いよ。
まな板になりたいよ。

子供の頃にブラ付けるの嫌で嫌で放置しちゃったせいか、離れてるし。
寄せても谷間出来ないし。

要らにゃい。

びみょいな乳にブラ要らん。
すっかりノーブラ生活で快適ではある。

だが、びみょいとは言え、AAAは膨らんでいる訳で。

姉が来た時にボヤいた。

私「こんな微々たる乳、要らない(泣)」

姉「そんなの、うちの旦那より小さいよ!」

私「え!!? マジで!!? やったー✨♪!」

…………

多分、姉は口を滑らせてウッカリ馬鹿にしちゃったんだろうけど、もの凄く喜んだ、私。

それはそれは、喜んだ。

だってさ、雄っぱいに負ける おっぱいは、もう雌の乳じゃないよね✨

シーン・ビジネス⑩

私がバイトだった頃は、ちょうど変革期でもあり、色んなシステムやら機材やら法律なんかが変わった時だった。

私自身も2年目には副店長の役職を貰い、少しだけ お手当てが乗った。
まあ言うても、『就活』のところで触ったと思うが、社員応募しないでバイトのまんまだったから五千円程度だったけど。

そんな変わり行ったもの達のエピソードおば。

─POSレジ─

それまで会計のみのレジスターだったが、在庫管理も出来るPOSレジが導入された。

ショップで売れた商品をパソコン入力して在庫管理しなくて良くなるので、負担が減る。

POSレジに使うコードはバーコードでは無く、JANコードと言う少し太さのあるコードになる。

JANコードをPOSレジで会計すると、在庫情報から直接引いたり足したりしてくれるんだな。

最初にT店にPOSレジが入った時、軽く設置してくれた作業員さんから講習をしてくれる事になってた。

もちろん、私は遅専だったので、店長と二人で日中講習を受けた。

設置業者さんが旧レジを下ろして、POSレジをレジカウンターに置く。

が、画面が付いてる✨

今でこそ主流な12インチ程の液晶画面の付いたレジ、しかもタッチパネル。
もの凄い感動した。

作業員さんはノートパソコン繋いで設定してたりプログラム流したり、完了伝票の出力がハンディプリンターだったりと、ハイサイエンスで物凄く面白かった。

レジの会計の方法やレジ精算手順なんかを教わって、何質問したか忘れてしまったけど作業員さんを質問漬けして、講習は終了。

この日のレジ締めは勿論、私。

旧レジは何かの不足の自体が起きた時 使用出来るように、と本社から指示されていたので、ピタッと入る箱を作ってバックヤードにどうにか納めた。

流石に こんな日であるから、接客会計品出し以外の作業は休んで、ひたすらPOSレジ説明書の冊子を読み込んだ。

うーん…

カテゴリ訳されている、家電の説明書の厚みのある本、のような感じ。

図解で分かり易くはあるんだが、個別の手順はそれで良いが、レジ締め前中後にやりたい事は、ページがあっちこっち行っちゃって、困る。

自分だけなら覚えれば良いだけの話なんだが、他の遅番スタッフに教えなければならないし、一人で出来ねば私が休めん。

…これは早急に、レジ締めマニュアル作った方が良いかな。

と思った。

POSレジに慣れてきた、とある頃。

私は休み、その日の遅番スタッフから電話が来た。

「館が停電しちゃって、レジ締められない」

なんと!

「分かった、レジ締めは諦めるしかないから、売上金金庫に入れて、気をつけて帰ってね。本社には私から連絡入れておくから」

電気無いと何も出来ないじゃん。

店長と営業さんに連絡して、翌早番がレジ締めと入金を行う手筈となった。

翌日の早番は…店長だった。

他の早番の子ならレジ締めも出来たんやが、店長早専なんだよね(遠い目)

「私が指示するので、電話下さい」

とだけメールを打ち、長い夜が終わった。

翌日、早朝オープン一時間前には電話が掛かってきて、口頭で説明しながら遅番業務を全部店長にやってもらった。

早番で出勤しちゃった方が、楽だったかも知れない。

と思ったのは、内緒だ。

ちゃんとしたの作ったよ、遅番マニュアル。

─ハンディバーコードスキャナー─

後述もするが、これは元々、棚卸しで数量限定で使い回されていたスキャナーと同じもの。

各店にあった有線のスキャナーから、充電式のタイプに変更になった。

元々仕入れ伝票の確認だけで良かった作業がPOSレジの導入により、全入出荷商品の読込が必要になったんだな。

特に初期はシステムの精査が完了しておらず、入荷商品全てを読込まねばならんかった。

1パッキンにワイシャツ30枚、ネクタイ100本etc…トータル10箱強。
店舗作業の負担が激増した訳だ。

ピッピッピッピッ…

スキャナーも1台のみだから、スタッフが二名居ても読込が終わるまで手持ち無沙汰だったりする。
せいぜい箱の蓋開いて読みやすいように商品立てるくらい。そんなの直ぐ終わっちゃうよ。

