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会社は”自己判断”より”台風休暇”を推奨してくれ

自己判断――わたしはこの言葉がとても嫌いだ。

自己判断は、電車が止まりそうになるとやってくる。今回は台風15号の影響で明日の朝電車が止まると知らされた際、会社からさっそく連絡がきた。そして「出勤は無理せず自己判断で」と言い渡されたのだ。

「自己判断」と聞いたとき、嬉しさ以上に不安を強く感じてしまう。明日とんでもなく暴風で大雨なら、自信をもって自宅待機できる。でももし電車が動くか動かないか微妙な天気だったとき、出勤しない選択肢をとっていいのか心配になる。このレベルで出勤拒否をしてもいいんだろうか……。もし遅れて出勤したら、私以外みんな会社で働いているんじゃないか……。だったら多少無理しても出勤した方がいいのかもしれない。。。出勤していない罪悪感から、必要以上に不安を感じてしまうのだ。

学生時代は違った。あの時は学校から「休校にするから学校に来るな」と明確に連絡があった。だから台風や大雪の日は素直に喜べたし、堂々と二度寝したりゲームをしたりできた。あの時間は本当に贅沢だった。

でも社会人になってから、基本的に出勤禁止はありえない。住む場所も仕事内容もバラバラだからだ。だから会社は「自己判断」を使う。自己判断を言い渡されたわたしたちは、天候を逐一チェックしながら「この状態は出勤しないに値するレベルかどうか」を考えないといけない。社会人なら休めないのは当たり前かもしれない。でも出勤できるかをずっと気にしているのも非常に面倒だ。天気を気にするストレスがあるくらいなら、黙って嫌な仕事を片付けていた方がよっぽどましだ。本当に、自己判断はスキじゃない。

会社は「台風休暇」を導入しほしい…!

気の弱い私は、自己判断だけじゃ自信を持って判断できない。だから、だれもが不安にならなくて済むように、世の会社に「台風休暇」を提案したい。気の弱く心優しい従業員は、「自己判断」と言われると気の休まらない時間を過ごさないといけない。その気苦労をなくすため、その日にやるべき仕事がなければ台風の日には休みを推奨する仕組みにしてほしい。それが台風休暇だ。

台風休暇が推奨されれば、逐一お天気情報を気にしなくなるので、余計なストレスを感じずにすむ。ニュースでよく使用される「不要不急の外出は避けろ」と言われるだけでは、わたしたちは有休をとる勇気がわかない。でも台風休暇があるなら、より多くの人が「今日は危険な台風が来ているので、念のため休みます!」と言えるはずだ。

明日の朝、わたしは「自己判断」をする。風はどれほど吹いているだろうか。台風休暇がない今は、出勤の時間に私が迷う必要がないくらい吹き荒れていてくれと願うばかりだ。

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