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夜9時のラーメンと敗北感、そして優越感

負けてしまったようで、勝ったような気分になる。夜遅い時間のラーメンは、食べる人を不思議な気持ちにさせてしまう。

最寄り駅に着いたときには、すでに20時半を過ぎていた。今日は恋人の両親への挨拶をし、お宅に伺い、式場主催のイベントに参加してきた。いろいろな場所に移動し、少しずつご飯やお菓子をつまんでいたらもう遅い時間だ。軽く晩御飯を食べようと思い、駅地下の飲食店街に向かった。

心をつかんだのは、つけ麺で有名なラーメン屋だった。さて、どうしようか。カロリーは高いし、21時前に食べたら太ってしまう。何よりあまりおなかは空いていない。もっと健康的なグルメの方がいいのではないか?周りの店のメニューを見ながら、他の選択肢の可能性を探った。

でも、やっぱりラーメンが食べたい。魚介だしがきいた濃いめのスープを味わいたい。もちもちの中太麺をすすりたい。こんな状態で健康食を選んでも、逆に不健康なのではないか!?あらゆる正当化の言い訳を並べ、思い切って夜9時のラーメンを食べる決意を固めた。

渇望して食べた魚介ラーメンはやはりおいしく、あっという間に完食した。満腹でものすごく苦しいけれど、夜9時のラーメンに後悔は一切ない。食べられてよかった。疲れたけれど、今日1日最高の締めで終えられた。

夜遅いラーメンが与えるのは敗北感?優越感?

確かにわたしは誘惑に負けた。「夜に食べるラーメンは太る」「おなかがいっぱいなら食べるな」…分かっているのに自分に屈した。ただその一方で、「ラーメンを今食べたい」といった自分のまっすぐな欲求に素直になった。常識とか一般的な考えとか、そういう普通を差し置いて。自分を理解し、内側から湧き出る感情に素直になって。色んなものを乗り越えて、わたしは本当に欲しかったラーメンにたどり着いた。わたしは本当に負けたんだろうか?

自分の気持ちに素直になると、敗北感をかんじるべき事象であっても、不思議と優越感がわきあがる。誘惑に負けても、「普通」には勝ったからだろうか。どうしても夜中に食べたくなったら食べてしまってもいいかもしれない。まあ、たまにはだけどね。

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