新商品なんかは数箱に分断されて入っていたりするから、3箱くらい待ちだったりする。

ネクタイ1本1本とか、鬼である。

繁忙期は店内が お客様で溢れる中、隅っこで独りが検品とレジに付きっきり、残りのスタッフは店内を走り回る。

「これのSサイズ入荷してる!?」

「来てます来てます!…あ!ちょっと待って下さい!まだ~!」

──ピッ

なんて慌てて読込むのは、茶飯事であった(しみじみ)

会計も列になるから、午前入荷なのに夕方までパッキンが残ったままだったりした。

もっと忙しい店舗とか、どうしてるんだろう…

思ったものだよ。

流石に色んな店舗から意見が本社に飛んだらしく、一年後には仕入れ伝票に印刷されたJANコードで箱一括入庫できるシステムに刷新されました。

─値札─

POSレジの導入により、それまでのバーコードが利用出来なくなるので、全既存在庫の値札付け替え作業をした。

総額表示義務化に向けて、商品の値札が税抜価格と税込価格の二段表示に変更になり、全既存在庫の値札付け替え作業をした。

…なんか、毎年全部の値札付け替えてんな。

なんて、思ってた。

─メンバーズカード─

ペラのお客様記入用紙と別だったメンバーズカードが、切り離し式の一体の立派な厚紙に変更になった。

余白には各々JANコードが記載され、今後POSレジでピッ☆とかする感じになるんだなぁ、なんて楽しみだった。

後述もするが、個人情報保護法が施行され、本社は お店での入力や記入済み用紙の管理が難しい、と判断。

スタンプ押印するだけのカードになった。

お客様ご記入部分を無記のまま切り離してポイ、スタンプ押して渡すだけ。

…この、JANコードは一体…???

一体型の備品倉庫の在庫が尽きると、また元のカード単体が束なって来るようになった。

変わらずJANコードが印刷されていたから、そのうちレジでピッ☆って、読込む仕様になるんだろうなぁ♪

なんて、かなり楽しみに思ってたんやが。

ある時の備品倉庫からの新規入荷を境に、メンバーズカードからJANコードは消えてしまった。

番号のみの管理にするにも、専用システム開発・導入すよりか、レジでスタンプ押すだけの方が、安かったんだしょうね。

お客様ご記入も優待セールの付加価値やら特別感が消えてしまうし、止めなくても良いんじゃないかなぁ、とT店所属時は思ってたけど…

他の店舗も色々と通った結果、まあ、あの時 止めて良かったと、思いましたよ(遠い目)

─モバイル会員─

ガラケー時代はメール会員登録すると、新規ご加入で○%引き☆なんて、主流になりつつあった。

遅ればせながら自社も参入。

メール登録するだけで お得なお知らせが来る訳だから、表向きは割引もされて集客に繋がり、裏向きは個人情報も本社のみの管理になるから、良いじゃない。

てな、理由かと思われる。

早速、開始されると共にPOPを店頭に設置、私は1日1人はなって貰おうと序にちょろっと声掛けしたりもしてた。

だがな、遅ればせ、なのだよ。

当時の携帯は通信各社がやってたキャリアメールが主流、その上、私も含め初期に設定した古い簡単なアドレスのまま、という方が多くあった。

迷惑メールが横行始めた頃だな。

迷惑メールフィルタを知らずにかけちゃってて、ドメイン指定受信設定をしなければ登録メールが届かない、だけど設定の仕方が分からない…

という、お客様が続出した。

私も私でずっと同じ通信会社であるから、他社の設定手順も覚えたもんだ。

お客様の携帯を触る事も出来ないから、画面を覗き見せてもらって、指示を出す。

一番会員取れるのが会計時だから、うっかりカウンターで始めてしまうと、後ろの方の会計を先に回さねばいかんくなったり、登録終わったのに会計待ちして貰わねばいかんかったり…

ええ、それはそれは気を遣いましたよ。下手したら待つだけ待って商品置いて帰っちゃう方も居るしね。

私はレジカウンターで声掛けるのは止めた。店頭POPでご案内することにした。

一番登録に時間掛かった方は、一時間前くらい掛かったかなあ…
設定をちょろっと指示すると別のお客様の対応挟んで、指示して、別の会計挟んで…みたいな感じで一向に進まんの。

