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小児科医がプチプラについて思うこと

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

今日は、「小児科医がプチプラについて思うこと」というテーマでお話ししたいと思います。

あなたは、プチプラって言葉を知ってますか?プチプラというのは、「プチプライス」の略称です。「小さい」を意味するフランス語の「プチ (petit)」と、「価格」を意味する英語の「プライス (price)」を組み合わせた和製英語です。

しかも、プチプラはただ安い値段のものを表すわけではありません。プチプラは、何かセンスがあったり、機能がいい上に、尚且つ安い、という場合に使います。安いのに何かお得感がある、ということです。

男性が使うことはあまりないかもしれませんが、女性は化粧品を含めた身の回りのグッズで「プチプラ」なんて使うんじゃないでしょうか。もしかしたらそれは、ちょっとした些細なものにも価値を感じる鋭さが、女性にあるからかもしれません。

小児科医として、これはプチプラだなあと思うのは、ちょっと厚めの小さなメモ用紙だったりします。ペラペラじゃなくて、もうちょっと硬さがある小さなメモ用紙です。100均でも手に入るし、どこでも安く購入できると思います。

それのどこがいいのかというと、子どもたちと話す時に、とても役立つからです。ちょっと硬さがあるので、そのメモ用紙を折れば飛行機にもなるし、綺麗なしっかりした鶴にもなります。

そのメモ用紙に絵を描いて貰えば、どこかに立てかけて飾っておけます。紙にちょっと硬さがあるので、ヘナって倒れないんです。

子どもを診察する時には、「この人は自分にとって危険じゃない人だな」って思ってもらうことが大切なわけですが、そんなメモ用紙一つあれば、一緒に楽しんで打ち解けられるわけですね。

まあ、もちろん発熱のお子さんの診察の時に、そういったことはしないですよ。病歴を聞いて、診察をして、検査をして、そんなことを流れるようにやらなければならないですからね。

でも子どものカウンセリングの時には、子どもの緊張を和らげる際に、そんな小道具を使うこともあります。ほんのちょっとしたアイテムが、子どもにとっては宝物になるわけです。そんなアイテムを使いながら嬉しそうな表情を浮かべる子どもたちを見ていると、子どもってやっぱりすごいなあと思いますね。

子どもにとっては、どんなものでも宝物になるんだなあ、なんて思います。つまり、感受性がとても豊かということです。

例えば、最近では見なくなりましたが、僕が子どもの頃は公園の至る所にBB弾の小さな弾を見かけることがありました。大人になった今は、そんな弾を子どもが飲み込んだらどうするんだなんて思ってしまいますが、子どもの頃にはそんなことはもちろん思いませんでした。

そのBB弾には色々な色があって、ピンク、青、赤、中には金色、銀色のBB弾もありました。子どもの頃にはそんな色々なBB弾を拾って集めたものです。集めたBB弾を瓶の中に入れて眺めるわけです。「色々な色のBB弾があるなあ」「綺麗だなあ」なんて思うわけですね。

子どもの頃には、ただそれだけのことで楽しさを味わうことができました。そんなことを考えると、子どもの頃にはプチプラばかりだったと思うわけです。

少し偏見かもしれませんが、男性に比べて女性の方が、生活の中にプチプラを見つけられる気がします。それはおそらく、女性が持つ感受性なんだろうと思います。僕みたいな男性にはない鋭い感覚が女性にはある。

妻を見ていると、そんな風に思います。

今日は「小児科医がプチプラについて思うこと」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて:https://yukurite.jp/)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

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