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信じるとまずい脳科学もあるよね

 ちょっと充電期間をはさみましたが、再び脳科学。

 実は日頃疑問に思っていることをいろいろと検証していたのです。

 みこちゃんの見る所、脳科学にはいろんな受け入れやすい誤解がいっぱいありそうな気がします。

 例えば、男女が理解できないという悩みを抱えている人は、ものすごい数がいます。

 そこに脳科学者がテレビで「男脳と女脳は違うのでしょうがない」と言ったとするとどうでしょう。視聴者は夫婦仲が悪いのを脳のせいにできるので、ひとまず自分の問題ではなく脳の問題だったんだ!それは悩まなくてもいいんだ!という免罪符を与えられます。

 また、現代社会は情報が溢れすぎていて、いろんなことを吸収しないといけないけど、もう吸収するのは疲れた……。という人も、ものすごい数がいます。

 そこに脳科学者が、「インプットよりもアウトプットが大切だ」と言ったとするととうでしょう。毎日書類の山に囲まれているビジネスパースンや、受験生などは、「そうか、インプットするのは重要じゃないんだな」と安心することができます。(安心してインプットを怠ると数カ月後に地獄が待っているわけですが……)

 まだまだ、たくさんあります。

 どうも、脳科学というのは、いろんな都合の良い免罪符になってはいないでしょうか……。

 そんな中、非常に面白い本を見つけました。

 著者は内科医、神経科医であり、国立の研究機関で四半世紀にわたって脳の研究をやってきました。ちょっと、そのへんのなんちゃって脳科学者(芸脳人と命名しましょう)とは違います。

 この方が、脳科学の俗説をメッタ切りにしてます。

 目次から特に面白そうなところを抜粋してみましょう。

■知識重視の勉強では、「考える力は育たない」?

正しくは⇒
単純暗記から入るほうが、脳は結局、効率がいい

■「朝食を抜くと、脳は活性化しない」?

正しくは⇒
そこまで密接でもないので、無理して摂る必要もない

■「酒を飲みすぎると、将来ぼける」?

正しくは⇒
飲みすぎて記憶が無くなるのと、将来の認知症は別問題

■「たばこは、脳に悪い!」?

正しくは⇒
とは、言い切れません

■「ぼーっとするのは、時間のムダ」? 「眠ってばかりいて怠けている人は、けしからん」?

正しくは⇒
脳の活動量と集中の深さは比例しない

■「DHAは頭をよくする」のウソとホント

正しくは⇒
「青魚を食べること」と「頭がよくなること」の因果関係は証明されていない

■「3歳までの教育で能力が決まる」のウソとホント

正しくは⇒
後出しじゃんけんの教育論

■ 「運動はぼけ防止になる」のウソとホント

正しくは⇒
運動のすばらしい効果とぼけとは無関係

■「巷ちまたで人気の脳トレ計算問題・脳トレパズル」のウソとホント

正しくは⇒
効果ゼロでも怒らないでね

■「右利きでも意識して左手を使う・クラシック音楽を聴く──右脳神話」のウソとホント

正しくは⇒
純粋に、知的作業として楽しむ程度がおすすめ

■「耳みみ栓せんをして音読すると、暗記しやすい」のウソとホント

正しくは⇒
こつ伝導、だからどうした、という話

■「モスキート音や、高周波数の音(超音波)が、脳を活性化する」のウソとホント

正しくは⇒
聞こえない音からも、脳は何らかの影響を受けていますが、それが「活性化」とは言えません


 さて、いかがでしょうか……( U_U)。
 脳科学の知見には非常に良いものもあるのですが、デタラメが多いのも脳科学の特徴です。

 このあたりを、ちょっと探ってみようと思います。


間違った脳科学を信じるのは危険だ!



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