Xデザイン学校ベーシックコース 第二回 ブートキャンプ

第二回のテーマはオブザベーション(観察法)。
ユーザーの行動を観察し、問題発見を行うというものです。

「インタビューではほとんどなにもわからない」

インタビューはユーザー調査でよく行われるイメージがあったので、ものすごく衝撃的でした。
これは人間の脳は辛いことを忘れるようにできているからです。
このため、回顧法でのインタビューでは、ユーザーはほとんど本当のことを言えないのです。

山登りの道中で「もう2度と登らないぞ!」と心に誓っても、頂上で綺麗な景色を見ると登ってよかったと思えてしまう。日が経つと、辛かったことを忘れて良い記憶だけが残る。そして、翌年にはまた登りに行ってしまう。

ここで印象的だったのが、道中の辛い体験が頂上に着いた時点で既に変化しているということです。
景色=辛いことを乗り越えたからこそ得られるもの
を得た瞬間に、道中の記憶が「良い体験の原因」に変わっているのです。
逆に頂上の景色が期待外れだった場合は「あんなに辛い道だったのに、景色が良くなかった」という「悪い体験の原因」となります。

一連の行動のどこに問題があるのかを探るには、一つ一つの過程で被験者から聞き取りを行ったり、行動観察で客観的なデータを集める必要があります。

物事の本質を見つけるために

今回のワークショップは「ゼリーの新パッケージを議案する」という内容でした。
チーム内で被験者を決め、ゼリーを食べる様子の行動観察を行います。それを3回繰り返し、そこから得たデータから問題や原因を探っていきました。

ここでやってしまった失敗が、「製品の粗探しをしてしまう」ということです。議案のテーマは「ユーザーに新しい体験を与えるような」パッケージ。
考えないといけないのは、ゼリーを食べるという行為の「本質」はなにかということでした。

蓋が開けにくいとか、最後の残りが食べにくいとか。つい目がいくこれらの問題は、UIの問題であって、ゼリーを食べるという体験の本質に関わるものではありません。

それよりも、なぜゼリーを食べるのか。どういうときに食べるのか。
ゼリーを食べるという体験をユーザーが喜ぶ理由をきちんと見つけることが、大切だったのだと振り返って考えます。

そして、その理由を見つけるには「モノではなく人をみる」ということが欠かせないことに気づきました。

モノをみるのは「UIデザインの視点
ヒトをみるのが「UX(ユーザー体験)の視点」

浅野先生が何度もおっしゃっていたモノではなく人をみるということの重要性に気づき、同時にその難しさも実感しました。今まで、自分はずっとモノの視点で見ていたんですね…!ヒトの目線で物事をみる練習をして行こうと思います。

浅野先生、チームのみなさん、ありがとうございました。
次回からもよろしくお願いいたします!

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