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取材中トイレにいくタイミング

人生初の取材中、相手が一生懸命話しているとき、わたしはどうしようもなくトイレに行きたかった。

ライター志望のわたしにとって初めての取材だった。使い慣れないICレコーダーを手に、普段無表情な私がいろんな顔を作りながら、ポツポツと質問をしていた。

1時間半たったころ、ふとトイレに行きたくなる。取材前もマックでアイスコーヒーを飲み、取材中もコーヒーを飲んでいた。とはいえ、相手が一生懸命話しているときなので、しっかり聞きたい。話の途切れたときに行こう、と決めた。

ところが、複数人から話を聞いていたこともあり、全然途切れないのだ。ある程度私からの質問が終わって、各人が熱い思いを話し始めた。一人が話し終わり、わたしが「あの…」と言うために息を吸ったとき、もう別の人が言葉を発している。タイミングを見ながら、時間は刻一刻とすぎていく。

「このあと、すごくいい話が聞けるかもしれない」という期待と、「このタイミングに行くと失礼かな」という恐怖があった。そうしているうちに、辛さは増してきて、メモするのもやっとの状態になってしまった。さすがにしんどくなり、話しているタイミングながらお手洗いに行く申告ができ、大事にはいたらずにすんだ。笑

今回の課題は、取材前にもコーヒーを摂取してしまった配慮のなさはあるものの、インタビュアーであるわたしが話に切り込む力がなかったことが大きな要因だと思った。

相手の話をしっかり聞くことが大事だと思い、途中から聞いてばかりになってしまった。本当の聞き役は、相手の話を理解しながら、相手の言いたいことや思いを引き出すことだと思う。ライター養成講座のなかでの講師の言葉が、ようやく身にしみてきた。

身のある取材にするためにも、トイレを無駄に我慢しないためにも、ちゃんと切り込む勇気をもたないといけない。

トイレに行きたいという気持ちから、案外大切な教訓が学べた。今度はトイレを我慢しない取材をしたい。笑

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