途中で帰られてしまわんか、冷や冷やでしたよ。

─ショップバック─

バイトの間に二回変わった。

それまで二つ折りのビニールに持ち手の穴が空いてるだけの安っぽい袋だったのが、横マチの厚手のものに変更になった。

おおお✨

中に二枚しか入らなかったワイシャツが四枚入るようになった。

ただ、レジカウンターに重ねおいておくと、ズレるズレる。

小も変更になって、それまで横マチだったものが底マチになった。
横幅はそのまま。
それまでレディースシャツが二枚入ったのに、入らなくなってしまった。

そりゃあもう、店長と二人で開発の方囲んで難癖付けて、小だけ元のデザインに戻った。

少しして、紙袋になった。

小中大の3サイズのうち、小だけビニールのまま中大が紙になった。

おおお✨

紙袋の試作品を開発の方が持ってきてくれて、お高そうな店舗ロゴ入りで感動したもんだ。

実際始まると、そりゃあもう大変で。

何が大変かって、在庫置き場だ。

ビニールの間は中で100枚10cm程だった箱が、紙になると50枚束で20cm超える。しかも箱入りでなくビニール打ちの紙巻。

それなりに売れてる店舗だったから、繁忙期の土日前には袋の在庫も必要で。

うちはバックルーム3坪2つあるから何とか置けてるけど、他の半坪しかない所は、どうしてるんだろう…

小も紙に変わり、紙袋の圧迫感がパない。

大も50枚単位、営業さんが店舗に分割して手持ちしてた。
うちは広いから在庫置き場にされてた。

地味に困る。

「大は一枚300円する」らしい。

高ッ!!?

「ショップバックにそんなに掛かって、利益になるんですか!?」

ロゴの入ったショップバック自体は、お買い上げした方が持ち歩く事により、広告塔の役割も果たしてくれる。

広告費と思えば お安い…とは言え、速攻、聞いたよ。

販売で得た売上金が全て収入になる訳では無い。

テナント家賃・電気代・従業員給与、他にも新規出店に掛かった設営費や機材に掃除用具のリース代に運搬費に うんぬん…確保せねばならんのに、ショップバックごときに一枚に300円も使っちゃって、大丈夫なの!?

心配になるじゃない。

営業さんはワイシャツの原価を教えてくれた。

「あ、あー…あー…じゃあ、まぁ…」

一応伏せるが、納得は行った。

以下、開発の方のボヤき。

「これさあ、作る度に金型造り直してるんだよ。また高ぁいの、金型が。一個うん十万するんだよ~(泣)」

「高ッ!!? 既製品とかじゃないんですか!!?」

速攻、聞き返したよ。

「作る度に造らなきゃいけないんだ(泣)」

ええ~!!?

「だからさ、ごめんなんだけどコレ使って。もう、コレで我慢して(泣)」

なんか、スンマセン…
我がまま言って、スンマセンした!

僅か一年の間に、何個金型作ったんだろう(遠い目)
そのうち1個は、私と店長により造り直しになってる訳で…スンマセン。

余談であるが、この2~3年後に、またショップバック変更されている。

─割引券─

総会計に応じて、次会計で使える割引券を発行していた。

初期値は名刺より一回り大きな、地味に財布のカード入れに入らないサイズであった。

財布に入れられなくて困ってるお客様が多くいらした。

ある時を境に、名刺サイズに変更になった。

「あ!なんか小さくなった!? お財布に入る!!」

「あ!本当だ、本当だ!」

店長と二人で喜んだもんだけど…

まさか、コレもメンバーズカードの時も、金型から造ってるんじゃあるまいな…

なんて、ちょっぴり不安になった。

流石にね、アレは印刷屋さんの規格サイズと、思うんだけどね。

同じくして、手書き帳票で管理していた発行・回収枚数と番号が、店舗パソコンのExcel表管理に変更された。

毎月、経理部に提出するんやが、コレがね、微妙にズレてたりするんよ。

そうすると担当の方から電話が掛かって来てね、合うまで微調整したり不明分探したりするんだ。

お店の営業中にね。

その電話、パソコン苦手系なスタッフ達から私に回って来るもんで、気付いたら私が割引券担当みたいになって、私の名指しで掛かって来るようになってたっけ。

いやはや、お懐かしい。お名前忘れちゃったけど。

後述するが、この経理の方とは なかなかに一緒に仕事する機会に恵まれていた…と思う。

─ワイシャツの台紙─

畳まれたワイシャツの型崩れを防止する、薄紙の巻かれた厚紙。

ソフトシャツは大判だったんだが、スマートにドレスシャツと同じサイズに統一になった。

シャツの畳の差でソフトかドレスか分ける文化でも無くなったから、との事。

横幅がワンサイズ小さくなった事により、壁什器に一列多く並べられるようになった。

コレも、金型から作り直したんだろうか…

よくよく見ると、工場や産地によって若干、使われてる紙素材が違うんやが。

これは流石に、怖くて聞けませんでした。

─電子マネー─

交通系ICの普及が進み、各社がオリジナル電子マネーを発行し始め、もれなくデベロッパーの電子マネーがテナントでも使用出来るようになった。

新たに導入するテナントはまとめて機器使い方研修が有ると言う。

「二人まで参加出来るんだって。○○さん、行…?」

「行きます!」

店長の問いに、食い気味に答えた。

だって面白そうじゃん。
使いこなしたいじゃん、WA○N♪

店長とはシフト的に別時間帯の研修会になり、一人で館の会議室に向かった。

二時間くらいだったかなあ?
頂戴した使い方冊子に備考を記しつつ、研修修了。

…やばい、思った以上に、面倒臭いぞ。

と思った。

現行は知らんが当時は、会計直後の返品処理は出来ても 一会計挟まると電子マネーでの返品は出来ず 現金対応せねばならんかったり、クレカ払いと電子マネーの併用は二重計上になるから出来んかったり、直営店では無く持ち込みレジだからチャージが出来なかったり、うんぬん。

