名称未設定アートワーク

実写版『るろうに剣心』が観たかった。

さいきん、とにかくアートや作品とよばれるものを鑑賞したくて仕方ない。

その中でふと思いち、もちろん存在は知っていたがなんだかんだ今まで読んだことがなかった『るろうに剣心』のコミックス全28巻を読了した。

これについても色々と書きたいことがあるのだけど、今回は漫画についてではなく、そのあとに満を持してGEOで借りてきた佐藤健さんが主演の映画についての所感だ。

いい悪いという単純な評価ではなく、思ったことを正直に、本気で書きたい。いきますよ。

佐藤健さん×緋村剣心はいい感じ

原作の剣心は、「短身痩躯な優男」であると作中で何度も表現されている。

佐藤健さんも、大柄でがっちりした男性ではなく、華奢で小柄でしゅっとしてて、テストステロン感が少ない俳優さんだ。

柔和でかわいい顔して笑うけど、背負った過去の闇の深さを感じさせるような暗い表情も、とてもうまい。男前だけど、切れ長な目元がクールでザ・アイドル顔じゃないのがいい。

赤い羽織袴の装束も似合っている。

ただひとついえば、これは決して佐藤さんのせいではないのだけど、「14年前・・・」の過去回想シーンでも全く同じ外見なのは、さすがに無理があると思った笑。

映画では具体的にこのときの剣心が何歳〜って表立って書いてなかったけど、設定では「現在」の剣心が28歳。抜刀斎稼業を始めたのが14年前の14歳のときということになっている。

実写版「現在」の剣心は、肌も声も若々しくって、どう見ても20代前半くらいにしか見えないことに加え(実際このときの佐藤さんは22歳だそう)、その14年前っつったらさすがにもっと少年だろ!ってつっこみたくなるくらい回想シーンの剣心が今と同じ見た目すぎた。妖怪かよ。

できれば14年前はさすがに子役をあてがってほしかった。14年経ったらさっすがにもっと体や声は成長するはず。昔老け顔、今若作りしすぎ感が気になりすぎて、そのシーンのストーリーに純粋に入り込めなかった笑。

刀が絶対切れなさそう。

今回の映画の見どころは、何といっても殺陣のシーン

剣心×ヤクザ、剣心×左之助、剣心+左之助×大勢、左之助×番神、剣心×外印、剣心×刃衛・・・それぞれの戦闘を中心にシーンが組み立てられているのかなっていう見所満載な仕上がりだ。

剣心の飛天御剣流は、「神速」と言われるスピード感と、「高さ」がキモとなる戦闘スタイル。

劇中でも、ただ走ってるだけのシーンももちろんあったし全然速くない移動をして簡単にやられてる場面もたくさんあったけど笑、ここぞというときにはびゃっ!と(見えないワイヤーで)飛んで、しゅばばばっって高速で移動して、敵の攻撃もシャッシャシャッシャ避けて、原作の剣心の特徴をよく捉えていた。戦闘シーンはどれもめちゃくちゃ力入ってて、すごくかっこよかった。

「不殺(ころさず)」の剣心らしく、柄や鞘を使って反撃するのもナチュラルですごくよかった。健くん、すごく稽古がんばったんだろうなぁ。

しかし、どうしても気になる点が2つ。

まず、刀軽そう。全然切れなさそう。

痛そうにしてるけど、それ絶対刺さってないよね、って感じがすごいする。w

実は何回かにわけて『るろ剣』のブルーレイを観終わるまでに「ソルト」っていうスパイ洋画をたまたま観たんだけど、こっちではガチで殴ってる感じしかしないし階段からぶら下がりながら鎖でがっつり首絞めてるし、美人主演女優も顔殴られてボコボコで鼻血出て汚れまくってまじできったない顔してるんよね。

こういう海外の戦闘シーンと比べると、刀の絶対切れてない感じとか、武器のニセモノ感とか、血ノリのわざとらしさとか、ヒロインがやられてるときもなんだかんだ見た目のかわいさしっかり保ってる感とか、めちゃくちゃ気になる。仮にも剣士なら鼻血のひとつくらい出さんかい!

