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VRChatの中の小さな宇宙:一年間の日々と発見の旅路


はじめに

1ねん、たった、らしい。

このnoteは仮想空間でコミュニケーションを楽しむゲーム
"VRChat"を題材にした記事です。

VRChatで歩んできた1年を改めて振り返ると同時に、
やってきたことと目的をご紹介できればと思います。

はじまりの記憶

NewUserになった途端Vroidをやってた当時

2023年1月15日、私が初めてVRChatに触れた日のことは今でも鮮明に覚えています。
本来は正月休みにBeatSaberを楽しむためにOculus Quest2を手に入れたましたが、ふと目にしたVRChatに興味が湧いて、インストールしてみました。
チュートリアルブログを読みながら、新しい世界への一歩を踏み出しました。

最初のビジター段階は意外とあっさりと終わり、日本のチュートリアルワールドのパブリックで遊び始めました。その頃は、環境のせいでほとんどミュート状態で、無言でいることが多かったんです。鏡文字を使うことはまだしていませんでしたが、案内してくれた人の中には、鏡文字を使いこなす無言のプレイヤーもいて、そういう遊び方もあるんだなと感じました。

ビジターを卒業した後は、Vroidに興味を持ち、ワールド観光に夢中になりました。あの頃から、色々な景色を見たいという思いが強く、今もその気持ちは変わらずにいます。

ジャパントークルームで出会った人たちと一緒にゲームワールドを探検するのは、本当に楽しかったですね。そうした交流やゲームを楽しむことが、NewUser時代の私の遊び方を作り上げていたように思います。

無言勢と鏡文字

怪文書部部長の鏡文字

NewUser時代が過ぎ去ろうとしていたある時、ふと目にしたイベントカレンダーで「鏡文字練習会」というイベントが私の興味を引きました。
初めてVRChatを案内してくれた方の影響や、話すのが難しい環境があったことから、鏡文字に興味を持ち、そのイベントに参加することにしました。

イベントでは鏡文字の書き方のマニュアルが用意されていましたし、鏡文字を使って楽しそうに会話しているユーザーたちが周りにたくさんいたのが印象的でした。

私は、鏡文字を使った筆記がVRChatにおいて個性的な表現方法になりうると感じていました。
もし単に人と話すことが主目的なら、こんなことはしなかったでしょう。
しかし、私は技術的な挑戦として、難しい漢字をすばやく書けるようになることに喜びを見出していました。
そして、5月頃には「鏡文字怪文書部」という、一見すると不思議なグループの部長を務めるようになりました。
このグループは、人とのコミュニケーションが苦手な人や、鏡文字の技術を磨きたい人、ちょっとした小ネタを披露したい人向けのものです。

有名なコピペや歌詞の書き取りなど、会話をメインにしなくても存在する意義を見出したことに自負しています。人のためになることを、邪魔にならないように行う視点を持つようになったのは、この部活が最初だったかもしれません。

アバターと写真

Alcor君をお迎えして好きなワールドへ

私はVRChat内で撮影した写真を毎日おはポスを投稿しています。
しかし、振り返ってみると、物理現実においては写真撮影が苦手した。
実際に見ている景色とカメラで捉えた景色が一致しない感じがして、実際の自分が記録されることに何となく居心地の悪さを感じていました。
自分が写っている写真を見ると、どうも違和感を覚えるのです。

幼い頃からアルバムに整然と収められて育った人たちは、おそらく私のような感覚は持たないでしょう。私にとって、写真は他の人が大切に保管しているもので、少し羨ましい気持ちがありました。

しかし、VRChatでは、お気に入りのアバターとワールドを背景に、日々おはポスとしてさまざまな写真を撮ることに夢中になりました。
アバターの好みは人それぞれですが、私は男性的または中性的なアバターが好きで、最初に購入したAlcor君はシンプルながらも神秘的な外見に一目惚れしました。
Alcorは星の名前であり、銀河のような神秘的なワールドにとても似合います。
物理現実とは異なる、実際の風景とキャラクターが調和する光景にとても魅了され、多くのワールドを巡り、様々な写真を撮影しました。

写真好きの人たちとの交流も楽しい経験でした。彼らは自分の世界を写真に映す努力を惜しまず、撮影技術やレタッチなどの要素に満ち溢れていました。

私は、ただそこに存在する世界をそのまま撮影することに大きな喜びを見出しています。大切なものをその場で撮影されるのではなく、自分が撮影者として写真を撮ることに新たな楽しさを見いだしているんです。

Note投稿

無言勢をもっと広めたいと考えた第一歩

2023年4月1日、私が初めて投稿したNoteでした。

私は学生時代から何かを書くことが好きで、小説を応募することもありました。今も完璧なテクニックを持っているわけではないですが、伝えたい想いを込めて、月に一度はゆっくりとペンを取ります。

最初に投稿した無言勢に関する話は、ちょっと恥ずかしい思い出です。
無言勢は、なんとも儚い存在です。
ボイスチャットを使う人たちと同じように、日々変化し、異なるコンテンツに流れていくこともあります。しかし、無言勢がボイスチャットに移行することもあります。
彼らはまるで絶滅危惧種のようですが、楽しそうにしているので、新しい種類の妖精のようなものかもしれません。無言勢の経験をしてみて、ボイスチャットのユーザーも魅力を感じるのではないかと思い、その話を記事にしました。
多くの人に読まれて、少しでも役に立ったなら、それは成功だと思っています。