これを、スタッフ全員に周知させねばいかんのか…

「○○さん!これ、どうやるの!?」

「これはですね…」

店長も丸投げてた。

仕方ないっつーか、実質遅番リーダー私だから、完璧に覚えるしか無い、電子マネー。

電話掛かって来た時、一番困るの私だしね。

余談。
初期値は「WA○N♪」て鳴かなくて、同じ音階の電子音だった。

しばらくして、テナントでも鳴くようになった。

「うおッ!!?」

お客様の前で歓喜しちゃったよ。

「今!今!『WA○N♪』て鳴きましたね!?今まで電子音だったんですよ~!!」

お客様は、ぽかん、である。笑ってらしたけど。

ちなみに、電子マネーのチャージが不足してると、残念な音階になる。

そのうち『コキャン⤵』て、鳴くようになるのかなwkwk──

不足の時は、直営店でも今も電子音である。ちょっと切ない。

─社内システム─

備品発注はFAX、勤怠なんかはE○celのマクロで組まれた帳票を利用していたが、自社システムでの一括管理に変更された。

メールも同じシステムから送信する、社内メールになった。

閉店作業で店長に売上メールを送信していたんだが、アドレスを2つ設定出来なかった。

うう~ん…売上メールが届くと「締め無事完了」として、電話来なくなると思って気を抜いてたんだけど、出来なくなるなぁ…

なんて、ちょっと参った。

「○○さん、売上知りたいでしょ?」

「え?あ…はい」

「私、閉店時間には寝ちゃってるし、売上は起きてメール見て 直ぐに早番でも確認出来るから、設定○○さんにしとこう」

て…店長✨

もの凄~く、助かりました。

同じくして、出退勤もFeliCaでの管理になった。

それまで出勤したら勤務時間を入力するだけの あやふやなものだったんやが、タイムカードと同じく、出勤退勤を電子マネーの番号で管理する、と言う。

タイムカードと同じなら、お店に電子マネーカード置いとく感じになるのかな?

なんて、初期は皆置いて帰ってたから、壁に掛けられるタイムカードケースを厚紙で作った。
好評だった。

んだが。

「ダメだよ~、持って帰らなきゃ!別の人が打刻出来ちゃうでしょ!?」

あ。

営業のおじさまM氏に見つかって撤去されちゃいました。
トホホ…自信作だったのにな。

ウィンドウの色を変えたり、軽く帯状のイラストを選択出来たりしたんやが…

使うお店あるのかな、コレ。

謎の機能の一つである。

なんやが。

ヘルプとか行くと、意外と どこのお店も設定してた。うちの店舗ぐらいだった、シンプルなまま使ってるの。

需要有るんだぁ…

て 思ったのは、内緒だ。

店舗の期間売上やランキングは営業さんに聞かないとデータもらえなかったのが、店舗で閲覧出来るようになった。

コレは楽しい。

…あ、こんなもんかな?

⑪に続く──

シーン・ビジネス⑪

切ったところで まだあったや、て思い出したけど、まあまあ置いといて。

棚卸の話をしたくて堪らんでな。

そう、私の大好きな業務の一つである。

半期に一度、お店の現商品とデータ上の在庫の差異を集計する。

特に初期値は委託してなかったから、近隣店舗やら営業さんやら盛大に集まって、そりゃあもう お祭り騒ぎだった。

シフトの空きあらば、必ず他店の棚卸ヘルプにも行ってたな。

大好き、祭り☆

T店は営業時間の長い店舗だったので、午前中の営業を休んで作業してた。

一週間程前から、棚卸は始まる。

棚卸の予備期間に入ると、商品の流通が販売以外ストップする。

その間、手持ち無沙汰かと言えば、そうでも無い。

店頭やストックの在庫商品、全てのタグ出しをするのだ。

特にストック商品は透明な袋に入っていて、バーコードの印字面が ひっくり返ったままだったりする。

当日は時間勝負なのに、ほぼほぼ値札が裏のまま袋に入ってたら…
いちいち袋を開いて ひっくり返さねばならず、そんな山に当たろうものなら、結構イライラする。

前日までにタグ出しと、変な所に仕舞ってあるストック・販促(チラシ撮影や館内ディスプレイ等)で貸出中の商品が無いか確認、貸出が有れば番号を控えておく。

前日は私は決まって遅番。

日中から棚卸明けで店舗に届いた共有バーコードスキャナーを、順次充電。
棚卸表を各棚に貼り、ストックから在庫数を数え始める。

「じゃ、後よろしくね!」

「了解です!」

店長は夕方に上がり、中番が居ても20時からは、私独りの時間。

さ、やぁるぞ~!!!

