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「残業って悪くない」と考える大人が泣きたくなる名作 #わたし、定時で帰ります。

コンビニでお菓子を買ったのは20時頃だった。おなか一杯になりすぎないけど、小腹が満たせる程度のお菓子を選ぶ。今日はグミにしよう。ビニール袋をぶら下げてオフィスへ戻る。パソコンを開き、作りかけのエクセルを再び表示させた。21時半までには帰ろう。そう誓って、グミをつまみながら作業を始めた。

入社4年目のわたしにとって、残業は日常だ。ただ、残業は悪いものじゃないと思っている。定時を過ぎると落ち着いてできる仕事もあるし、メールや電話が来ない環境で集中できる。周りにいる同僚とも昼間より気さくに話ができるし、夜まで頑張る自分に誇りが持てる。残業をしない人には憧れるけど、本音では「そうはいっても残業したほうがいいよね」と感じていた。

今日家に帰ると、たまたまドラマ「わたし、定時で帰ります」の最終回がやっていた。たまーに見るくらいだったけど、おおまかにストーリーは分かっていたので、晩御飯を食べる間だけ最終回をみているつもりだった。ただ結局食べ終わった後もドラマを最後まで見続けてしまった。最終回が、ものすごくよかった。なんで1話からきちんと見なかったんだろうと思った。全話みていたら、もっともっと感動できたのに。

これから見る方がいるかもしれないのでざっくりとだけ話すと、最終回は残業しがちな社会人がハッとさせられる場面が多かった。個人的に一番泣きそうになったのは、主人公(吉高由里子)の言葉だ。

残業する人は怖いんです。認められたくて、居場所がなくなるのが怖くて、時代に取り残されるのが怖くて、一生懸命残業してるんです。不幸になりたくて働く人なんていないんです。

はっきり覚えていないので、言い回しやことばはだいぶ違うはず。とはいえある場面で、吉高由里子がだいたいこんな主旨の発言をしていた。残業する側として、この主人公のことばには泣きそうになったし、はっとさせられた。

たしかに残業する時間は苦痛ではない。「案外悪くないね」と思いながら夜まで働いていた。でもわたしは怖くて残業しているんじゃないだろうか?能力では評価されないから、残業して少しでも頑張ってる感を出したいのかもしれない。早く帰ってしまうと何かミスしそうで怖いのか。周りが残る中で一人帰る勇気がないのか。あぁ、どれもあっているような気がする。

不安の中で働く人にとって、残業は心の安らぎであり、万一の保険であり、自分を守る毛布みたいな存在だ。会社や残業にすがっていると楽だし、「大変だけど仕方ないよな~~」なんて言いながら働けられる。でも残業にすがってしまうと、本当に大切なものとか、「自分は何をしたいのか」のような根本的な問いに立ち向かう時間がどんどん削られてしまうのではないか?本当に心から好きでやってるのでなければ、残業とはいつかは決別しないといけないんだと思う。

こんなnoteを書いておきながら、明日になれば平気で残業をしてしまうだろう。でもこれからはいつもより30分でも早く、残業を切り上げるようにしていきたい。タイミングよく、最近ライター業を本格始動させた。残業で認められるんじゃなくて、自分がやりたいと思えたライター業で認められるように……時間の使い方を見直そうと思えたいいドラマだった。

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