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現役整形外科ナースが『スポーツ医学検定』を受けてみました。

※この記事は、以前運営していたブログで2018年12月2日に投稿した記事を一部修正・再編集し、noteに再投稿したものです。内容は主に掲載当時のものです。

こんにちは。ゆうこりんです。
2018年11月25日(日)、スポーツ医学検定を受けてきました!

▲会場の大学の入り口には、スポーツ推進大使「ゆりーと」くんがいました

🤔「そういえば、学校でポスター見たことあるかも・・・」

😓「スポーツが好きだから興味はあるけど、スポーツ"医学"なんて、難しいんじゃないの?」

この記事を読んでいる方の中には、こんな風に思っている人もいるのではないでしょうか。私も職場に貼ってあるポスターを見て、以前よりずっと気になってました。

そこで、百聞は一見にしかず!

現役の整形外科ナースで米国アスレティックトレーナー資格も持つ私が、「スポーツ医学検定」を実際に受検した感想をこの記事にまとめました。

正直、思っていたほど簡単じゃなかったです(笑)。

スポーツ医学検定とは?

▲3級・2級に対応した公式テキスト

スポーツ医学検定」とは、一般の人を対象にした、身体のことやスポーツによるケガの知識を問う検定試験です。

この検定で得られた知識は、①ケガの予防、②ケガからの競技復帰、③競技力の向上に活かせます(公式サイトより引用)。

スポーツ医学の専門家やアスレティックトレーナーの資格取得を目指して特別に勉強している人でなくても、スポーツに関わる人であれば最低限知っておきたい知識を身に付けることができるのが、この「スポーツ医学検定」です。

実際に検定を受けてみて、スポーツの指導者や部活のマネージャーさん、スポーツを頑張るお子さんを持つ保護者の方、あるいは選手本人にもぜひオススメしたい!と感じる内容でした。

公式テキストは、簡潔でわかりやすいスポーツ医学の入門書

▲「スポーツ医学検定」公式テキスト

2018年11月に私が受検した当時は2級と3級のみでしたが、その後さらに上級者向けの1級のテキストが発売され、各級の検定試験が実施されています。2・3級は赤いタイトルのテキスト1冊に内容がまとめられており、青いタイトルのテキストが1級に対応しています。試験に申し込まなくても、Amazonなどからテキストだけを購入して自習することももちろん可能です。

テキストは要点がうまく整理されていて、とても読みやすいです。予備知識が全くなかったとしても、“すごくムズカシイ!”という感じはしないと思います。

▲「スポーツ医学検定」公式テキストの一部

個人的には、

  • ひとつの事柄が見開き1ページにまとまっている。

  • 図や写真が多くてイメージしやすい。

  • 解剖からしっかり理解できるように構成されている。

という点が特にいいなと思いました。

検定試験まで受ける予定はなくても、チームに1冊テキストを購入しておいて、誰でも読めるようにしておくというのもいいのではないかと思います。実際に日々診療にあたっている整形外科ドクターや理学療法士の先生方が執筆を担当されているので、最低限これだけはおさえておきたい!という要点がとてもわかりやすく説明されていて、テキストをひととおり読むだけでかなり基礎知識が身につくと思います。

「スポーツ医学検定」を受検してみよう

今回私は、スポーツ医学検定が募集していたモニターに選んでいただき、2級を受検することになりました(※2023年2月現在、モニター受検の募集はありません)。「SNSのフォロワーが200人以上いる人」という条件で、私はTwitter経由で応募し、当選のご連絡をいただきました。モニター受検に際して、公式テキストを1冊提供してくださり、受検料も免除していただきました。

実はこの2018年のモニター受検をきっかけに、一般社団法人日本スポーツ医学検定機構さんとは個人的にお仕事をさせていただくことになり、現在まで大変お世話になっております。

テキストを受け取ってすぐに、全体をざっくりと読んでみることにしました。文章の一部が赤字になっていて、赤シートがついているので覚えながら読むこともできます。暗記シート、懐かしいです。

大学院でスポーツ医学を専攻したとはいえ、オリンピックの歴史やドーピングの規定など暗記する内容もけっこう多く、スキマ時間も使いつつ頑張ってとにかく覚えました。解剖、ケガ、アスリハなどの項目は、テキストに書かれている解説を読んで理解を確認しながら、扱われているトピックについて整理していきました。

テキストはスポーツに関わるさまざまな知識が幅広く網羅されていてボリュームも多く、全体を通して何度も読み返しました。

本格的に試験前・暗記モードに入った検定試験の数日前に、ふと思いついて「スポ医検クイズ」をTwitterで投稿してみたところ、これがフォロワーの皆さんになかなか好評で、たくさんの反応をいただきました。テキストを読み込んでクイズにできそうな問いと回答の選択肢を考えることで、自分自身にとっても記憶の定着に大いに役立ちました。

本番でもTwitterで作ったクイズと同じような問題がいくつも出題されて、すごく得した気分でした笑。もっと前から毎日1問とかコツコツクイズやればよかった!と、ちょっと後悔するほどです。

この経験からも、何かを勉強するときに「出題範囲の中から自分でクイズと4択の選択肢を作ってみる」という勉強方法はとてもおすすめです。

スポーツ医学検定、受検当日!