その後は、無言勢やコミュニケーションに関する記事を主に書いていますが、こんな自分語りの記事は初めてかもしれません。

Noteには二つの役割があると思います。
一つは、ノウハウや技術に関することを伝える役割です。
これは新しい情報を提供し、知的好奇心を満たすものです。私も様々な記事を読んで、Unityなどの知識を得たり、改変に挑戦するきっかけになりました。こうした情報は、経験を言語化し、知識として提供する重要なものです。

もう一つの役割は、共感を呼ぶ記事です。
例えば、コミュニケーションで不快に思った経験を記事にしていますが、誰もが不快なコミュニケーションを経験するものです。そんなとき、自分だけが間違っているのかと思うかもしれませんが、共感してもらえる記事を読むことで、自己肯定感を取り戻すことができます。

感情はコントロールできない野性的なものです。
アンガーマネジメントの技術があっても、感情はなくなりません。
感情を完全にコントロールできると言う人は、嘘をついているか、現実を見ていないだけです。もし感情が完全にコントロールできるなら、なぜ眠たいという感情を排した居眠り運転や、気に食わないから身近なものに暴力をふるうといったDVが起こるのでしょう?
アンガーマネジメントはそういったことをしないように意識づけるツールの一つです。ですが、こういった「あるべき論」が多く横行する現代では息が詰まってしまいます。
法律や一般常識に疲れたとき、同じように「大変だよね」と共感してくれる記事があれば、救われることもあるでしょう。

長期的には「あるべき論」が必要ですが、この複雑な世界で生きるときには、少しの弱音を吐ける場所も必要です。そんな場所を提供することも、私たちの役割なのではないでしょうか。

イベントキャスト

イベントでの私の姿

私はVRChat内で複数のイベントに所属しています。
最初はありがたいことに誘いを受け、以降も継続的にイベントキャストとして参加しています。

イベントキャストになるのは特別な人だけではなく、人間関係や特定の能力によって選ばれます。

実際のところ、私は物理現実では接客や営業が苦手な、事務的な性格と言われてきました。
しかし、人間は自分に向いていないことを受け入れ、別の角度からアプローチできる生き物です。
接客が苦手な自分を受け入れ、ロールプレイという形で異なる人格を演じることに楽しさを見出し、試行錯誤を重ねました。
その結果、私なりのイベントキャストとしての存在が形成されました。実際に会った人々が私をどう見ているかは分かりませんが、イベントごとに異なる人格で接するのは楽しいです。

イベントキャストとして参加するのは、言った通り人間関係や能力に基づく選択です。新しい主催者との良好な関係や、Twitterで偶然見つけた募集に応募して受け入れられることなどがあります。
しかし、共通しているのは、自分の長所を直向きに出せているかどうかです。私にとっては、文章力や発信する情熱、行動力が長所です。これらが相手に喜ばれるものであれば、キャストとしての役割は難しくないはずです。迷惑をかけたり、誰にも喜ばれない行動をする人は選ばれません。

「あなたの長所は何ですか?」という問いかけは喉元にナイフを突き立てられるような鋭い感覚にされることがありますが、そこまで神経質になる必要はありません。あなたには選ぶ権利も、選ばれる権利もあります。イベントはキャスト経験がなくても主催できるし、やりたいことを追求すればいいのです。

その「やりたい」という思いが他者と共感を得られれば、恒例イベントとして続いていくでしょう。これは物理現実でも変わらない普遍的な真理です。

おわりに

もういちねん、もういちねん、つづいていくと、いいね。

さて、あっという間の一年でした。
私のVRChatでの冒険や学び、そして成長をご紹介させていただきました。VRChatというバーチャルな世界は、私にとってただの遊び場を超えた特別な場所となりました。新しい友達との出会い、異なる文化やコミュニケーションスタイルへの理解、そして何より自己表現の新しい形を探求する機会を提供してくれました。

私はこのNoteを通じて、VRChatが提供する無限の可能性を皆さんと共有したいと思いました。写真が苦手だった私がVR内で写真を楽しむようになったこと、言葉を交わすのが難しい環境で鏡文字を使うことの楽しさを見つけたこと、そしてイベントキャストとしての経験から学んだことなど、多くの発見がありました。

VRChatはただのゲームではありません。それは自分自身を再発見し、新たな技能を磨き、異なる視点を探求するためのプラットフォームです。私がここで学んだことは、物理的な現実にも応用できる普遍的な教訓であり、それを皆さんに伝えることができて光栄です。

私たちの旅はここで終わりではありません。VRChatの世界は常に進化し続けており、新しい発見が待っています。このエッセイが、皆さんにとっても新しい冒険への一歩になれば幸いです。

最後に、私の経験や考えを読んでいただき、ありがとうございました。これからもVRChatでの旅を楽しんでいきたいと思います。新しい世界での出会いや発見を心待ちにしています。



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