何をやるかですって?

やだなぁ、店頭商品のカウントですヨ。

普通に営業してるから、3時間も有ったら結構、売れちゃう。

あんまり先にカウントしちゃってると、売れた商品の棚から売れた分、修正せねばいかんのだ。

だから、動かない棚以外の店頭商品のカウントは、独りでやってた。
ほぼほぼ店舗全域である。

いや、楽しいんだよ、棚卸。
めっちゃ楽しんでたよ、棚卸。

そんな棚卸馬鹿な私が、初めて自社の棚卸でやらかした、失敗談から。

当日、出勤時刻の30分前には店着した。

「おはようございま~…!!!」

既に段取りミーティングで円陣組んでる、棚卸ヘルプの面々。

ひ、ひええぇ…!!?

「ご、ごめんなさい!遅くなりました(大汗)!」

遅刻した訳でもないんだが、アレはビビる。

「じゃあ、メンバー揃った所で、もう一度おさらい」

私を加えて、二度目のミーティングが始まった。

や、やっちまったあぁ…

当時の自店スタッフは3人、うち1名は遅番。自店参加は店長と私の2人だけ。

ズラリと居並ぶヘルプの名札を見れば、どの苗字の横にも“店長”の記載。
入店許可証を下げてるのは全員、他エリアの営業さん。

ひええぇええ!!?

私なんか入店2ヶ月のペーペーだよ。全員目上だとか、ビビるよ。

ミーティング内容を聴きながら、面子の顔と名前を覚えるのに必死こいた。

なんか、一人だけ発光している方が居る。

あ~…この方が、店長が「超イケメンだから!」て言ってた、M店の店長さんかぁ…

正直、天然のエフェクト掛かり過ぎてて、よく分からん。

なんか、色素の薄い人、ていう認識だった。
顔も覚えてないしね。

はぁ~、この方が めっちゃ売れてるF店の…とか、電話でしか話した時無い方々を見るのは新鮮であった。

棚卸はレイアウト図の番号毎に昨夜記入した、一段一角ずつ数を数え、バーコードスキャナーで一商品一商品 読み込んで行く。

この際、数を数えた人員と、読み込む人員は別の者を使う。

スキャナーを分配する時、営業さんがニヤッと笑った。

「このスキャナー、1台16万円するんだよ」

「16万円!!?」

「取り扱いに注意してね」

怖いです、そんな高額な機器。
持ちたくないです、そのスキャナー。

パソコンに取り込む為の接続端子は一台しか無いので、店長は各スキャナーの取り込み係、他はスキャン係。

あ~、どこからやろう…

店頭商品の全てとストックの半分は、全部 私が数えた分。

地味に困る。

大丈夫かなぁ…売れた場所も正確に修正したつもりだけど、大丈夫かなぁ…

もの凄く、不安である。

各員店内に散らばり、読み込み開始。

ピッピッピッピッ、ピッピッピッピッ…

読み込んでる間は、皆無言。

スキャナーの電子音だけ聞こえ続けるとか、ちょっぴり儀式感がする。

「──ちょっと!この棚数えたの、誰!!?」

静かな店内で、M店長が大声を出した。

「あ!私ですー!」

駆け寄るとM店長は、ぷんすか いきどおっていた。

「何度数えても数が違うんだけど!」

ひ、ひええぇ!!?

書かれた数が違う時は、数えた人間以外と2人がかりて数え直せねば、スキャン出来ない。

「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」

私の所為で作業を停滞させてしまい、平謝りである。

…うああぁ…他の所も違ってたりしないかな…あの、何度も売れちゃった棚とか、めっちゃ怖い(震)

気が気でない。

この、袋に入ったの、タグは表向いてるけど、スルッと袖の下に潜っちゃったりロゴの下に被っちゃってたり、地味に面倒臭いなぁ…

なんて思いながら作業して、ストックも自分以外が数えた所 終わっちゃったんで、営業さんに許可取って自分が数えた棚の お手伝いに回ることにした。

あの不安な棚、やっちゃお。

結果、大丈夫だった。

「──ちょっと!この棚数えたの、誰!!? 合わないんだけど!!!」

「うえ!!? 私ですー(汗)!!!」

声の主に駆け寄れば、激おこプンプンなM店長。

「もぉ~!!! ○○さぁ~ん!!!」

ひいいいぃ…

「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」

この店長さん、見かけのエフェクトに騙されちゃ、いけない。
もうね、恐怖心が植え付いちゃって、イケメンには見えなかったよ。
マジ怖ぇんだよ、あの方…

すっかり消沈して、平置き什器の商品を しゃがんで読み込んでいた時だった。

──ゴトンッ!

