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先に相手を気持ちよくさせることは、「負け」ではない


I love Japanese OMOTENASHI mind......

私は感動して泣きそうにすらなった。

そう、日本の「おもてなし」マインドに。

正確に言えばそれは「おもてなし」マインドというよりも、

「丁寧なカスタマーサービス」

アメリカでも最近はコールセンターが丁寧に対応してくれるシーンもあるような気もするけれども、やはり日本語の綺麗な言葉で気遣い充分に丁寧に対応してもらえると本当に気持ちが良い。

というのは昨日、ANAのトールフリーに電話して

マイルで日本とアメリカ往復チケットを手配して欲しい

赤ちゃんがいるのでバシネット手配して欲しい

この2点をお願いした。

「この時間は日本のセンターにつながります」とアナウンスが流れてすぐ神対応してくれた男性がとても気持ちの良い声で「お電話ありがとうございます、ANAなんとかサービス、担当の○○でございます」とデフォルトのあいさつをしてくれる。

その後「おはようございます、よろしくお願いします」と言うと、「おはようございます、こちらこそよろしくお願いいたします」だってさ!!! なんという復唱されるこの気持ちよさよ!!!(笑)

対応してくれた男性は始終私に○○(苗字)様、と呼びかけ、私の打つ相槌にすらもいちいち相槌を返してくれる。

とても丁寧なので、こちらもしっかり聞いているよ、という意思表示のために相槌を打ちたいけれども、お互いハイハイハイハイ相槌をうちあい、なんならかぶって、あ、すみません、どうぞどうぞ先に相槌を打ってくださいませ、なんて言われそうなほどだったので(実際ハイハイハイハイ相槌がかぶった時に「失礼しました」と言われたぞ笑)途中から静かに黙っていたくらい(笑)

うちからアクセスできる空港は2つ。サンノゼとサンフランシスコの空港だ。なので希望日前後数日の2つの空港での空き状況を調べてもらったのだが、嫌な声も出さずに、私が「お手数おかけします。ありがとうございます。」と言うと、「いえいえ、とんでもないことでございます」だってさ!!!!!!!!!!!!OMG!!!!!

「とんでもないことでございます」

なんかそう言われて、、、、私は、、、気持ちよくなった(笑)

更に、この方の神対応で私が本当に気持ちが良くなったのは’この後だ。

ANAに電話をする前、実はまだ日本側で迎えに来てもらう母親とも調整が済んでおらず、とりあえず空いてるか聞いてみよ♪なんていう(迷惑な)気持ちでいたのだ。

なので、お日にちで空き状況お調べいたします、ご希望の日はいかがいたしますか、、、なんて始まってしまって、電話のこちら側で私と夫はもにょもにょしだす。

ありますよね、電話を受ける側の時、相談を受ける側の時、指示を受ける側の時、

「お前ら、きちんと希望や聞きたいことをまとめてから来いや」

っていう時。

まさにそれです(笑)めんどくせえ客になってしまいました(笑)

なのでANAの方から、こちらとこちらが空いていて、こっちだとバシネットが3人席の真ん中になってしまって、こっちの空港だと空きがまだ十分にあって、、、などなどいくつかオプションを提示された時にすんなり往路も復路も日付を決めることができなかった。え、どうするどうする、と電話のこちら側で相談してもにょもにょし、ANAのお兄さんを待たせる私。

今思えば、対応してくれた方は見かねたのかもしれませんが、ものすごーく絶妙な神タイミングで、

「大丈夫ですよ、仮予約ですので今から72時間以内でしたら変更可能ですし、発券後でも日付変更可能でございます。なのでひとまずお席を押さえておいてはいかがでしょうか?」

と助け船を!!!!!!

もう、ものすごーーーーーーーーーーく気持ちが良かった(*´ω`*)

なんというか、助け船を出すタイミングが本当によかったことと、言葉遣いが非常に丁寧、「とんでもないことでございます」と本当に思っている感じのちょうど良く気持ちの良い声のトーンとテンポ。

私は思わず

「えー!!そうなんだ!嬉しい!○○さん(ANAのお兄さんの名前)、かゆいところに手が届くというか、ものすごく気持ちいいサービスを本当にありがとうございますっ!!!!」

と涙目になりながら叫んでいた笑

その後も私が「あ、変更の手数料は?仮予約発見期限いつまで?」など、少し疑問に思って質問しようとしたその瞬間、向こうから先手で案内され、私が欲しかった情報を教えてもらえるというスムーズさ!

