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ZOOM H3-VRで立体音響の再生・録音を楽しむ

こんにちはYuriです。

今日はSONY PCM D-100と併用して旅に連れて行っているZOOM H3-VRのことと、立体音響について勉強したことを書いていきます。

ZOOM H3-VRについて

ZOOM H3-VRは「Ambisonics」と「バイノーラル」の2つの方式に対応しており、SONY PCM D-100とまた異なったアプローチでフィールドレコーディングできることから愛用しています。

最新のリリース曲はこちらのレコーダーで録音した渋谷駅周辺のフィールドレコーディングサンプルを使ってみました。

EPにはフィールドレコーディングのサンプルも収録しています。こちらはノイズなどの処理を若干行なったステレオファイルです。


録音方式について

「アンビソニックス」と「バイノーラル」の2つの方式に対応しています。
さてはて、この2つってどんな方式なんでしょうか・・・・。

調べたことを参考程度にこちらに書き残していきます。

立体音響とは

まずこの2つは立体音響(3次元音響、3Dオーディオとも呼ばれます)と呼ばれる方式です。
立体音響は従来のステレオで実現されていた左右の広がりに加えて、上下の広がりや前後の奥行きを加えた、立体的な音場を再現する方式です。

バイノーラル

バイノーラル方式とは、人の耳に直接届く音だけでなく、頭や顔、身体に沿って回り込んでくる音を収録する設定です。
原理的には、人の両耳の位置にマイクを配置して収録したような音のことです。

https://zoomcorp.com/documents/614/J_H3-VR.pdf

人の耳の鼓膜の近いところで録音することで、再生した時により臨場感のある聞こえ方ができるような方式です。

H3-VRでは、4 つのマイクで録音した音声データをバイノーラルに変換して録音しているようです。

この効果はヘッドホンやイヤホンで聞いた方が楽しめるんじゃないかなと思います。スピーカーだと少し音のバランスが右すぎたり、左すぎたりに聞こえたりすることがあります。

アンビソニックス

Ambisonicsの最大の特徴は、それぞれの音の動きや位置を球体の中に有したまま、その球体を自由に回転させることができます。この特徴によりVRコンテンツや360°動画などの音響として使われることが多い方式となっています。

https://biz.musicecosystems.jp/blog/ambisonics/

言葉よりもイメージの方がわかりやすいのでこちらの記事をご参考に。

H3-VRでは複数のマイクで左右上下前後、全方位の音を収録します。
さらに収録した複数トラックの音源を加工し、任意の方向の音を取り出すことができます。(例えば上の方向だけとか)

「音を回転させることもできる」というのは、例えば右の音を回転させて下へ持っていたっりできるということです。
これは「シーンベース」というリスナーを取り巻く空間全体の物理情報を360°の全天球空間に記録再生する方式によるものです。
再生させた際も、例えば後ろを向くと、後ろを向くまでの音をリアルに再現して聞くことができます。

「ZOOM Ambisonics Player」を使って再生・編集

こちらのソフトはH3-VRを使って録音したアンビソニックスファイルの再生や編集ができるZOOMのフリーソフトです。Zoomのサイトから無料でダウンロードできます。

ファイルを読み込んで球体をぐるぐるまわしてみると、音が回転します。
H3-VRでは、各マイクで収録された音声ははマルチチャンネルで個別に保存されるので、2ch ステレオや 5.1ch サラウンドなどに編集できます。

まだまだアンビソニックスの音声を配信したり、手軽に楽しむといった環境も少ないため私はステレオに変換して扱うことが多いです。

ちなみのこのプレイヤーはZOOMのH3-VR、F4、F6、F8、F8n、F8nProで録音したファイルのみをサポートしているとのことで(←お問い合わせしました。)、Nuendo上で編集したファイルはフォーマット不明となり編集したり、音を回したりすることはできませんでした。今後のアップデートでいろいろなファイルで再生することができようになると尚良いですね。

立体音響の楽しみ方

このようなイマーシブサウンドを楽しむ機会が最近増えて、興味があるという声もよく聞くようになりました。
私も実際興味があって、MUTEK.JP x KALKULのAURA DISC制作プロジェクトにお声かけいただいた時に、初めてAmbisonicsの音声制作にチャレンジしました。

本当にいろんな変化があって、何年も音楽を作っているけど、どんどんと変わって新しいことが増えていきます。その度に勉強なのでいくのでいつも学生のときの気持ちにもどってしまいます(笑)

制作する人間として、どのようにリスナーの皆さんに楽しんでもらえるか、どんな提案ができるんだろうかということを考えることもよくします。(音楽全体を通してですが。)

テクノロジーの進化でアートの可能性も広がりつつあります。
それでも自然の音や、昔から受けがれてきた古き良きものも取り入れているのは、そこからさらに新しいものを生み出す一歩となると思っているからです。
今後も探求を続けて、新しい作品を生み出していきますのでぜひ楽しみにしていてください!

今日もご高覧ありがとうございました :)

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