しまった、手が滑っ…

「あ!16万万円が!」
「16万円が!」
「16万円が!!!」

ぎゃあああぁあッ!!?

なんと、黙って作業していた面子が全員、口々に高額を言ったんだよ。

「ごごご、ごめんなさい!ごめんなさい~(号泣)!!!」

もうね、泣きたかった。

とりあえず、あの時は他に問題は無く筒が無く終わったんだけれども。

間違ってたの2棚だけだったのに…何も、両方M店長に当たらなくても。ねぇ。

イケメンだけに引きが強いんだ。きっと。

なんてね、思いましたよ。

20時21時くらいが閉店の店舗は、営業終了後に棚卸を行う。

棚卸期間は閑散期に当たるでな、通常では働ける時間が短くなっちゃうやが、方方ヘルプ行けるし沢山働けるし、お時給の身としては有難かった。

色んな店舗に行ったから、各店の店長さんやらスタッフさんやらと顔見知りになれて、店舗間の電話やりとりなんか「あ!この間の!」みたいにスムーズになった。

いやぁ、皆様よく名前覚えてるよね。
私なんかスタッフの名前すら覚えるのに毎日顔突合せても、ひと月は掛かるのに…

ちなみに、その間 私は名前を呼ぶ度に名札をガン見している。
間違っちゃったら、悪いじゃん。

他人に他人の話もあんまりしないから、覚えるまでは「女のコちゃん」とか「昨日のコ」とかって言い方になるんやな。

おっと、脱線。

2回目の棚卸期間が来た時、ふと思い出した。

──そういえば、どこのお店もストックとロゴ袋はタグが袖下に隠れちゃってたし、ネクタイは値札を裏面に這わせてただけで お客様がいじった後は動いちゃうんだよな。

そこで、考えた。

この値札、固定出来ないもんだろうか、と。

バーコードは横一列が隠れないように…なんて色々と試した結果、良い方法を見つけ出した。

コレ、値札をボタンやタグに挟んだら、動かないじゃん✨

という訳で、ちまちまちまちまタグを固定したんだな。

各棚に貼る棚卸番号札、上下の下部分をハサミで切り取らねばならんかったから、皆ズボンの尻ポケットにハサミ突っ込んで しゃがみ込んでて、スラックスの人は破れないか不安だったんだよな。

そう言えば、I店の棚卸札には切り取り線用のカッターで、手で千切れるミシン目が入っていたっけ。

あのカッター私も持ってるけど、実家に置いてきちゃったしなぁ…

という訳で、棚卸札も縦に軽く折って両側3mm残して、切れ込みを入れて置いた。

当日。
営業さんが店着しな、ダンボール箱を組み始めた。

「何やってるんですか?」

「これな、作業台作ってるんだよ~。床に置いたら汚れるだろ」

ほえ~…

いや、要らなくない?それ。

ぶっちゃけ、それなりに人員は少数精鋭の販売員達である。
商品を床に置かずとも、一山くらい膝上で作業出来る。

誰も、使ってなかった。
営業さんだけ、使ってた。

「コレ!コレ凄いね!」

営業さんが作業中に声を上げた。

「全部固定されてて、バーコードが凄く読み安い!誰がやったの!?」

あ、なんか、褒めて貰えてる…

とは思ったものの、名乗り出はしなかった。店長にチクられちゃったけど。

「あ~!やっぱり○○か~!コレ、皆に教えてやろう!」

なんて、営業さんはホクホクで本社に帰られていき…

翌棚卸の時には、カラー写真入りの棚卸マニュアルに載ってた。
普通にビビッた。

さりげなく、棚卸札の切れ込みの写真も載ってた。

なんか、お役に立てたようで、良かったです。
すんごい、地味な事なんやがね(照)

ただな、私はボタンとボタンの間に斜めにタグを渡して上下で固定する派なんだけど、台襟下のボタンに挟んで固定した写真でな。

湾曲したり襟に隠れちゃって結局、読みにくい店舗多かった印象。
後な、ネクタイは垂直に刺したら、バーコード隠れるから。

アレ、私のオリジナルじゃないからね。
私は最後まで斜め挟みを貫いたからね。

スタッフ総出の お祭り期間だった棚卸だが、営業時間の長い一部店舗は業者に委託する事になってしまった。

え~!棚卸ピッピ大好きなのに~(狼狽)!

