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あの日


21日、高齢者施設でパステルシャインアートの教室を開き、参加者と曼荼羅アートを描いた。手法と共に曼荼羅に関するミニ知識も追加した。曼荼羅に関連して曼荼羅シートの話をする時に結婚発表をした大谷翔平選手の書いた内容も話した。メンバーは皆彼のファン。楽しそうだった。
バブルがはじけて日本が低迷した時代に育ち高校時代に書いたシートの内容を飽くことなく実践してきたと聞く。60代の参加者が目を輝かせて私の話を聞いてくれるのはひとえに大谷選手の努力を皆知っているからだろう。
次の22日、東証の終値は39,098円68銭で34年ぶりにバブル期の最高値を越えて引けた。34年前は東京で会社経営者だった。あの時、今はS省、当時はY省で明らかに私より若い役人と向かい合っていた。
「この見積もり受け取れませんね」と彼。続けて「悪いんですがこの3倍の金額で出して下さいよ」。
はは~、これだなとすぐにわかった。でも「作り直しましょう」と即答するのは不本意だった。「御社、チャンスですよ。儲かりますよ」と畳みかけられる。私の会社に発注したいと顔に書いてある。後日ほんの少し増した見積書を出して仕事を頂いた。在宅勤務する女性スタッフに抱え、子供が学校から帰宅したら“お帰り”と出迎えることが出来るように。食卓で宿題をする子供と作業チェック(データ作成の仕事をする会社だから)が出来れば、という思いがあって、適正な金額で質のいい仕事をして子供に恥じないようにとお題目を唱えていた私。景気がいいからと一回の食事でどんぶり3杯もご飯は食べないのに、と思ったこの仕事は今でも胃のどこかにひっかかっている。
そして2月から3月へ、大谷選手のオープン戦活躍や訳の分からない政治倫理審査会、能登で被災した高齢者を映したTV画面に慄然とした。凛々しいドジャースのユニフォーム、誂えたであろう体にあったスーツ姿の政治家、被災して金沢に避難したが田植えの準備をすると能登に帰ったお世辞にも高級服を着ておられない高齢の男性。避難先で食事して新聞読んでお昼寝するより米を作るのだという言葉に力があった。
額に汗して、野球で結果を出そうとトレーニングし、田をおこし美味しい米を作ろうとする背中に冷や汗はないだろう。
これからエーアイの時代になるから半導体の需要は時代をけん引するとマスコミは騒ぐ。エーアイには使う人によるとはいえ、90年代のようなおかしな予算には導かないようにと願う。政治家は額に汗して現状把握し、今後の1年後、3年後の社会を曼荼羅シートに描き予算を組み立てて欲しい。またあの時と同じような役人が出てこないように。こう考えるって老婆心?

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