左之助の斬馬刀も、軽そうだったな〜〜。

あんまり時代劇とか見ないけど、日本の技術力なら刀で戦うシーンももっとリアルにできるんじゃないかなあって思うけど。

でも別にディスりたいわけじゃない。もう一度いうけど、戦闘シーンはすごくかっこよかった。

本来であれば5年半かけて描いてくれた長い連載を、一部分とはいえ2時間ちょいにがんばってまとめて、飛天御剣流とかわけわからん剣術を3次元で再現して、そもそもハードルが高い人気漫画を実写化するなんて、もーそれはそれはいろんなビッグチャレンジはあったと想像するけど、それでも2作め3作目とこの後につながっていったのは、これらの戦闘シーンがちゃんと魅力的だったからじゃないかなって思う。

綾野剛さんの存在感たるや。

観柳の部下にいる人たち、正直誰?って感じだった(原作では御庭番衆だけど、ちがうっぽかったし)けど、キャストで調べたら、外印とか番神とかが観柳の部下っていう設定だったのね。

全然原作で描かれているような戦闘スタイルじゃなかったし、話の中で名前を名乗ったり呼び合ったりすることもなかったから、本当にその設定必要だったのかって感じだけど・・・

髑髏マスクかぶっている人が外印で、その中の人がやたらイケメンだったから、ますます誰?って思ってた。

もし般若だったらマスクの下は変形した醜い顔なはずだし・・・。

まさか外印とは予想外すぎた。ちなみに原作の外印の中身はおじいさんだよww

この映画で外印を演じたのは綾野剛さん。髪も銀髪みたいな、いまどきファッション。銃とか使っちゃうよ。ひゅー!

多くは語られなかったから詳細は不明だけど、顔の左側はヤケドのあと?みたいに醜くなってしまい「だからマスクで普段は顔隠してるんだよ」的なメイクだったけど、そんなん誰も気にせんやろってくらい、ふつーにかっこいい顔した敵だった。

関係ないけど、綾野剛さん×佐藤健さん、「亜人!!」って思った。

綾野さんは、不気味キャラがすごいうまいね。この戦闘シーンもめちゃよかったけど、全体の若いキャストのなかでも綾野剛さんの演技力の高さは際立っていた、気がする。う〜ん実力派。安心してみてられる。

剣心たちの絆がすぐにすごく強い理由が不明。

ここで佐藤さんの話に戻るが(さとうさんって呼ぶと、職場の人かなんかみたいな感じになってしまうねw)、彼はとにかくぼそぼそしゃべって、最初のほうで「おろ?」とかもいうんだけど、漫画みたいに天然ぽいところとか、にこって明るく笑う感じとか全然なかった。心の闇抱えまくってた。まぁ、映画全体のトーン自体がそもそも暗かったせいもあるけど。天気も雨ばっかだし。

あとは、もう尺的にしょうがないんだと思うけど、剣心が薫のことを出会ってから最終的に「大切な人」って位置付けるに至る経緯とか(ハンカチ貸してあげたくらい?)、みんなが仲間って呼べる存在である「絆」感とか、けっこう辛辣に剣心のこと嫌ってる感じだった恵ちゃんを、命がけ?でわざわざ迎えに行く強い思いとか全然伝わってこなくて、全てがけっこう突拍子もないかんじで、あんまり共感できなったな〜〜〜。

実際はもっともっと長い話だから本来ならいろんな敵と戦うまでにそれこそいろんなやりとりがあるところを、尺におさめるためにいっぱい省略したんだろうなって理解している。そんな風に言われるのは余計なお世話かもしれないけどw

ただやっぱ、初めて出会ってからまもない人間同士の絆が深まるのって、そんな簡単じゃないかなあって。ちょっとした出来事1回で、その人の抱える痛みや悲しみが全部わかるもんじゃないよねって。

特に剣心はさ、昔人を殺しまくって悪いなって思ってるわけじゃん。だから「流浪人(るろうに)」として10年くらい放浪してたわけじゃん。

なのに、そのへんで弱いのになぜか師範代を名乗るめっちゃ可愛い子に「おろ?」って感じでうっかり出会って、ちょっと自分関連のピンチを助けたりしただけで、急にそこの住民になっちゃったりします??みたいな。そんなに薫ちゃんがタイプだったのかな??って思われても仕方ないよねってくらいおどろきの腰の軽さ。

あとは、まじで勝手に居座る恵さんの図々しさと、それを意外と素直に受け入れる人々の不思議さ。いや、もっと怪しめよ。医者かなんか知らんけど、まじでただの失礼な人だよねこの女w

まとめ

全然まとめきれないし色々自由に書いちゃったけど、ひとことでいうと、「めちゃくちゃ長い物語を2時間の枠におさめて、原作ファンの期待を裏切らず3次元ならではの魅力も発揮させよう。でも次回作が作れるかもわからないからある程度いい感じに完結させないといけない、人気コミックの実写映画化」ってすごい難しいんだろうな。って感じ。全然ひとことになってないけど。

でも私はこれ観て、佐藤健さんすごくいい俳優さんだなって改めて思った。剣心をやるなら健くんしかいない。かっこよかったよ。

みなさんも、よかったらレンタルで借りて観てみてください。

これを返したら次作の京都編を借りまーす。




この記事が参加している募集

コンテンツ会議

読んでいただき、ありがとうございます。いただいたサポートは、他のクリエイターを応援するために使わせていただきます。