【連載小説】  コネクト  #1

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〜はじまり〜

 何億光年先にある星々にもその知らせは届いていた。偏狭の星で、沢山の命が瞬時に無くなったのだ。

 誰もがその不穏なエネルギーを感じていた。一瞬目を離した隙に、我々の子供達がとんでもない事をしてしまったようだ。

 あそこは・・・地球。

 このまま放っておいたら、他の星にも悪い影響が出てしまう。現状が変わらなければ、自滅し兼ねない。

 何度も失敗を繰り返してきたが、もうやり直しはできない段階に来ている。今まで外から見守っていたが、もうそれでは限界があるようだ。

 しかしこの星には外から干渉してはならぬ決まりになっている。では・・・内側からだったら良いのではないか? この星の内部から働きかければ、助けられるかもしれない。これが最後のチャンスだ。ボランティアを募ろう。

 この星を救済するのだ。


ブルースター

 ここではみんなが誰かのために働いている。アオはこの仕事が大好きで誇りに思っているし、彼らが喜ぶ姿を見ることが僕の喜びでもある。

 アオたちはここより発展していない星の進歩を促すために遠隔透視をして助けを求める人を見つけ、テレパシーを送る事で助言などをしている。

 ほとんどの人たちが目の中に”小さなコンピュータ”を入れているから、遠くの場所がはっきり見える仕組みだ。元々透視能力が高い人は必要ないけど、みんなが正確に透視できるようにこの機能がある。

 使うのは自分の意思で選ぶ事ができるから、入れても入れなくてもいいけど、遠隔透視以外にも楽しい機能が沢山使えるから、ほとんどの人が大人になればこのコンピュータを取り入れる。

 彼らはアオたちのことを”天使”だとか”神様”と呼んでいて、一部のテレパシーを受け取れる人たちは、アオたちのことを”ナントカ星人”なんて呼んだりもする。

 好きに呼べばいいけど、アオたちは彼らのために最善を尽くして働いている「兄弟」ということだけは分かって欲しいと思っている。なぜなら辛い事があっても「神様に見放された!」なんて思わないで欲しいんだ。アオたちはいつだって、見守っているから。

 アオの担当は主に「地球」という星で、アオはこの星を見るのが大好きだ。だから仕事の時間以外も、地球を眺めるのが日課になっている。そんなアオを友人のノアはいつもからかっている。

「アオはまた地球を見てるの?」

 ノアが少し呆れたように言った。

「やあノア。そうだよ」

「みんな地球は面白いって言うけど、僕には分からないな。地球のどこがいいのさ?あんな野蛮な星!」

「ノア、地球は緑豊かな自然や、様々な動物がたくさんいるんだよ。それに、自由意志の星なんだ!」

 アオは恋でもしてるかのように、ロマンチックに説明した。

「その珍しい自由意志とやらが、地球の進歩をこじらせているんじゃないのかい?それに、僕らだって十分自由じゃないか!」

「そうだね。でも僕たちの自由とは全然違うんだよ。地球では、不自由さえも、自由に選べるんだ!」

「それのどこがいいってのさ?」

「もし不自由を体験できたら、きっと僕らが知っている自由が、ちっぽけに感じる気がしてね」

 アオは優しく笑い、そう答えた。遠くを眺めながら、どこまでも純粋で、疑いようのない目をしていた。

 ノアがゆっくり口を開いた。

「アオ、君はあの星がどれだけ残酷な場所か知らないんだよ!この前地球の担当だったから色々見たけど、同胞を殺したり、動物を食べるらしいよ。まるで、大昔の怪獣みたいじゃないか!僕が送るメッセージにも全然気がつかないし、僕たちと同じ知能がある生命体とは思えないね」

「確かにそうだけど、地球人は様々な感情を持っていて、それが興味深いんだよ」

「例えば、どんなところが?」

「悲しみという感情だよ。人と別れたり、辛い経験をすると、泣いたり落ち込んだりするんだ!」

「別れの何が悲しいの?僕たちはいつだって、繋がっているのに!」

「地球人は僕らみたいに”こうやって”テレパシーで会話は出来ないし、繋がりを感じる能力がないんだ」

「それのどこがいいってのさ?」

「もし別れの辛さを体験できたら、きっと僕らが知っている幸せが、ちっぽけに感じる気がしてね・・・」

 アオはまた、遠くを見ていた。

「お前って本当に、変なやつだよ。それはきっと、無い物ねだりだね」

 ノアが言うように、僕は地球の事を何も知らないから、興味が湧くのかもしれない。

 でもボクは一度行ってみたいんだ。あの美しい星、地球へ・・・。



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齋藤 優子 / こりん

長年続けた仕事をやめ、執筆/作曲/天然石販売を開始 過去にバンドのギターボーカル、退行催眠療法士、アカシックリーダー、チャネラー、SNSで情報配信等様々な経験を生かし、現在はクリエイターとして0から物作りを楽しんでます♩https://www.yukosaitoqhht.com/
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