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【10分で読める】弱者/無名映画監督として成功する術:ランチェスター戦略について(前編)

映画監督の岩崎雄貴です
26歳になった2021年、「自分はどうすれば納得のいく映画監督になれるのだろう?」と考えるようになりました。

正直に申し上げると映画監督の道を歩いていることは両親、祖父からの賛同をまだ得られておりません。それはひとえに私が映画監督として成果を出していないことであると常に戒めております。

大学職員という安定した職業を辞したからには、大学職員であること以上の価値・成果を出すことが一つの責任の取り方だと考えております。しかし、自分には「お金」「コネ」があるわけでもありません。こんな私が勝つためにはどうすればいいのでしょうか。そう悩んでいた時に出会ったのがランチェスター戦略です。

ランチェスター戦略は「弱者として勝つための戦略」です。そのランチェスター戦略を中田さんのYouTube大学の動画で学びました。それを抽象化して映画監督の自分の人生に活かそうというのが本記事の試みです。したがって、映画監督である岩崎がどのように人生の戦略を立てるのか、という観点でサラリーマンや経営者の方でも読んで価値のある内容にしております。このトピックは前後編に分けており、前編となる今回ではランチェスター戦略の簡単な説明をいたします。

弱者とは:その業界でシェアを1/4以上取れていない人

 ここで言う弱者とは業界において、シェアを1/4以上取れていない人のことを指します。自動車業界を例に見てみましょう。
無題

 トヨタは47%なので1/4以上のシェアが取れているので強者です。対してホンダは15%なので弱者です。「あのホンダが!?」と思われると思いますが、ランチェスター戦略においては弱者です。したがって、ご自身が働かれている業界であなたがシェアを1/4以上取れているという強者であれば、本記事はオススメしません。
シェアを1/4以上取ると言いましたが、これを芸能界で考えると「(商品名・キャッチフレーズ)と言ったら(会社名・人物名)だよね」と思ってもらうことが一つのゴールだと思います。
 例えば、お笑い事務所=吉本興業。昭和の日本人映画監督=黒澤明。ハンバーガーレストラン=マクドナルドみたいな感じですね。
では、こういった弱者として勝つためにどうすればよいか。ランチェスター戦略では、5つの戦略が公開されています

①局地戦:自分が勝てる狭いエリア(場所・分野)で戦う

局地戦とは「限られた地域内での戦争」と定義されます。この局地戦において成功した事例が2つを紹介します。
1.対馬のイノシシ狩り
 江戸時代。対馬でイノシシが大量発生をして作物を荒らされていた時の話です。農家の人はイノシシを駆除したい気持ちは山々なのですが、当時は生類憐みの令が発令されていたので全員が一気にイノシシを狩ろうとすると目立ち、バレてしまうために駆除が大っぴらにできませんでした。
 そこで住民は対馬のエリアを9つに分けました。そして、1つ1つのエリアに全戦力を集中させてイノシシを狩っていきます。もちろん、1つのエリアに付きっきりですからその間、他のエリアの作物は荒らされます。しかし、最終的には幕府にバレることなくイノシシの駆除を完了させた、というお話があります。

2.ピザ
 地域だけでなく業種や分野を絞ることも大事です。ピザとパンを売っている会社がありました。ピザの売上が高いのですが、宅配ピザの流行に陰りが見え、パンで勝負をしたい、と思うようになりました。
 そこで考えついたのが焼きたてのピザではなく焼きたてのパンで勝負をするという戦略です。そして、お店に焼きたてのパンを並べパンに合うお茶を無料で提供する。これにより、地域の人気店になった、というお話もあります。こちらの戦略

 戦う場所を限定する、という戦略ですがどういった基準で戦う場所を限定するかということについては4つ目の一点突破で解説していきます。

②一騎打ち

 つまりはライバルと1対1で戦うことですね。宮本武蔵が数十人の武士を相手に一人で戦った時も一度に全員を相手にするのではなく「狭い所に誘い込む」もしくは「全力ダッシュで逃げ、足が速くて追いついてきた敵から片づけていく」という戦法を取り、1対1で戦い無敗伝説を築き上げたのだと思われます。
 これをビジネスに置き換えると例えば自分のライバル会社と契約をする顧客のところへ直接、営業に行くということが考えられます。仮に顧客が多数の取引先を持っていても、1つの取引先しか持っていなくてもこの戦法は有効です。
・顧客が一つの取引先しか持っていない→その1つの取引先と自社を比較して勝てるポイントをプレゼンする
・顧客が多数の取引先を持っている→それぞれ1つずつ比較をして勝てるプレゼンをする。
 比較というと動画内であっちゃんも「価格を安くして」ということを言っていましたが、個人的に値段を安くして勝つのはあまりオススメできません。答えは単純で「もっと安い商品が出てきた時に安くすることでしか勝てない」からです。だから、ライバルに勝つためには自分の商品に付加価値を付け、その付加価値を理由に買ってもらうようにしましょう。
 身近な例ですと「鬼滅の刃」のイラストを商品のパッケージに書くというものでしょうか。2020年10月5日に発売した、缶コーヒー「ダイドーブレンド」と『鬼滅の刃』のコラボ商品、通称「鬼滅缶」。主人公の竈門炭治郎や鬼殺隊の隊士などが描かれた全28種の「鬼滅缶」は、発売から約3週間で累計販売本数5000万本を突破。という話があります。みなさんも鬼滅の刃でなくとも好きなキャラクターやモデルの商品だとついつい買ってしまいませんか?こういったあなたなりの工夫を付加価値として自分の価値を高めて諸部に勝ちましょう。

