絵で学ぶ韓国語文法

色々な文法を学んでいくと、前に似たような意味の表現やったな、と思うことがある。似たような表現では、互いに同じような使い方ができるなら良い。一方で、使い分けが必要なケースも出て来る。このようなケースが出て来たとき、違いが分からないと、こんがらがってくる。レッスン中に生じた疑問は適宜講師に聞けば良い。だが、それ以外のタイミングで疑問に思ったときに分かりやすく説明しているリファレンスが欲しいところだ。このニーズに合う本があったので紹介する。

絵で学ぶ韓国語文法:初級のおさらい、中級へのステップアップ

絵で学ぶ中級韓国語文法

タイトルから分かるとおり、これらの本は文法書だ。使い分けの説明がメインではない。だが文法の解説の合間に「お悩み解決コーナー」というコーナーがある。このコーナーで文法の使い分けなど、韓国語の学習者が疑問になるところを解説してくれている。

例えば、「-(으)면」と「-(으)니까」の使い分けについて解説されている。どちらも日本語に訳すと「〜したら」となるが、これらは使い分けが必要となる。過去形は「-(으)니까」、未来は「-(으)면」にする。これらの使い分けは私はこの本を読むまで把握していなかった(習ったかもしれないが忘れていたかも…?)。

もう一つ例を出すと、「欲しい」を表す表現方法にも色々な言い回しがある。物が欲しいときは「-고 싶다」、誰か(人とは限らない)にして欲しいときは「-아/어 주었으면」となる。なお、「주었으면」は「くれたら」のニュアンスである。そして、更に丁寧な言い回しは「-아/어 주었으면 / 주셨으면 좋겠다」となる。ここで「좋겠다」は「良い」や「嬉しい」のニュアンスだ。余談だが、韓国語は「良い」というようなニュアンスの単語が追加されていって丁寧さが増えていく感じが日本語に似ていて面白い。

これらの使い分けについては各例文ごとにそれに合った絵を交えて丁寧に解説されている。またそのお題が学習者(少くとも私)にとって「そうそう、そこ良く分かってない」というようなポイントをついていて良い。

この本に出会ったきっかけは、過去に投稿した以下の記事で触れた脳が認める外国語勉強法という本がきっかけだ。

単語帳アプリ(Ankiなど。詳細は上述した過去の記事を参照)を利用して、覚えたいものを記憶に定着させる方法が、この本に紹介されていた。その方法とは、覚えたいものに関連する画像を単語帳に表示させるというものだ。関連する画像は、自分に関連したものの方が良い。

この本では、単語や熟語だけではなく文法をどうやって単語帳に登録するかも記載されている。単語の場合は適切な画像を探すのは何とかなる(とはいえやってみると画像探しは意外に難しい)。文法を単語帳に登録するときは、主に例文を登録していくことになる。その例文に合った画像を探すのが大変だった。

どうやって画像を探すべきか考えていたところ、別のきっかけで、韓国語の文法書として良い評判の本に出会った。それが今回紹介した絵で学ぶ韓国語文法の2冊だった。文法書とした場合においても、これらの本は私が今迄触れてきた本と比べてみても同等か良い出来だと思う。

但し、上記2冊のうち簡単な方でもタイトルにあるように「初級のおさらい、中級へのステップアップ」となっている。この本は韓国語を初めて学ぶ人は対象としていない。これから学習を始める方は、この点に注意して欲しい。この本を読むためには、ハングルを読める必要がある。更には、文法意外の部分、例えば簡単な名詞などある程度、韓国語を勉強していた方が良い。勉強していくうちに生じる色々な疑問がある状態で読み始めるのが良いと思う。

そこそこ勉強した人なら、初級の方の本の一番最初に出て来る「-ㅂ니다体」なんて今更言われなくても分かるわ〜くらいな感じだとは思う。おさらいだと思いながらテンポ良く読み進めていけば復習にもなる。途中に出て来る「お悩み解決コーナー」が本当にタメになるので。この本の価値はこのコーナーにあると個人的には思っている。

当初の目的だった、文法の勉強のために単語帳アプリに例文と絵を登録していく方は、文法の説明箇所には例文に合う絵はないのが残念だ。ただし「お悩み解決コーナー」の方の例文は絵が良い感じに入っていたので良かった。自分に関連した画像にはならないので効果が落ちるのではないか、ということろが少し気になるが…。

当初の目的とは違った所で思わぬ良い収穫を得られたのがうれしかった。

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