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ベーシックインカムで「不倫許容時代」に⁉

富や地位の格差が大きく、それらが子どもに受け継がれる社会は女性の貞操に厳しい傾向がある――脳科学者・中野信子が書いた『不倫』(2018)の中で最も印象的な一節だ。

本の中では貞操に厳しい理由は書かれていない。推測するに、女性が金持ちの男性と不倫せずにしっかり子育てを行っていく必要があるために貞操に厳しくなると考えられる。つまり貧富の差や身分の差が厳しいと、女性の不倫に対して厳しい目が向けられる。

逆をかえせば、食べ物が簡単に手に入って格差のない社会では、女性の貞操には厳しくない傾向にある。なぜなら食べ物に困らず、労力をかけなくても子供は自力で育っていくため、子育てに時間は使わずに次の相手と子作りをした方が子孫繁栄の観点では効率的だからだ。こうした社会では乱婚や多夫多妻のスタイルが適切で、女性が複数の男性との性行為が許容されやすいらしい。

最近注目されている「ベーシックインカム」は、社会の格差をなくしていく施策だ。上記の貞操に関する言説をもとに考えると、ベーシックインカムによって女性の貞操が厳しくなくなり、不特定多数の相手との性行為が許容される「不倫大国」になる可能性がある。

ベーシックインカムと性

「ベーシックインカム」とは、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給する政策を指す。年齢や性別問わず生活費が支給され、各々本当にやりたい挑戦できて無意味な労働が減る。また貧困者に対する保障も不要となり、全体的に見ればコストを削減できるともいわれている。

一部の海外では試験的に実施されている”ベーシックインカム”は、国民の格差をなくす役割を果たす。貧富の差がなくなれば子どもはより育てやすい環境となり、それぞれの国民がお金を気にせずに挑戦しやすくなる。今でも女性は家庭を保つために主婦業に専念すべきと考えられているが、格差がなくなればそうした性別役割分業もなくなって女性は自由になる。

自由になれば、誰でも禁断の果実に手を出したくなるだろう。生活費が保証されるため不倫のリスクは減り、「子供のため」「家庭のため」と抑え込んでいた理性は解き放たれ、気になった職場の先輩と、偶然再会したイケメンの元カレと、料理教室の先生などと親密になるハードルが低くなる。そして人妻はずるずると不倫の世界へ・・・・・なんてなるかもしれない。

もちろんベーシックインカムが導入されたとしても、不倫はタブーであるのは変わらないはずだ。ただ平等な社会が必ずしも幸せをもたらすとは限らないので覚悟はしておいた方がいい。

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