思考は現実化するのか?

はじめに

この記事は下記の本2冊の読書メモである。

書籍1:自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング
https://www.amazon.co.jp/dp/B074WLDBY7
ナポレオン・ヒルの思考は現実化するというものをRASを用いて理論的に解説しているような感じの本
RAS(Reticular Activating System: 網様体賦活系。脳幹にある網様体という神経の集まりで、生命活動を維持する働き)とは、いつもなら気づかなかったようなもの、「周囲の雑音」として聞きおとしていたような情報を探し出してくれる仕組みのことである。

書籍2:まんがで納得 ナポレオン・ヒル 思考は現実化する
https://www.amazon.co.jp/dp/B01AHZU06Q
思考は現実化するの要点をまんがで紹介しつつ、それの補足を文章で補っている本
原著はまだ読んでいないが、概要を把握するために読んだ。

集中力関連の書籍を何冊か選んでいたとき書籍1が目にとまったためタイトルに惹かれてついでに購入してみた。内容としては、目標を明確に設定することで、それが現実のものとなるということについて記載されている。

書籍1を読んでいる途中に、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」に興味を持ち、まずは簡単に概要を把握するために書籍2を読むことにした。

上記本を読んだ中で、特に強く印象に残っていること

ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」については20年の歳月をかけて作成された本であることを初めて知った。ナポレオン・ヒルが、アンドリュー・カーネギー(「人を動かす」などの著者)から以下の質問を受け、「yes」と答えたことが、この本が世に出るきっかけになったということだ。

下記の条件でこの仕事をやるか?
    * インタビューすべき500人は紹介する
    * ただし金銭的援助は一切しない
    * 20年の調査が必要

ナポレオン・ヒルがこの質問に答えるまでの時間は29秒だったということだ。アンドリュー・カーネギーはこの種の質問に対して回答までの時間が1分以上かかる人は見込みが無いと考えていたという。29秒で20年かかる仕事をやるか否かを決断できるのも凄いが、1分未満で答えられる人がいると期待して探していた方もすごい。

さて、これらの本からのメッセージの骨子は「何かを達成するためには、具体的な目標を期限付きで設定することが重要」である。

目標を設定するときには、どうやって実現するかはまだ考えない。目標は具体的に設定することが重要であり。目標を達成する期限を設定することも重要である。

書籍1においては、目標さえ設定すれば、どうやって実現するかはRASが解決に動いてくれると記している。

例えば、何かのクルマが欲しいと思ったときから、そのクルマに関連する情報がやたらと多く目に入ってくるように感じることがある人が多いと思う。これはそれに関する情報が急激に増えたのではなく今迄もあったが気付かなっただけである。

何かを欲することで、RASがフィルタリングする情報を変更した、すなわち、この場合では欲しいクルマの情報に気付くようにRASが変化したということだ。つまり、目標を設定することで、RASがその目標達成用に変化することになる。こうなると目標に関する情報を多く目にするようになり、必然的にその目標について詳しくなる。

一方、目標が曖昧のままだと、RASはどの情報を取り入れるべきかが分からず効果的に働くことができない。このため、曖昧な目標を立てても目標を達成するための情報を目にすることができないため目標達成が難しくなる。

また、期限を設定することで、RASは期限に間に合わせようと突き進む力を人に発揮させる。期限設定のコツは、「現実的」「短め」「すぐに実行する」ということだ。もしゴールまでの道のりが長ければ、1年、1ヶ月、1週間、1日、1時間というように小さな作業単位に分けるとよい。

このようにタスクを小さくする作業は、まさしくGTDである。GTDは、集中力を向上させるツールであると同時に、思考を現実化するためのツールとしても有用であることを知り、GTDの有用性に改めて驚いた。

そして、まだ準備が出来ていなくても迷わずすぐに行動に移ることが重要である。機会を待つのはやらない言い訳でしかなく、行動をして得られるものも多いし、行動することで考えてもみなかった協力者が表れることもある。

そして、自分が目標を達成している姿を想像し、それを心から信じられることが重要である。自己暗示をかける。自分がイメージできないことは達成できない。イメージさえできれば達成することができる。

興味深かったTIPS

目標は紙に書くことが重要である。パソコンなどの電子機器にキーボードでタイピングするのではなく、手書きが良い。書籍1においては、統計的にも紙に書き出した人たちの方が、キーボードでタイピングしただけの人に比べて、目標を達成する確率が高いと示している。その理由としては、キーボードを打つよりも手書きの方が脳の多くの神経を使うからという説明を加えている。

目標は否定的な言葉で書かない。RASは目に見えるものしかイメージできない。何かがそこにある状況しか思い描けないため。

* 「○○までにタバコをやめる」→「○○までにノンスモーカーになる」
* 「体重を10キロ落とす」→「私は体重○○キロになる」

不満を言うとRASはその不満と同じようなものをもっと探そうとする。これによりどんどんネガティブになってしまう。

脳は「現実」と「想像」を区別できない(イメージトレーニングはかなり効果的である)。従って、例えばスピーチをすることになっている場合、自分がそのスピーチをうまくやり遂げたところを頭のなかでイメージしながら練習するとよい。

視覚化

脳は言葉ではなく絵を描いて考えている。従って、目標を紙に書き、輪郭をはっきりさせる必要がある。

「お金持ちになりたい」 → 「○○までに、借金なしで100万ドル貯める」
「すてきな家を持つ」 → 「間取りは○○、壁の色は○○…(家のなかを歩きまわっている自分の姿までイメージできると良い)」

なお、研究者によっては、目標達成だけをイメージすると、脳は目標を達成したものという思い込みをして気がゆるむことがあるので、目標達成までに起こりうる障害、挫折などもイメージすることが重要という人もいる。

視覚化の手順
1. リラックスする
2. これからしようとすることを想像する
3. 自分の姿を思い浮かべる
4. 実際にイメージトレーニングする

アファメーション(自己暗示)

自分の心に言い聞かせる内容は、すべて自分の意思で選べる。使った言葉は実現する、いいことも悪いことも。

アファメーションでも肯定的な言葉を使うべきである。自転車を練習している子供に「自転車から落ちてはダメ」と注意すると子供の脳には「自転車から落ちる」という言葉が残ってしまう。「大丈夫、うまく乗れるようになる」と言い聞かせるようにする。

アファメーションの手順
1. 「私は○○だ。」「私は○○する」という言葉で始める。
2. 具体的な言葉にする。

アファメーションの働きは「置き換えの法則」である。頭にいつも肯定的な考え方を言い聞かせていると、否定的な考え方は消えていく。

数字で考える

どんな目標にも、何回挑戦すれば、そのうち何回成功するという確率という数字のセットがある。この数字を見つけることができるかどうかがカギとなる。それを見つけられれば、何回やれば成功できるということだけに集中でき、失敗を恐れず失敗を考えることも無くなる。

おわりに

RASの働きについては実体験として多く経てきたことであり、書籍1はかなり納得が行く内容だった。そして今迄「思考は現実化する」は、精神論に関する書籍ではないのかなという勝手な思い込みがあって避けていたが、真剣に読んでみたい気持ちに変化した。

さいごに、書籍1の中から頭に残った言葉をいくつか抜粋して終わりにする。

販売員は、売れなかったらどうしようと考えるから失敗するのではない。買ってくれるかもしれない人に会おうともしないから失敗する。

勝者とは、決して失敗しない人ではない。決してあきらめない人だ。


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