マツダユーコ

5日間の休暇で世界のどこまで行かれるかをチャレンジし続ける会社員。写真撮影と海外一人旅…

マツダユーコ

5日間の休暇で世界のどこまで行かれるかをチャレンジし続ける会社員。写真撮影と海外一人旅が生き甲斐。 旅先で見た事、感じたことを綴っています。 Instagram:https://www.instagram.com/cell2512

最近の記事

補足 香港、サイバーパンクを求めて

前回はこちらから 私は記憶力に自信がない。 変なことはずっと脳味噌にこびりついているくせに肝心なことはスッポリ抜け落ちてしまうことがままある。 忘れまい、と思えば思うほどそのプレッシャーからかちょっとした拍子にポロリとどこかに落っことしてきてしまう、そんな感じだろうか。 そのくせ、時が経ってどうでも良くなった頃に急に思い出すものだからタチが悪い。 幼少の頃からずっとこんな感じで生きていたもので、すっかり自分の記憶力を信用できなくなって久しい。仕事でやらかすと後が大変なの

    • 続 香港、サイバーパンクを求めて

      前編はこちらから 旺角での夜、断片的に街に散らばったサイバーパンクの欠片を拾い集めた翌日、私は一つの場所でどう写真を撮るかを入念にイメージトレーニングをしていた。 場所は香港一の夜景スポットであるヴィクトリアピーク。 超王道を通り越してベタすぎる観光名所でどうやって自分の求める写真を撮影するか。ずっと考えを巡らせていた。 無論日中もそれなりに街歩きを楽しみつつ撮影は進めていたものの夜景のことを考えるといてもたってもいられなかった。 「ネットは広大だわ」 という有名なセ

      • 香港、サイバーパンクを求めて

        子供のころから映画が大好きだ。 そんな私が幼少の頃に何故かどハマりして何度も繰り返し見た映画がある。 「JM」だ。 キアヌ・リーブスと北野武が近未来を舞台にドンパチやる内容なのだが、正直そんなメジャーな映画ではないし、どういう経緯でその映画を知ったのかは全くの謎なのだが、とにかく背景の世界観にすっかり魅了されてしまい民放やWOWOWで放送がある度に幼い私はテレビに齧り付いていた。 しかしこれまた謎な事にそんなにどハマりしていたにも関わらず、何故か大人になった頃にはその部

        • ウズベキスタンの『ノン』

          新型コロナウィルスの影響で日常が大きく変わってしまった。 職場に通えなくなり、先行きも見えず。 健康や収入の不安と戦いながら自宅に篭る日が増えた。 鉄メンタルを持ち合わせていると自負していたものの流石に少しずつ気が滅入って来た中、Twitterでおもしろいハッシュタグを見つけた。 #コロナばっかりで気が滅入るからノンの画像をアップしようぜ 「ノン」とは中央アジアで広く食される硬くて大きなパンのことで「ナン」と呼ばれていたりもする。 「ナン」というとインドカレーとセットにな

        補足 香港、サイバーパンクを求めて

          カンボジア美人はマーケットで花開く 〜シェムリアップ〜

          化粧が好きだ。 デパートでメイクコーナーを素通りすることができない。つい寄り道してしまうし、美容系インフルエンサーのメイク動画を暇さえあれば見てしまう。 私にとってメイクをすることは武装するのと同じで、外の世界に飛び出す際の一種の起爆剤となっている。 子供の頃から人一倍容姿にコンプレックスを持っていた自分が世の中で普通に過ごす為には必要不可欠なツールであり、毎朝の化粧の時間は自分と向かい合う大切な儀式のようなひと時なのである。 そして私は他人のメイクを見るのも大好きだ。綺

          カンボジア美人はマーケットで花開く 〜シェムリアップ〜

          孤独と食 〜海外一人飯〜

          「一人で旅行ばっかりして寂しくないの?」 「友達と行こうとか思わないの?」 「え、そこって一人で行く場所??」 実際に今まで言われたことがある言葉たちである。 言われすぎてその都度旅の目的を説明するのも億劫になってきてしまった。 私の言い分はこうだ。 「写真を撮影したくて旅行している。ツアーには基本参加しないで自分の足で歩き回って見たものを撮っていきたい。」 「写真撮影が最優先なので観光名所に行かない時もあるし、ロケハン後に2時間以上その場所で条件が整うまで粘ることが

          孤独と食 〜海外一人飯〜

          旅と雨

          雨が降ることがある。 旅先で、雨。 雨季とか、スコールとか、たまたま天気が悪かったりとか。 天気予報を見て予め雨が降ると知ったところで旅をキャンセルなんて考えられない。 必ず晴れる訳ではないのはわかっているけど、雨って少し大変。 濡れないようカメラをかばいながら慣れぬ土地を歩き回らねばならない。 ちょっとめんどくさい。 傘を持ってカメラを構えるとどうしてもワンテンポ、シャッターを切るのが遅れてしまったり。 そんな時はひたすらノンビリするに限る。 何にも縛られない、一人

          ガネーシャに、お願い! 〜ネパール〜

          ガネーシャ。象の姿をした神様。 シヴァ、ブラフマー、ヴィシュヌ等々数あるヒンドゥ教の神様達の中でも群を抜いて有名かと思われるガネーシャ。 恐らくヒンドゥ教をよく知らない人でも名前やその姿を知っている人はかなり多いのではなかろうか。夢を叶えるゾウ、などというキャッチフレーズもそこそこ有名だ。事実、富を司る神様である。 そしてそんな有名なガネーシャの姿はネパールはカトマンズでも当然至る所で見かけることになる。石造りだったり、カラフルに彩色されていたり、金ぴかだったり。 像だっ

