古森夕子(Yukko)

詩・ポエム・掌編小説などを書いています。 メンタルヘルスについての記事も当事者目線で書く予定です。 よろしくお願いします。

心の翼(文芸社「闘病記Ⅲ~心のエール~」に応募した作品)※落選

「クロちゃん、死んでくれてありがとう」

心の中で呟いて、私は一つため息をついた。

 僕は桜文鳥のクロ。この築三十年になる古いマンションに、まだ産まれて三か月目にやってきた。飼い主は、統合失調症を患っている女性で年は三十二歳だった。統合失調症ってどんな病気だろうって、僕が知るはずもない。飼い主はよく脚立を持って玄関に突進して、父親に腕をつかまれては、泣き崩れて「死にたい。あいつらを殺してやりたい

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怒りを忘れたら思い出は輝かない

空さえ遠慮するくらい
周囲に怒気を放ち血走らせて睨む
捕食する訳でもなく殺めたいだけの、

今/思い出 はいつからか分母ばかりが増えた
今//// に布をかぶせておこうか
今今今今今 兵士の行進する先に、

文明/人間 はいつまでも打ち消し合うのか
海が凪ぐような雨雲を与えられることのないように
一羽の影が赤い葉となり落ちることもない、

空白を空白で埋めるべくして生まれた魂などはなく
タオルを押

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あなたはインテリゲンチャにとっての被検体

地下室からもれる方眼紙
それに力の都合を乗せたら
病んだ魂は光速で空を飛ぶだろう

花の蕾は恥じらいながら膨らみ
鳥は新芽を喜びながらついばみ
樹々に潜む病んだ魂は色づくだろう

街はいつまでも人を待ちつづける
沈黙は定規で図る絵空事
少女の魂は病みながら笑顔になるだろう

傘は歯に入れている
涙は口に降り
足先は汚水でむくみつづけるだろう

地下室からもれるスープ状の文字
それに裏の朝日を沈めた

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なにくそ!

ゴミだのクズだの言われてもいいんだ
私は価値のある人間だと信じているから!
そのために他人の承認などはいらない!

自分は自分、他人は他人なんだ
私は誰に何を言われても生きてきた
これからも寿命尽きるまで生きる

誕生日おめでとう!
誰も祝ってくれない、みんな自分の記念日ばかり祝って欲しそうにする
私は嫌われ者だけど自分のことが好きだよ

それでいいんだよ、それで
最後に頼れるのは自分だけ!
それ

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運命を感じてる

心配させて不安を取り除いてもらうことで愛情を感じていたいの
私のことが嫌いになるのは当たり前だから
死にたいなら死んでもいいと私の意思を尊重してくれる気持ちに驚く日々

誰かのためにしていることはすべて自分のためだということは分かってる
誰かが私にしてくれていることはその人自身のためだということも知ってる
「あなたのためだけに!」なんて詐欺師の手口に惑わされるほどウブじゃない

何かが私に侵入して

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失恋5

意気地なしの花びらが言えないことを乗せて君の唇に触れている
話かけられたことすべて肯定か否定かで判断するなんて
あいまいな結末を望まないのは自殺しようとしているようなものだよ
いつだって君にとって春は燃え尽きた冬の屍でしかないから埋めてしまおう
地中から芽吹くのは新しい命かもしれないけど道化師は空から落下するだろう

心も身体も踊る広場で目を交わせば始められたかもしれない
心も身体も眠る個室で目を

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