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日本の「ゆとり教育」は本当に失敗だったのか?


失敗に終わったといわれる「ゆとり教育」だが、果たして本当にそうだったのか。
私の個人的な意見だが、「ゆとり教育」自体が問題だったのではなく、「ゆとり教育」というものを誰もきちんと理解しないまま、上辺だけ取り入れてしまったことが要因だったのではないかと考えている。

そもそも「詰め込み教育」しか知らない世代が作った「ゆとり教育」である。大成功を収めるほうが奇跡だったのではないだろうか。


私の住んでいるドイツの教育は、究極の「ゆとり教育」である。
海外に長く住み、さまざまな環境で育ってきた人たちと接し、自らもこの地で子育てをしている私でさえ、その「ゆとり教育」を受け入れるには時間がかかった。
それほどまでも、私たちの受けてきた教育というものは、強く私たちに影響を与えているのだ。日本で生活している教師たちにとって、「ゆとり教育」というものが何なのか、理解していた人がどのくらいいるのだろう。

【「ゆとり教育」が失敗だったといわれる理由として考えられるもの】
①「ゆとり教育」を教える側が「詰め込み教育」しか知らなかった
・アクティブラーニング、考える力、生きる力に対しての認識不足
・授業時間の減少や学習内容の削減など、アウトプットを増やすことよりもインプットを減らすことに焦点をあてた
・ゆとりの時間から、考える力を育てるには、教師がうまく問いかけ、引き出していく能力が必要にもかかわらず、それらの教師たちを教育できる人がいなかった

②「ゆとり教育」には時間がかかる
・考える力を育てるには時間がかかる
・偏差値のようにすぐには結果が出ない
・「ゆとり教育」の成果が出ることを急ぎ過ぎたのではないか

インターネットの普及により、知識というものが無料で、簡単に手に入るようになった昨今、教育のあり方も変わっていく必要があるはずだ。
私は決して、ドイツの教育が良く、日本の教育が悪いといっている訳ではない。
どの国の教育にも、長所と短所があるのは当然である。
しかしながら、日本とはまったく異なるドイツの教育を知ることにより、日本の教育に足りない部分が見えてくるのではないかと思っている。
ひとりひとりが気づくことの積み重ねによって、社会は変化していけるはずだ。
この動画が、そのきっかけのひとつになれば幸いである。

【動画視聴者さまからのご感想】
・教育の原点は家庭とのことで、それに合わせた教育システム(残業が少ないとかないとか)だから、うまくいっているのだと思う。日本はどう
なるかなぁ。。。全く読めません。
・日本のゆとり教育が「うまくいかなかった」のは先生や学校現場が追いついていなかったのと、時間を十分にかけられなかった。(「うまくいかなかった」のは)結局学力テストの結果で判断している。本当の学力とは?の議論が抜けていた。
・10 歳で将来を決めなくてはいけない文化に驚いた。
・ドイツは教育の責任を家庭メインにしていること、進路選択の早さ(が興味深かった)。
・早い段階でゴールを設定、見極める事は大変重要で、日本の教育でも必要と感じました。
・日本でゆとり教育がうまくいかなかったのは、日本人には自主性を育む文化があまりないからだと思います。結果教える中身が減るだけになってしまったのではないかと…。
・日本では親は詰め込み教育を受けてきたので、ゆとり教育を急にしようと思っても、受け入れられなかったのかな?と思いました。学校に学業を全てまかせきりにしてしまう親も多く、ドイツのように家庭での学び、親も子供の成長に関わるべき。
・ドイツは社会が成熟していると思っていたのですが、このような教育システムに基づくからなんだと知りました。シビアですねー。
・ゆとり教育の利点、欠点を考える機会となった。「考える力」をもっと日本人が持つには心の余裕、時間の余裕が必要だと思った。

今回の動画は「English Teachers Association of Japan」2018年のコンベンションで発表したものである。
来月開催の復習勉強会では、コンベンションの復習勉強会が行われる。
【復習勉強会】
日時:2018年9月30日(日) 日本時間9時から10時
場所:ZOOMによるオンライン
費用:一般参加者30ドル(ETAJ会員無料)
参加申し込みはこちらから。

※動画視聴は有料ゾーンにて、YouTube限定公開。

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