▲東京有明医療大学で受検しました

当日はお昼に3級、そのあと15時ごろから2級の試験が行われました。1日で2級・3級の両方をまとめて受けることもできるそうです。私は2級のみだったので、会場到着もゆっくりでした。

会場は、受検番号によって3部屋にわかれていました。

本部の方からの情報によると、私が受検した同じ日に東京会場だけでも200人くらいの方が「スポーツ医学検定」を受検されていたそうです。

自分の番号の部屋に入ると、立ち歩いてる人やおしゃべりしてる人は誰もおらず、みんなテキストを真剣に読み込んで、シーーーンとしていました。

「ゆうて大丈夫やろ〜〜」くらいのノリで会場に着くまで全く緊張していなかった私も、教室に入った瞬間の異様にピリついた雰囲気にビビりはじめ、手汗がめっちゃ出てきました。。

同じ教室には、学生さんらしき若い人もいれば、白髪混じりの方もおられました。男性も女性も同じくらいの割合で受検されている印象でした。受検資格は特になく、誰でも受けることができるのがこの「スポーツ医学検定」の魅力です。身体のこと、運動のこと、それに関わるケガの予防や治療について学ぶことは、年齢や性別を問わず誰にとっても大切なことだと思います。

正直、思っていたよりもだいぶ難しかった

テキストの最後に練習問題がついてるんですが、テキストに載っている問題は正直ひとつも迷わず即答できるくらい簡単なんですよ。

だからぶっちゃけ、ちょっと舐めてました(笑)。

でも、本番は全然そんなんじゃなかったです。

特に2級は「当てはまるものをすべて選べ」みたいなものもあり、自信を持って解答できない問題がいくつかありました。

選択肢の文章も絶妙で、もちろんただ「覚えているかどうか」を問う単純な問題もありますが、全体的にテキストの赤字を丸暗記するだけで対応できるような試験ではありませんでした。

検定試験に合格するために勉強するのではなく、「現場で使える知識を身につけてほしい」という製作者の意図が強く感じられました。
(※2018年受検当時の感想です)

これから受検される方へ、ちょっとしたアドバイス

問題の冊子は持って帰れるし、解答速報は試験日の翌日くらいにすぐに発表されるのですが、結果を知るのが怖くてしばらく自己採点できませんでした(笑)。

この記事を書くために意を決して自己採点してみたところ・・・間違ってると思っていなかった問題が意外と間違っていたりしてました。焦ります。

合否の結果は数ヶ月後に郵送されてきます。
これは、もし基礎知識が全くないところから試験対策をするのであれば、かなりテキストを読み込ないと問題を解くのが難しいという印象です。

まず、解剖をしっかりと覚えるべし
公式テキストに載っている骨と筋肉、そのはたらきくらいは、パッと見て即答できるくらい暗記する必要があります。これはマストです。

体のどこにどんなはたらきをする組織があるかを知らずして、それらが損傷したときのケガのことや、そのケガに対する処置やリハビリの知識をつなげて理解するのは不可能でしょう。

  • 体のどこに、どんな名前の筋肉があるか

  • 体のどこに、どんな名前の骨があるか

  • その筋肉が収縮すると、どんな関節運動が起こるか

などについて、覚えるというか、「知って、理解する」のがポイントだと思います。公式テキストでも、ケガについて扱う前に骨や筋肉などに関する知識を紹介するという構成になっています。

あとは、少し前にも触れましたが「自分で問題を作ってみる」ことは特にスポーツ医学検定の試験対策としておすすめしたいです。

テキストの内容がまとまりすぎていて、どこが重要かもはやわかりづらい・・・というか、これだけ幅広いテーマをしっかり厳選した内容なので、もう全部重要です。テキスト全ページが出題範囲です!

なので、とにかくテキストに記載されている内容を記憶に定着させるために、あの手この手を使いましょう。もし一緒に受検する仲間がいれば、お互いにテキストを見ながら問題を出し合ったりするのもとても良さそうです。

私ももし「スポ医検クイズ」をやっていなかったら、テキストのあのへんに載ってたのは知ってるけど・・・あーなんて書いてあったんだっけ〜〜!となりそうな問題がいくつもありました。

まとめ

「スポーツ医学検定」は、スポーツに関わるどんな人にとっても、最低限知っておいて損はない身体のことやエクササイズ、ケガについての基礎知識を系統立てて理解し、身につけられるとてもよい検定試験です。

検定に合格することによって何らかの職業に就くための資格などにはなりませんが、自分の知識や理解がある一定の基準に達していることを客観的に評価できるものであり、これからも身体のことやスポーツのケガ予防に関する知識を深めていくための土台になります。

ぜひ多くの人に知っていただき、自分自身や自分の大切な人のコンディション管理やケガ予防に活用していただければ嬉しいです。

▲スポーツ医学検定の応援キャラクター、
「ハッスルスポケン」もよろしくね

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構さま、その節は貴重な機会をいただき本当にありがとうございました。

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