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真言密教用語(基礎編)

・朝勧行(あさごんぎょう):毎朝お寺で行われているお勤め。修行と祈りを目的としている。お経を読み、声明を唱える。

・声明(しょうみょう):メロディーがついたお経のこと。

・大日如来(だいにちにょらい):あらゆる仏の中で最高の仏様。大宇宙そのもの。全てのものは大日如来の化身と考える。「胎蔵界大日如来」「金剛界大日如来」という2種類の大日如来が存在する。

・釈迦(しゃか):仏教の開祖であるお釈迦様。ブッダ。

・弘法大師(こうぼうだいし):空海のこと。平安時代の僧。31歳で遣唐使船に乗り、恵果阿闍梨から短期間で真言密教の全てを受け継ぎ、真言宗の開祖となる。816年、嵯峨天皇より高野山を賜り、高野山を開いた。

・高野山(こうやさん):真言密教の霊場。奥之院御廟、壇上伽藍という二大聖地、高野山真言宗約4,000ヶ寺の総本山である総本山金剛峯寺、その塔頭寺院約50のお寺が存在する。

・功徳(くどく):善行を積むと得られる神仏の恵みや報い。神仏から与えられるご利益。

・サンスクリット語:古代から中世、インドや東南アジアで広く使われていた言語。それを文字にしたものが梵字。日本では、梵字の一字一字に霊力があると信じられている。

・真言(しんごん):梵語の音をそのまま音写したもの。

・密教(みっきょう):秘密の仏教。書物を使わずに口伝で伝わって来たため。

・真言密教(しんごんみっきょう):東密。弘法大師(空海)が伝えた。

・天台密教(てんだいみっきょう):台密。伝教大師(最澄)が伝えた。

・お経(おきょう):お釈迦様の教えを後世に残すため、弟子たちによってまとめられたもの。三蔵と言う3種の仏典からなる。①お釈迦様の教えをまとめた「経」②僧侶の規律や道徳をまとめた「律」③それらの注釈・解釈をまとめた「論」。日本に伝来したのは飛鳥時代。当初は貴族だけのもの。慶安時代に空海や最澄によって全国の庶民に広がった。インドから中国に伝わり、大蔵経、一切経と言う名前で一つにまとめられた。日本に伝来して様々な宗派が生まれ、宗派ごとに唱える経典が定められていった。例えば、奈良時代の華厳宗は華厳経、平安時代の天台宗は、法華経。共通で読まれる般若心経は、真言宗・天台宗・臨済宗・曹洞宗などで唱えられている。

*高野山で唱えられるお経:般若理趣経、般若心経、観音経、金剛界禮懺、胎蔵界禮懺、梵網経など
*陀羅尼(だらに):梵語の音のまま読むお経
*真言:それを短くしたお経
*和讃(わさん):日本語に訳されたお経

・般若心経(はんにゃしんぎょう):大般若経600巻のエッセンスを300文字に凝縮したもの。仏教の根本的な考えである「ものには実体がない」と言う「空」を説くお経。(「空」ー世の中の全ての欲望や所有物を「ない」=「空」方が良いと、否定している)

・般若理趣経(はんにゃりしゅきょう):それまでの経典で否定していた人間の欲望や煩悩までも本来は清らかな菩薩の境地であると書かれている。今までの善悪業も理趣経を毎日読むことによって浄化される。欲は捨てずに持ちなさいと説く。この欲は、自分のための欲ではなく、社会全体のための欲「大欲」。全ての人々の欲を肯定した上で、個人の欲さえも社会全体への欲と変化させていく。

・仏像:4つのグループに分かれている。

1、「如来」(にょらい):修行を完了させて悟りを開いた一番位の高い仏様。釈迦如来、大日如来、阿弥陀如来など

2、「菩薩」(ぼさつ):悟りを求めて修行し、如来を補佐して人々を救う仏様。観世音菩薩、弥勒菩薩、普賢菩薩など

3、「明王」(みょうおう):密教の守り神であり悪を降伏して人々を導く仏様。不動明王、愛染明王、孔雀明王など

4、「天」(てん):仏教の守護神であり、人々を救う仏様。毘沙門天、弁財天、吉祥天、歓喜天など

・即身成仏(そくしんじょうぶつ):弘法大師が伝えた。気の遠くなるような修行を重ねて仏に「成る」のではなく、すぐにでも仏に「成れる」自分を知ると言う教え。

・三密加持(さんみつかじ):即身成仏するために必要な修行。手に「印」を結び、口に「真言」を唱え、心を「三磨地(さんまじ)」=平穏に保つ。

・阿字観(あじかん):密教の瞑想法。無になることを目的とする禅宗の座禅とは違い、大日如来=宇宙をイメージし、自分が宇宙と一体になるための瞑想法。法界定印を結び、大日如来の一字の真言を唱えて心を落ち着かせるとすぐに仏になれる。

・入定(にゅうじょう):断食修行後瞑想をしながら仏になること。空海は835年に入定した。今も高野山奥之院御廟で生きて私たちを見守っていらっしゃる。

・壇上伽藍(だんじょうがらん):1200年前、空海が真言密教の修行道場としてます最初に建てた小さなお堂からはじまる。現在は金堂、根本大塔、御社、西塔、東塔、不動堂などからなる。

・金剛峯寺(こんごうぶじ):弘法大師御廟を信仰の中心として結成された高野山真言宗4,000ヶ寺、信徒1,000万人の総本山。1593年豊臣秀吉が母親の菩提を弔うために寄進した青巖寺(せいがんじ)が前身。1871年(明治元年)に金剛峯寺に改号。空海の直弟子真然大徳を祀る真然廟(しんぜんびょう)や、国内最大級の石庭蟠龍庭(ばんりゅうてい)などが点在する。



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