          ガネーシャに、お願い! 〜ネパール〜

          恋人たちの淡水、夕暮れ。~台湾~

          「リア充爆発しろ」 今や死語になってしまい、めっきり目にする機会が減ってしまった言葉。 最近では他人を祝福する際に「末永く幸せに暮らせ」という全くの反対語としてかろうじて機能しているこの言葉がまだ本来の意味を以て使われていた頃の話をしよう。 台湾を訪れた時のことだ。 真夏の台湾、淡水。私は最高にイライラしていた。 見渡せば辺り一面のカップル、カップル、カップル。 老いも若きも、皆ペアになって仲睦まじく佇んでいる。 前年の冬、クリスマスを目前に控えたある日、私は当時交際し

          恋人たちの淡水、夕暮れ。~台湾~

          蘇州、翡翠の腕輪をめぐる戦いと教訓 ~中国~

          十数年ほど前、会社に勤めて初めての夏。初めての単独での海外旅行。 ここで経験したことが良い教訓として今日まで活かされているので振り返ってみようと思う。 水の都、東洋のヴェネツィア、蘇州。 自分一人で考え、思うように行動するという自由をこの地で噛み締めていた。自分で稼いだお金で、自分だけの時間を買っているのだ。 うだるような暑さの中、上海から車で3時間程。蘇州の美しくのどかな風景は新入社員のプレッシャーを忘れさせてくれるには十分だった。 入社と同時に写真を始めて数ヶ月、

          蘇州、翡翠の腕輪をめぐる戦いと教訓 ~中国~

          虚構と現実、番組のヤラセ疑惑とアフラシャブ号 〜ウズベキスタン〜

          先日、某人気旅番組のヤラセが発覚し、調査終了まで同番組の放送が休止されると発表があった。 秘境や危険が伴う場所のような通常の旅行では中々行かないところをクローズアップしていくスタイルがお気に入りだったので残念ではあったものの心の中では 「まあ、そんなもんだろうな」 という諦めにも近い、投げやりな思いがあった。同時に、ウズベキスタンで経験したことを思い出したので今回はその事を記していこうと思う。 2018年夏、私はウズベキスタンを訪れることを決意した。 目的地はサマルカン

          虚構と現実、番組のヤラセ疑惑とアフラシャブ号 〜ウズベキスタン〜

          モンゴル、短い夏と生命の輝き 〜草原編②〜

          前編はこちら https://note.mu/yukomatsuda/n/nf4de9d5facf5 早朝の思わぬ訪問から数時間。相変わらず特にやる事もなくゆるゆると時間が経過していた。林からは止むことなくカッコーの声が響いてくる。 一晩中鳴いていたのだろうか。景色を眺めながら朝食を摂り、ボンヤリとそんなことを考えていた。 決してこの緩やかな時間の過ごし方が悪い訳では無いのだが、少々気分転換がしたかった。 あまりにも色々な考えが浮かびすぎる。アクティブに動いてみたい。 な

          モンゴル、短い夏と生命の輝き 〜草原編②〜

          モンゴル、短い夏と生命の輝き 〜草原編〜

          先日5泊6日でモンゴルへ行ってきた。 今回の旅行は完全に思いつきで、自分の中に溜まった色んなものを一度スッキリさせるために広大な草原にでも行ってみるか、という軽い気持ちで決めた旅行だった。丁度ナーダムが開催される日程で休暇が取れたのも運というものだろう。 結局、機中1泊/草原のゲルで2泊/ウランバートルで2泊、というスケジュールに落ち着き、草原でのゲル生活体験から私のモンゴル旅行はスタートした。   早朝のウランバートルから車で飛ばす事2時間、テレルジ国立公園内のツーリス

          モンゴル、短い夏と生命の輝き 〜草原編〜

          ミャンマーは足の裏で感じろ

          旅先で感じるものはとても多い。 気温、音、匂い、味…などなど。 その中で特に印象に残っているのがミャンマーでの足の裏の感触である。 実際に触れる事でダイレクトに自分に伝わってくるものは多いが足の裏から入ってくる情報というのはミャンマーで初めて経験をした。 ミャンマーはとても敬虔な仏教国である。 当然大小さまざまな寺院が数多くある中で独特のルールとして「寺院内は必ず裸足」というものがある。そのルールは結構細かく、靴下の着用もNGという徹底ぶりだ。 初めてその情報を耳にした時は

          ミャンマーは足の裏で感じろ

          バックパッカーではないという事

          単独で海外旅行をするのが生き甲斐だ、というと高確率で 「バックパッカー!素敵ですね!!」 と言われる。でも残念ながら私は純粋なバックパッカーではない。 今日はそんな話をしてみようと思う。 海外旅行が好きだ。 三度の飯より好きだ。だが、そんなに頻繁には行かれない。 何故なら私の置かれている境遇がサービス業を生業とする会社の正社員だからだ。 尚且つ社内には未だに古風な「労働こそが美徳である」という暗黙のルールのような空気が根深く残っている。昨今の働き方改革で大分マシにはなったが

          バックパッカーではないという事

          はじめに

          旅が好きだ。三度の飯より旅が好き。 旅行好きの人なんてこの世の中にごまんと居る中で自分の見てきたことや感じた事を発信してみたい、誰かに知ってもらいたい。 そんな気持ちがずっと胸の内にくすぶり続けたまま10年以上が経過してしまった。日の目を見る事なく電子記号のままの撮り溜めた写真達。飲み会の鉄板ネタとして消費するだけの体験談。 ここに記すことで誰かの役に立てたらいい。面白いと思ってもらえたら良い。自分が見た景色・色彩を写真を通して感じて貰いたい。 会社員としての自分から一