もれなくT店も対象である。

まぁ、こればかりは文句を言っても仕方ない。初期値はヘルプ先で棚卸せたし。

委託するに決まれば、午前中休業しなくて良い。売上が僅かでも伸ばせるチャンスが有る、と言うこと。

当日は店舗から一人、立会人を置く。

営業さんから聞いた話だと、棚卸プロの専用機器とスキャン技術は凄いらしい。

「全員肩から液晶付きのスキャナー下げてて、商品山も しゃがまずに立ったまま片手で読み込んで、キレイにキッチリ整頓して帰っていくんだよ!速いの、速いの!」

「何ソレ、凄ぇ!超観たいッス!」

本気で観たかった。

でもな~…こういうんは店長の役目なんだろうな~…なんて、残念に思ったものだ。

「○○さん、立ち会ってもらえる?」

「えッ!!? 良いんスか✨!!?」

なんと、店長から立会して欲しいと話を受けた。

店長は棚卸翌日、不足の事態に対応出来るよう朝から勤務、と決まっていた。

ぶっちゃけ、店長の本番は棚卸明けから。
立会人は館や店舗レイアウト・商品が分かる人間なら、別に店長で無くても良いそうだ。

ひょうたんから駒とは、まさにこのこと。

もうね、当日まてウハウハでワクワク毎日楽しく棚卸準備に精を出したたよ。

え?何を、ですって?

嫌だなぁ、もちろん、タグ出しですよ。
つか、以外にする事、無い。

せいぜい、作業中に上からホコリが降ってきたら嫌だから、壁什器の天井近いところ お掃除したくらい。

業者委託は試験運行。
初回は業者さんの持ち込みマニュアルで行うそうな。

ディスプレイもそのままで良いし、商品は整頓して貰えるし、楽過ぎる。

私も普段は電車だけど、臨時従業員駐車場を借りてもらって、いつもとは違う感じで、ソワソワソワソワ。

「今日はよろしくお願いしま~す!」

「よろしくお願いしま~す!従業員入口は通りましたか?」

館に申請した作業時間より1〜2時間早く、営業中に来訪したリーダーさんと、今日の流れの擦り合わせを行う。
休憩室や駐車場の案内をして、事前にいくつか機材を持ち込みたいと言う。

おっと、それは聞いて無かったぞ。

「え~と。じゃあ、この辺、開けるんで使って下さ~い!」

バックヤード前を使って貰うことにした。
ノートPCを開いて設置、機材の準備を横目に眺めた。

おお~✨脚立も ご持参下さってるのか~✨

アルミの三段脚立が、いくつか抱えられてきた。

…うん。タッパが足りんな。

「あ!高い所、もし届かなかったら、ウチの脚立使って下さ~い!」

なんてね、結構、気を遣いましたよ。

ううん…なんか、作業員さんが わらわら居るからか何か察知されて、お客様が居つかない…

気の所為かもだけど。

それでもレジで会計していた時だった。

「あ!えっと、あのぉ…!!!」

ぅおッ!? 業者の女のコちゃんが お客様に捕まっている!!!

いや、慌てた慌てた。

会計ひと組終わらせて、速攻フォローに走ったよ。

「あ…ありがとうございます~(涙)」

「あは♪いえいえ、どういたしまして♪」

新人さんだったのかな。
「従業員じゃ、無い」て、言葉にならなかったんだね。

ていうか、周りのメンズ人!笑ってないで助けてやれよ!女のコちゃん、一人でめちゃめちゃ困ってたじゃんか!

と 思ったのは、内緒だ。

お客様にとって、いかに180度テイストの違う作業服に身を包んでいても、ネームっぽいものを下げて店頭に立つ人間は、全て従業員。

閉店時間。

電気は…つけっぱの方が良いか。

リーダーさん含む計4名の業者さん方は、店内方方に散り読み込み作業開始。

終わるまで帰れないし、のんびりレジ締めしても良いんだけど…

レジ締め事前準備以外、業者さん方の邪魔になるから出来る事 無くて。

5分で終了してしまったよ。

ピッピッピッピッ…

ほぇ~、あの肩から下げる端末、ボタンが電卓みたいで押しやすそう✨

ピッピッピッピッ…

はぁ~、なるほど肩に山を担ぐのか、速いなぁ✨

なんて、業者さんのテクニックを吸収するべく、作業をガン見し続けた。

ピッピッピッピッ…

暇。

流石に30分位レジカウンターに肘着いて単調な作業眺めてるだけとか、飽きちゃった。

うう~ん、作業している方が居るのに、パイプ椅子座るのは、ちょっとなぁ…

フルタイム勤務後で疲れちゃってたから休みたかったんだが、何か、気が引けちゃって座れなかった。

暇~…

どうも、リーダーさんと直下の方はベテランぽいけど、女の子ちゃんともう一人は初勤務っぽい。
時々、担いだ山がグラグラッとして、冷ッとさせられる。

──そうだ、みんなにも棚卸がどんな感じなのか、教えてあげよ♪

私はボールペンを構え、レジ横のメモ紙を手元に引き寄せた。

先程の女の子ちゃんとお客様のやりとりから書き始めた、その時だった。

『おおっと、端末エラーか!? 大丈夫か、PCに取り込めないだと!?』

なんて、手が勝手に見たままの状況を書き連ね始めた。

実況生中継、開始である。

そんな感じで暇を潰してたんやが、ふと気付いた。

──女の子ちゃん、平什器前に しゃがんで作業してるんだから、肩に担がなくても膝に載せればいいのに。

もの凄~く、作業しにくそうだった。

──あ、そうだ!

