見出し画像

「ありがとうと君に言われると何だか切ない」がいまでも分からない

大人と呼ばれる年齢になってわかったこと。大人って、案外大人じゃない。10代の時にみた25歳と、自分の25歳は驚くほど違っている。だから「大人になればわかるっしょ」と思っていたものも、いまだによく分からなかったりする。

花より男子2(花男)のドラマが放送されたのは今から12年前、13歳の時だった。このとき、花男のイメージソングとして使われていたのが宇多田ヒカルの「Flavor Of Life」だった。

Flavor Of Life」は出だしから大人のことばで始まる。

ありがとうと君に言われると なんだか切ない
さよならの後も解けぬ魔法 淡くほろ苦い The fiavor of life

13歳の時から歌詞も曲も大好きだったけど、「ありがとうと君に言われると なんだか切ない」の意味がどうしても分からなかった。お礼を言われているのにどうして切ないんだろう。自分か相手に愛情がないからか。別れたからか。ありがとう何て言ってほしくないのか……。両想いの経験すらない子どものわたしにとって、両想い後の悩みなんてわかるはずもなかった。だから「大人になればわかるっしょ」と思って、何も考えずに曲を聴いていた。

あれから12年経った。両思いも経験できた。なのに、今でもありがとうと言われて切なくなる気持ちがよく分からない。一番有力な見解は「”ありがとう”なんて他人行儀な言葉を使うなんて切ない。わたしたち、もうダメかも」だ。

でもわたしはどんなに親しくても「ありがとう」と言われなきゃムカつく。むしろ「ありがとうと言われなきゃ何だか切ない」の方が共感できる。何でだろう。本当に分からない。わたしはまだまだ大人じゃないんだろうか。

ただ1つ言えるのは、宇多田ヒカルって本当にすごい。何だかよく分からない歌詞なのに、13歳の時からいい曲だと思い続けている。12年経った今でも時折聞きたくなる。いい曲は意味を飛び越えて愛されるのかもしれない。30歳になったら理解できるかもしれないと思いながら、今日もFlavor Of Lifeを聞いていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?