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小児科医が思うデキる子どもの三要素

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

今日は、「小児科医が思うデキる子どもの三要素」というテーマでお話ししたいと思います。

あなたは、三大欲求って聞いたことがありますよね。人が生きていく上で重要な3つの欲求のことを三大欲求と表現すると思います。その三大欲求とは、「食欲」「性欲」「睡眠欲」ですね。

でも医師として、色々な命の誕生や終わりに向き合ったり、色々な親子の人生に向き合ってきた結果、その三大欲求の内容はちょっとだけ変わりました。おそらく人の三大欲求は「食欲」「睡眠欲」、そして「つながる欲求」です。「性欲」が「つながる欲求」に変わるわけです。そう思います。

「つながる欲求」というのは、例えば、人と話をしたり、人に会ったり、何かしらの方法つながりたいという欲求です。そのつながる欲求の中で、主に異性とつながりたい欲求が性欲と言われているような気がします。でも人には異性以外にも、親子でつながったり、友人とつながったり、社会とつながったり、そうやって色々なつながりを作りながら生きようとする気持ちがあります。

欲求とは、人の心身が健康な状態であれば機能します。逆に不健康な状態だとうまく機能しません。風邪をひいている時には「食欲」がなくなるかもしれません。心が不調な時には、なかなか眠ることができず「睡眠欲」は発揮されないかもしれないですね。心が病んでいる時には、「つながる欲求」も感じづらいものです。

そのことを理解すると、この欲求が人の健康状態を確認するために利用できることがわかります。つまり、この三大欲求があるかどうかで、子どもの心が健康かどうかわかるということです。また、子どもの心が不調な時、何らかの指標を参考にしながら、心が健康に回復しているのかを確かめたいものです。その時の指標にも、この三大欲求「食欲」「睡眠欲」「つながる欲求」が使えます。

例えば、もしも不登校になっている子どもがいたとして、僕ならその子の三大欲求がどんな具合なのかを確認します。その三大欲求とは、先ほど挙げた「食欲」「睡眠欲」「つながる欲求」のことです。

「食欲」については、食事は食べられているのか。「睡眠欲」については、睡眠は取れているのか。そして「つながる欲求」については、誰かと遊びたい気持ちや、どこかで遊びたい気持ち、親御さんに関わろうとする気持ちはどうなのか。そういったことを確認します。

そんなことをしているとわかってくるのは、「食欲」「睡眠欲」「つながる欲求」が増すにつれて、やはり心は回復していくということです。

ですから、「この子は、力強くしぶとく伸びていく力があるなあ」と感心する子どもには、この三要素があるものです。「食欲」「睡眠欲」「つながる欲求」の三要素です。僕が「この子できるなあ」と思うのは、そんな三要素を持ち合わせた子ですね。

今日は「小児科医が思うデキる子どもの三要素」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて:https://yukurite.jp/)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

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