ブラックサンダー（32円）の5,313倍

甘いものを食べたいと思うとき、いつもブラックサンダー（32円）ばかり買ってしまう。そんなケチな私が、つい半年ほど前に17万円を支払っていた。購入したのは、編集ライター養成講座だった。

編集ライター養成講座とは、出版社の宣伝会議が主催する教育講座だ。編集者やライターを志望する人を集め、毎週土曜日の午後、半年間企画やライティング、自己分析、プロモーションなど講義を受ける講座だ。

最初にSNSで講座の広告を見つけたとき、正直「あやしい……」と思った。詳しいカリキュラムもないし、講師紹介が豪華だし、WEB上でもほとんど口コミが見つけられない。そしてケチな私にとって、受講料17万円は高い。編集ライター未経験のわたしは、結局「編集者ってかっこいいな～」なんて憧れて終わってしまうのでは…と心配だった。

未経験でも取材・執筆はできちゃう

怪しいと思いながらどうしても講座が気になり、無料体験講座に行くことにした。日曜の午前中、5人くらいの女性が教室に座っていた。正直言うと体験講座の内容は全く覚えていないが、「受けてみたい」と強く感じた。実際に取材や記事作成、企画をし、講師に添削してもらえ、未経験でも編集・ライターになるための求人を紹介してもらえるのが魅力的だった。

最後まで17万円の価格は悩みに悩んだ。結局、「最悪騙されていても17万円なら仕方ない」と優柔不断にありがちな投げやりな考えにより、17万円を支払い、受講することになった。

初日の講義に行くと、なんと130人ほどの老若男女が詰めかけている。（17万円×130人……）30人くらいのクラスでゆったり受けるつもりだった私はびびっていた。17万円を無駄にするわけにはいかないので、絶対頑張って転職しようと心に誓った。

半年間、ここでは書けないほどいろいろな経験をした。取材や執筆など全然したことがない私が、取材のためのアポを取り、慣れないICレコーダーを片手に話を聞いてみた。路上占い師の記事を書きたくて、渋谷の若者がわんさか通る道で占いにも挑戦した。極めつけは、記事のテーマを「エロ」にし、エロ漫画家やAVサイト運営者の取材までいくことになった。
※この話はまた詳しく…

受講をして感じたのは、未経験だって編集者やライターになれるということだ。まだライターですらない私でも、取材できたし執筆もできた。記事の内容を「おもしろい」と言ってくれる人もいた。「未経験のわたしでもできるんだ」と知れたことが、何より講座の大きな収穫だった。

講座は皆勤賞！次はライターに転職

先日、半年間続いた講座が終わった。まったく不満がないわけではなかったけど、半年間とても充実した時間を過ごすことができた。

ケチ魂を持ち続け、何とか講座の皆勤賞をとることができた。いまはライターへの転職活動中だ。もう未経験でも何もひるむことなく、書く仕事に全力で挑戦していきたい！

少しでもライターに興味があるけどまだ踏み出せていない人には、ぜひおすすめの講座である。