障害者が避難所に行けない現状

台風19号から2週間以上が経ちましたが、
未だに復旧が進んでいない状況も見られます。

そんな中、障害がある子どもを避難所に
連れて行くことを躊躇して自宅にとどまり、
土砂災害に遭った保護者の方のことがニュースになっていました。


この方は、宮城県に住んでいる保護者の方で、
お子さんが2人(中学生の長男:自閉症、長女:手足が不自由)と
両親と自宅にいたそうです

自閉症の長男は自室から出るのを拒み、長女は手足が不自由なことから
避難所への避難はやめたそうですが、
夜になり、裏山側の土砂が崩れ、自宅に押し寄せました。

命の危険を感じ、長女と母を町役場に避難させましたが、
長男は人が多い避難所に行けばパニックになるため、
父と長男の3人で自宅にとどまったそうです。

現在、自宅には土砂が入り、住める状態ではなく、
親戚宅に身を寄せたものの長居をできず、家を探したそうです。
とはいっても、なかなか望む物件は見つからず、
今も自宅と親戚宅を行き来しているようです。

長男の生活のリズムを崩さないように、
泥が混じる井戸水を風呂に入れて沸かし、長男を入浴させています。
自衛隊が設置した風呂は付き添いができないため諦めました。

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災害に備えてできることは準備しておくべきですが、
それでも限界があります。

2011年の東日本大震災では、障害者手帳を持つ人の死亡率は、
全住民の死亡率の2倍に上ったことがNHKの調査からわかっており、
それに備えて国は2013年に災害基本法を改正して、
各自治体に、高齢者や障害者などの“避難行動要支援者“を
把握するための名簿作成を義務づけています。

また、さらにその名簿をもとに、一人一人について、
具体的に支援者を決め、避難を支援するための“個別避難計画”を
つくることを推奨しています。

しかし、その取り組みは、なかなか進んでいないのが現状です。

災害と障害者の支援についても本格的に取り組んで行くことが
必要となっています。


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