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読書ノート「甘えの構造」を読みながら

2016.03.12 sat. 

かつてのベストセラー(土井健郎)だけど、ふむふむ、読み返す意味はあるよね。ここには、日本人に特有とされる外国への好奇心が綴られている。中国朝鮮を、南蛮文化を、西欧を、いまはアジアを? 憧れて見てみたい体験してみたいと思う欲求。それは中華思想が外国文化を蔑視するのに対し、日本ではマイナスに触れた場合には軽蔑ではなく「恐怖」が先行する、という指摘。たしかに人懐っこく甘えていく猫みたいに、ちょっと恐れながらも「見てみたい」感が強い。

私の最長の海外滞在はたったの3か月。それも「米国人アーティストのアシスタントを10時〜18時(途中1時間休憩あり)で週5行う」というものだったから、ペースは一定しており「外国にただ放り出されて、自分の過ごし方を日々探らねばならない」という体験からは程遠い安定感があった。それでも日本社会から遠く離れた「プライバシー」と「パブリック」の考え方を、拙い聞き取り能力で推し量りながら自分の行動を決める体験は、とても勉強になったと思う。

その後、私は日本社会の「過酷さ」に添えないと感じて、あえてしっかり身の回りに恵まれた環境に「甘える」ことで、最悪の破綻を避けようとしてきたのだが、その代償に思考能力の劣化を招いている。が、直観力は上がったのかもしれない。性急に言葉にするのはいい考えでない気がするので、ゆっくりと随時編集していこう。

2016.03.13 sun.

土居先生に言わせると「相手をなめてかかる」「相手を呑んでかかる」「こだわる」「気兼ねする」などなど。。。あらゆる日本語がいわば「甘えシステム」の上にのっかっていて、すべて「甘えメソッド」で説明できちゃう勢いなので正直眉唾な部分もあるけど、ベストセラーを読みとばすようにではなく、いちいち身の回りのケースに当てはめてじくじく読んでいくと、よいような気がしてる。

2016.03.14 mon.

謝る、というのも甘えに直結してる気がする。日本企業は謝りを大安売りするーー人身事故でダイヤが乱れたJRや各種テレアポやーー言葉上謝れば許してもらえるという甘え。しっかりした人ほど、口癖のように「すみません」て言わない気がする。

2016.03.22

「ちゃんとしないと気がすまない」のが、日本の作物のクォリティを保っているのだけど、いつしか仕事の結果ではなく「気がすまない」からとどんどん突き詰めていってしまうこと。手段と目的の倒置のように。すると、まるで強迫神経症のように、つねに「仕事しつづける>結果のない打ち続く働きつづける現在」を過ごしつづけることになりはしないか? ということ。「甘え」よりも「気」について書かれている部分がやっぱり面白い。

2016.03.27

相手を甘やかすと、相手はむしろ甘えられなくなる。甘やかす方が相手に甘える関係になってしまうので「正常な甘え」が機能しなくなる。。。確かに。本日読了し、図書館に返却。



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