ABSOLUTELY NO STRESS!!!!!

ANAのこの神対応お兄さんの誘導で、ひとまず仮予約を済ませ、日本の家族と日程確認してから発券してもらう手筈となった。

すべて終わり、電話を切る時さみしくなった。

「本当にありがとうございました!夜勤明けじゃなかったですか?(日本時間8時とかだったので、コールセンターだしもしかしたら夜勤上がる前の最後の電話でめんどくさい私に付き合ってくれたのかなと思った)本当に助かりました。丁寧に対応していただいてとても嬉しかったです。よい一日を」

と言うようなことを興奮して伝えた。

自分で言いながら、丁寧に対応していただいた感動でありがたくって嬉しくって、目がうるうるしてきた笑

朗らかな声で、先ほど出社したところです、○○様(私のこと)もよい夜を、と言われた。

なんか、泣けたよ、、、

彼がしてくれたことは「航空券の手配」以上の意味が私にはあった。

3年ほどぶりになる私の日本帰国。さらに今回は生後2か月となる赤ちゃんと2人旅。不安と期待がある中で、彼にチケットを手配してもらえて本当によかった。これで私がもにょもにょ悩んでいる時に塩対応されていたら、「もう結構です!」とJALにしていたかもしれない(笑)

本当に嬉しかった。

なんならここで、名前出して褒めたたえたいくらいだけど、そんなことしたらみんな予約手配時に彼を指名し、彼に迷惑がかかるかもしれない(笑)

ちなみに彼のすごさが浮き彫りになったのは、日本側とも調整し、さあ発券してもらおうと再度電話した時のお姉さんの対応が「普通」で少しがっかりしたから(笑)多分あれが普通なんだろう。普通にやってもらったのだけれど、何か物足りなかった。

今日ここで何が言いたいかというと、

先にやさしさを出すことは負けることではない、ということ。

むしろ先に折れたり、優しくしたり、丁寧にしてあげるということは相手をうまいこと転がして、自分が主導権を取れるということでもある。

最近↑の本を読んだのだけれど、これがものすごくわかりやすくて面白かった。著者のThesisは、

「男というものは女にうまいこと転がしてもらいたいと思っている。うまくおだてて、あれやって、これやって、と指示してもらえれば喜んでその通りにしますよ。だから女性たちよ、夫に先にやさしくすることは”負け”ではないんですよ。うまく夫を転がしてあげてね」

ディズニーランドでモンスターカスタマーになる人は少ない、ガミガミ怒り出す人も少ないと聞いたことがあるような気がする。そりゃそうだろう。あれだけ「OMOTENASHI」マインドで全力で夢を与えようとしてくるやさしい場所で怒る気にはあまりならないよね。

仕事でも、私がANAの方にしていただいたように、先手先手で丁寧に対応していただけると、もう感謝しかない。「OMOTENASHI」マインドで相手に接すると苦情防止にも良し。

つまり、「勝とうとしない・相手より優位に立とうとしない・先にやさしさを出す」ことで無駄な争いを回避し、あたたかい気持ちの交換につながる。

しかし夫婦だとか親しい関係になると、「勝ち負け」精神が出てきちゃう。

例えば、あたしばっかり家事して、あの男は仕事から帰ってきてもゴロゴロして何も手伝ってくれない、ムカつくしイライラするから無視しよう、どうしてあたしがやさしくしてやらねばならないのよ、

とぷりぷりしていると、夫もその気配を感じ取り

あいつ感じ悪いな、めんどくせ。めんどくさい女は放っておくのが一番だ、関わらないようにしよう

と何もせず、悪循環にハマりこみ、この夫婦のお互いへのモヤモヤは解消されないままだ。


どっちも「どうしてこっちが折れなきゃいけないんだ」って思ってる。

つまり「あいつになんか負けてたまるか」って思ってる。



でも本当は、「先にやさしくしたほうが”勝ち”」なんだ。


私は、ANAのお兄さんに気持ちよくされて、うまいこと転がされて、お兄さんの言うがままだった。お兄さんは「下手」に出ながら、完全に会話の主導権を握っていた。プロだった。

めんどくさい相手、仲良くしていたい相手、好きな人、大切な人には「なんで私が、、、」と思わず、気遣いややさしさを先出しして。

先に気持ちよくしてあげて。

そうすればお互いあたたかい気持ちになって、本当に気持ちがいいから。

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