【引用元】

③接近戦

 ビジネスにおいて接近戦・遠隔戦を考えると直接販売か卸売りかのどちらかになります。例えば大手の出版社が全国の書店に本を並べて売っている。これは遠隔線です。対して、自分で講演会を行ったり、SNSで本の紹介をしたりして自分のサービスを宣伝するのが接近戦です。
 この戦略の成功事例はロールケーキです。最初は3000円でロールケーキを販売しておりました。しかし、今は100~300円で美味しいロールケーキが食べられる時代。「高いから売れないよ」と言われたそうです。そのアドバイスを聞いて値下げをするかと思いきや、逆です。ロールケーキの値段を10000円に上げ、自社のホームページから直接の注文でしか買えないようにしたそうです。結果、特定数のファンがロールケーキにつく、ということになったそうです。

④一点突破

 一点突破は要約すると「勝てる場所に全戦力を投入」するということです。1つめの局地戦でどのように戦う場所を限定するかという話がありましたが、「自分が勝てる場所に戦う場所」を限定しましょう。
 これで成功した例が桶狭間の戦いです。今川義元率いる300人の兵士が桶狭間という狭い場所で休憩していた時に信長が2000人の軍を率いて、勝ったというお話です。桶狭間の戦いよりも前に各所で信長軍と今川軍は戦っておりましたが、信長は下手に軍事力を浪費することをせずその戦には人員をほとんど割かなかったそうです。なぜなら、戦においては敵の武将を仕留めることが第一優先だから。そこをゴールに見据えていた信長は各地に割く軍事力は抑え、桶狭間の戦いに戦力を集中させて勝ったというお話です。
 ビジネスに応用するならば、自分の顧客を絞り込み、その人に刺さる商品をお届けするために「ヒト」「モノ」「カネ」「時間」などの資源を投資することです。この「顧客を絞り込む」というのは「ペルソナを決める」と私は教わりました。自分がどんな人を助けたいのかを年収・住所・学校での生活の様子などに想像を巡らせて顧客イメージを掴みます。そして、日夜その人に対して商品を買いたくなるような情報を発信することです。
 私が助けたいと思っている人を書いたペルソナを一応、共有します。もし、この記事を読んでいる人で「全部は当てはまりませんが、当てはまる部分があるので無料相談をさせてください!」という方は以下のリンクからお申込みください!

⑤奇襲攻撃

 奇襲攻撃。この言葉に対を成すのが包囲攻撃です。といってもイメージが湧かないと思うので簡単に言いますと「差別化」です。例えば、マクドナルドは全国に多くの店舗を展開することで包囲攻撃をしています。そんなマクドナルドに勝つとなったら差別化です。
 例えば、私が最近行ったビーガンのハンバーガーレストランが上手くできているなと思いました。ハンバーガーの値段は444円と特別なモノはありません。しかし、「ビーガン」ということでマクドナルドとの差別化に成功しています。
*こちらのお店からは特にスポンサーなどはしてもらっていません。

 しかし、この差別化をする上でとても大切なことがあります。それは「簡単にマネされる差別化をしない」です。このマネが難しい差別化という点でもこのお店は成功しています。それは理念と物語です。こちらの経営者の方はもともと農家の息子で豚などを屠ることをしていました。しかし、動物を殺したくない、という思いが芽生えます。しかし、お肉の味が恋しい。だったら、肉の味を野菜で再現できるようにしよう、と思った1998年から試行錯誤を続け2010年にお店をスタートさせます。
 ある程度は割愛いたしますが、この理念とストーリーはマクドナルドには勝てません。ここだけの話、マクドナルドの裏側では部外者による陰湿な買収行為などが行われていたりと結構、黒歴史があります。興味のある方は「ファウンダー」という映画を見てください。面白いですよ。

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 ここまでお話をしてきましたが、このランチェスター戦略を私、岩崎雄貴の映画監督の人生にどう活かすのかを考えたのが以下の内容です。ぜひ皆さんもご自分の人生に置き換えて考えてみてはいかがでしょうか。
【簡単にマネできない】
・価格競争やるな
・付加価値
・顧客が望まない差別化
・色んな差別化をして、相乗効果を狙う
・他業界の常識
・理念を持つ
何のためにするの:学ぶって楽しい(映画作りって楽しい)
どこ?:YouTube・教育系
商品:動画
顧客:大人
スタッフ
いつ:後発・教育系先発
戦略:現在、弱者か?戦略:現在、弱者か?

一点突破
速攻拡大(3倍の広告)
自分の同業者をパクり、潰す
整理・確保(ヒットしないモノを捨てる)

⑥次回予告:映画監督として勝ち残っていくために

 ここまでランチェスター戦略について説明を書きました。次回の記事では、このランチェスター戦略を如何に映画監督の人生に活かすのかを考えていきます。みなさんもご自身の人生や事業に照らし合わせてランチェスター戦略を考えてみてください。

【後編へのリンク】

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