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相手の間違いには「スマート」に

おはようございます!ビジネス作家の臼井由妃です。

経営コンサルタントのN さんは、仕事柄、著名な経営者や知識人といわれる方とも会う機会が多いのですが、会話をしていて明らかに相手が勘違い発言をしている場合でも、周囲に人がいれば指摘しないといいます。

 社会的に地位のある人はプライドが特に高いですから、微笑ましい間違いはスルーして、このままにすると後に大きな恥になるとか、利益を損ねるようなことだけを、訂正するそうです。

 お付き合いの度合いにもよりますが、
1訂正する場合は二人になってからそっと伝える
2肯定的な表現に言いかえをする

 ことをモットーにしています。
 

N さんが、こんな話を教えてくれました。
お取引である経営者の中に、会計用語にあまり詳しくない方がいて「資産」と「純資産」をゴチャゴチャに捉えていました。
念のために「資産」とは、文字の意味そのままで「資産価値のあるもの」。
現金、売掛金、土地などが相当します。
一方、「純資産」は、「資産」から「負債」を差し引いた金額を表します。純資産は一言でいえば「会社の価値」ということになります。
よく考えれば誰もが分かることですが、相手が正しく捉えていないと、コンサルタント業務は円滑に進みません。
かといって、二人だけの時に「社長それは違う」と訂正すれば、プライドを傷つけます。
「私も間違えたのですが、本当は……」でミスを指摘するのは、経営コンサルタントとしてNさんの信用に関わります。

そこで彼は、図解が満載の会計用語集を
「数字に強い社員を育てるのは、社長の仕事です、経営を安定させる秘訣でもあります」と伝え、「資産」と「純資産」について説明しているページに、さりげなくしおりを挟んで、その経営者に手渡しました。
ここで「マーカー」で該当箇所に印をつけるのも策かもしれませんが、ちょっと嫌味かもしれませんね。彼はそうしませんでした。
後日、その経営者から
「気遣いありがとう、きちんと把握できました」と感謝されるだけでなく、クライアントを紹介してくださったそうです。
 相手の立場を落とさず、感じ良く間違いを伝えることの重要性を改めて、認識するエピソードです。
 
 まじめな人は、白黒ハッキリつけないと、気がすまないところがあります。それは、正解を求め学び続けるという意味では長所ですが、他人に押し付けると短所になります。白黒だけではなく「グレー」もある。
端から「白黒」つけるばかりではなく、間違いには「グレー」=見過ごしてもいいものもあると理解しましょう。
 まじめが杓子定規な言動になり、「惨め」な結果を導くこともある。
相手の間違いには、「スマート」に対応しましょう。

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