肉UNO

「今度食べたいランチ」にはもう二度と会えないかもしれない

節約したい時、おいしそうなランチは明日以降に回す日がある。今度来た時に食べよう、と決意するときもある。でも、食べたいなら今日食べなければだめだ。食べたいと思ったご飯は、高くたって今日その日に選ばないといけない。なぜなら明日にはもう、ないかもしれないから。わたしは今日、食べるのが楽しみだったランチの贅沢を失った。

毎週火曜日は仕事で赤坂に行く予定があり、その用事の後に食べるランチが最高の楽しみだった。美味しいお店はたくさんあるけど、特に好きだったのがお肉の店だ。ランチでは、上質な牛肉とこんがり焼いたチキンがメインで、緑の野菜や低糖質のチーズパン、テールスープがついた1,000円のお肉プレートの1種類しかメニューがない。この肉プレートが大好きだった。決して安くはないけど、レアのお肉が大変美味しく、野菜もたっぷり食べられる。13時半には閉店なので、予定が延びてしまった日はいけない。だから12時頃に予定が済ませられたら、ランチはこのお肉のお店に行くと決めていた。

火曜日の今日、運よくお肉のお店に行けた。いつもより列は短く、2組ほどしか待っていない。混んでいるのを予想したので、ラッキー♪だと思った。店前の看板を見ると、ランチの値段が1,000円から「1,100円」に書き換えられていた。あ、100円値上がりしている。まあ美味しい肉が食べられるからいいだろう。特に値段は気にせず、席が空くのを待った。

5分もしないうちに入店し、テールスープを飲みながら肉プレートを待った。肉肉しいお肉を気軽に食べられるのは、この店くらいしかない。たまったLINEを返しながらも、空腹がひどくなっていく。早く食べたかった。

そして待ち望んだ肉プレートが提供された。ようやく来た!!いただきます!!

………………

……あれ?????目の前に出された肉プレートを見て驚いた。ひょっとしたら、いやどう考えても量が減っている。お肉は美味しそうだけど、野菜や肉の量がかなり少ない。はっきり言ってスカスカ状態だ。これは何かの間違いなのだろうか……。周りを見渡してみても、提供されているのは自分と似たような量のプレートだ。レパートリーも変わらない。みんな「美味しい」と喜んで食べている。でも何度も来ている私からすれば、正直圧倒的にレベルダウンしている。値上げもしているのに……。

たしかにお肉は変わらない旨さだった。でもおなかも気持ちも満足感が得られず、店を出た時に「もうここへは来ないだろう」と感じた。(1枚目が今までの肉プレート、2枚目が今日食べた肉プレート。)

大好きだったランチは変わってしまった。毎週の楽しみだったし、1,000円払ってでも食べにいきたいお店だった。でももう、私の楽しみはなくなっていた。今日たまたま材料不足だったのかもしれないけど、この経験のおかげで「大好きなランチともう二度と会えなくなる可能性だってある」というのを学べた。

贅沢してでも、多少無理をしてでも、「食べたい」と思ったランチには迷わず手を出してほしい。もう明日には姿を消しているかもしれない。「今度食べたい」と思ったランチが食べられず、消えてから後悔しても遅い。毎日、自分の気持ちに正直に生きていきたい。

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