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「全席喫煙」カフェの衝撃

そこは「全席喫煙」を掲げる喫茶店だった。

先週末の名古屋旅行で、わたしは小倉トーストが食べたかった。モーニングが終わった12時前に駅地下を歩いていると、レトロな喫茶店を発見した。お、小倉トーストもあるしここにしよう!早速入店すると、コーヒーやトーストの香りを凌駕するにがーい匂いがする。よくみると「全席喫煙」の文字がある。そこはすべての席が喫煙席になっている喫茶店だったのだ。

別の店を探すのも面倒だったので、その喫茶店に入店した。店内は思ったより広く、落ち着いた雰囲気だ。メニューに載っている珈琲やケーキ、トーストはどれも美味しそうだ。だけど……たばこの臭いがどうしても気になる。できるだけ匂いのしない場所に座ったけど、近くから煙が漂ってくるので落ち着けない。周りが喫煙者だらけだったので、自分だけが子どものようで肩身が狭い。思うように落ち着けない。全席喫煙の店内は居心地が悪く、「なんだか自分をのけ者にしているようだ」と感じてしまった。

店を出た時、ふと思った。いつも喫煙者の人たちはわたしと同じ気持ちなんじゃないだろか?

今では断然「禁煙」が主流だ。飲食店では禁煙席の面積の方が圧倒的に広かったり、もしくは「全席禁煙」に切り替えている店舗が多い。わたしはタバコを吸わないので、全席禁煙化の流れには賛成だった。ご飯を食べるときにタバコ臭さを感じずに済む。それにたばこは健康に悪い嗜好品なので、喫煙スペースがなくなればもっと世の中よくなるだろうと思っていた。。

だけどわたしが全席喫煙の店に行ってみると、居場所のない辛さがよく分かった。ただゆったりしたいだけなのに、周りとの違いで肩身が狭くなって全然くつろげなかった。喫煙者の場合、良く感じているはずだ。どの店も禁煙席ばかりだし、道端でタバコを吸っても怒られる。結局決められた喫煙所にギューギューになって煙草を吹かすしかない。彼らがタバコとともにくつろげる場所はあまりないんだと思う。

煙草を吸うかどうか、やめるべきかどうかは人それぞれ意見がある。ただ吸う人も吸わない人も、ゆったりできる居場所はあるべきだ。だからむやみやたらに禁煙席ばかり増やすのではなく、禁煙も喫煙もお互いの居場所を尊重できるような空間になっていったらいいなーと思っている。

▼ちなみに言ったお店はこちら/パーラーみかど(名古屋)

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