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「価値観は変えていかなきゃいけないよね」という大人に好感をもつ

以前、医療関係の広報を担当していたときの話。
そこは設立から10年を迎えていて、ちょうど設備の取り替えやシステムの見直しに取り組み始めている時期でした。
広報担当の私は、開業当時から大きな改修を行なっていなかったHPや、PRについての見直しを命じられました。

「案内が見づらい」「情報が古い」など、各部署から現在のHPについて改善点をいただき、どうせならデザインも一新して、うんと使いやすいHPに作り変えよう!と意気込み会議を開いたのですが、そこで幹部からの反対意見の多かったこと!
「今、そんなに変える必要があるのか」「この前修正したばかりじゃないか」「あまり目立つことをしない方がいい」
などなど。
10年前に作られたHPなんて若い世代からすれば、字が小さいし長いし写真の画質が荒いし、まるで違法増築した建物のように見た目も間取りもごちゃごちゃしていてとにかく読みづらい!
業務の拡大とともに対処療法的にカテゴリーが無理やり追加されたりしていて、関係者でもどこに何の説明が書かれているか忘れている始末でした。

初めてHPを訪れる利用者の使い勝手なんて二の次です。
それなのに、大きな改修を拒む幹部たち。
彼らの気持ちもわからないでもありません。
10年前は、きっと今のHPが最新だったのです。
同じように、みんなで会議を重ねこだわって作り上げたもので、新参者に土足で入られガシガシ文章を削られ、全くの別物に作り変えられてしまうのが惜しいのです。

また、世代による価値観の違いもあります。
HPは企業の鏡ですが、年配の幹部の中には、文字数が多い方が「堅実・誠実」な印象を与えるから、あまりシンプルすぎるデザインは反対だという意見もありました。
確かに、医療関係者である以上、ポップすぎる色合いや、軽々しく品のないデザインは避けるべきですが、「誠実さ」と「シンプルなデザインや文章」は決して相反するものではないはずです。
インターネット社会の広がりは誰も予想ができないような速さで進んでいて、特に高齢の幹部たちは自分の価値観をアップデートするのに追いついていないのです。

大きな企業でさえ、まだびっしりと小さい文字の詰まった古いデザインのHPを時々見かけますが、そういったところでは、若い世代向けにはシンプルで使いやすいデザインの「アプリ」をきちんと用意していて、世代による価値観の違いを感じさせます。

いよいよ行き詰まってしまったHPの改修会議ですが、トップからの
「でも、価値観は変えていかなきゃいけないよね。」
という鶴の一声で、無事話を前に進めることができました。

ちなみに、医療関係のHPは医療法や医療広告ガイドラインというもので表現を厳しく規制されていて、「無難が一番」「あまり目立つことはしない方が良い」という考えを年配幹部の頭に植え付ける一因となっていたようです。

ITの進化は予想を上回るペースで進んでいると言います。
5年も経てば、きっと私も若い世代から「まだあんな古いこと言ってるよ」と言われることでしょう。
お互いの世代が、押し付けでもなく責任転嫁するでもなく、HPを初めて訪れる様々な利用者の気持ちになって真剣に取り組めば、時代錯誤な結論にはきっと至らないはずです。

私が中年になる頃には
「価値観は変えていかなきゃいけないよね」というせりふを口癖にして、喜んで若い世代に新しい価値観へと導いてもらおうと思います。




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yukko

30代/がんサバイバー/育児ママ サバイバーがもっと笑顔で生きやすい社会を目指して、リアルなつぶやき・想いを一人でも多くの人に伝えたい Ig▷https://www.instagram.com/yukko_lovemylife
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