私は商品移動用に残しておいたダンボール箱を組み立て、女の子ちゃんの所に運んだ。

「良かったらコレ、作業台に使って下さい♪」

いつか営業さんが使っていた作業台技が、役に立つ時が来た。

良かった、良かった♪使ってくれてる♪

なんて微笑ましく眺めていたんやが。

次々と、とっかえひっかえ他の面子も、作業台を奪い合いながら作業している…

予想外だ。

女の子ちゃんの為に作ったのに!おまいら、少しは遠慮しろよ!

と 思ってたのは、内緒だ。

しまったなぁ…ゴミも捨てちゃったから、他にダンボール箱が無い…

追加で作ってあげたかったけど、出来ないのが もどかしい。

全ての読み込みが終了して、リーダーさんが棚卸データの作成中に、他の方々は商品の整頓を始めた。

あちゃ~…
そうじゃないんだ、そうじゃないんだよ~(焦)

整頓してくれるとは言え、表面だけ。
もっと、ガッ!と、腕突っ込んで直してくれないと、後ろ側が雪崩起こしちゃうから…

この辺は、自社の従業員じゃないから、文句言えん。

「ありがとうございます!お疲れさまでした!」

結局ね、棚卸業者さんが撤退した後、店内全て、居残って独り整頓し直しましたよ。

翌日、出勤したら異様な光景が広がっていた。

「おはようございま…何やってんスか?」

店長と中番スタッフがバーコードスキャナーと店舗携帯を片手に、レジカウンター内に しゃがみ、棚卸レイアウト表を囲っていた。

「おはよ~、大変だったの~(汗)」

話を聞けば、どうにも在庫データと実在庫の数値が合わなさ過ぎて、システム部の部長から連絡が来たらしい。

「特にディスプレイのネクタイが全然、読まれてなくて」

oh…

「あ!ごめんなさい!」

そういう目で見てなかったから、全然 気付かなかった…

というのは、言い訳だ。

自社従業員じゃないんだから、コーディネートのディスプレイが、個別の商品だなんて分からない。

ひとつのバーコードでセットアップされた商品と思われちゃってたんだ。

あちゃ~(汗)
初歩的過ぎる失敗をやらかした、私、立会人失格…

「大丈夫ですか?何か手伝えますか?」

「ようやく取り込み終わったところ~、大丈夫だったよ。実在庫もズレてなかったみたい」

とのことで、胸を撫で下ろした。

「コレさ、面白いね♪」

「え?何スか…あ!」

店長が差し出したのは、気が動転してすっかり忘れていた、昨夜の実況生中継メモ。

「何の連絡メモかと思ったら、棚卸の事じゃない。朝から、こんな様子だったんだ~(笑)て分かって、面白かった♪」

なんか、つたない文章が凄く喜んでもらえた(照)

嬉しかったもんで、その後、全ての立会った棚卸で、実況生中継メモを残すようになりました。

──さて、この辺りでバイト期間の棚卸エピソードは終了かな。
長くなっちゃったから、一度切りますか。

…まだまだ有るよ、棚卸エピソード。ふははw

⑫に続く──

─おまけ─メモ

店舗のメモ用紙は保存期間の終了したA4伝票の裏紙を、四つ切りにしたもの。

私でも電話応対中なんかは、メモ用紙とボールペンを構えているんやが。

正直、私の書くメモは酷い。

実況生中継は喋り言葉で書いたけど、普段のメモは店舗名や品番等の主要な単語と、『 ○ 』『 □ 』『→』時々『 △ 』で構成されている。

話を聞いてる時って、とにかく手を動かしたいもんで、何重にも□を囲い続けたりしちゃう。

受けた直後ならば そんなメモでも見ながら動いたり引き継ぎ書いたり出来るんやが、日付が変わると自分でも「何だ、コレ…???」と、盛大にハテナが飛ぶ。

とにかく、酷いんだ。

済んだメモ用紙を、つい、そのままにしちゃうのも、私の悪い癖。

そんなメモでも、喜んでくれる希少な方が、2名いらした。

「○○さんのメモ、暗号文みたいで面白いから、つい、解読したくなっちゃう。
この□は商品で、こっちの○は店舗でしょ」

T店長と、後一緒に働いたMさん。
見事に暗号解読に成功していた。

ええ、なんか、自分でも解読出来ん酷いメモでも、喜んでもらえて何よりです…(涙)

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