【書評】すべての知識を「20字」でまとめる

はじめに

以下の本の書評。

すべての知識を「20字」でまとめる
https://www.amazon.co.jp/dp/B07KQTNYJQ

文章を完結にまとめるための方法を学ぶつもりだったが、当初の予想を遥かに超えるものを得ることができた。

この本で伝えたいことは、「学習は他者貢献の力を高めるためにするもの」であり、その為のインプット、アウトプットのやり方である。

学習とは

多くの人は、学んだことの殆どは忘れている。特に現代は、学びが消費になっている。この理由は、学びが受動的になっているから。

消費型の学習から投資型の学習へ以降するためには目的の明確化が必要である。

* 自分の言葉で咀嚼していないものは、使えない
    * 思考整理しながら学ぶこと
    * 考え抜くことで本質をつかむことができる
* 長すぎる物事は覚えていられない
    * 学んだ内容を短く要約していない

本質とは、多くの事象に当てはまる「よりどころ」であり、本質はシンプルなので端的な言葉で表現可能である。すなわち、20字でまとめることができる。学習とは、思考整理による本質探求そのものである。

学んだことを忘れないために必要な作業

* 目的の明確化
* 思考整理
* 端的な要約

上記3つの作業をするために20字でまとめる「20字アウトプット」がある。

「20字アウトプット」の概要
1. 目的を書く
    * 常に目のつくところに。常に意識して学習する
2. 学習を実施する
3. 学習後、10分程度で目的達成に役立ちそうなキーワードを8〜16個抜き出す
    * 8個あれば充分。16個集めた時点で終了してOK
4. キーワードをベースに20字にまとめる
    * もし見付けたキーワードで無理そうなら再度3を最初からやり直す

学習の際に注意しておくポイント

* 学習の結果、唯一の答えでなく自分なりの答えを目指せばいい。
* 学習のときに大切なのは「目的の達成に役立つかどうか」である。正しいかどうかより役立つかどうかを意識すること。

上記の20字アウトプットができた後、理解したかどうかを確認する作業を行う。「理解する」とは、3つの疑問(2W1H)が解消した状態のことを言う。

* What?
    * 企画の概要、打ち合わせ結果、問題の明確化、現状把握、など
* Why?
    * 企画の背景、出張目的、真因分析、など
* How?
    * 予算、発注先、スケジュール、今後の対応、対策立案、など

すなわち、学習とは上記3つの疑問がわかるように学べば良い。

学習は他者貢献のために行うもの

自己完結型の仕事観の人は他人の問題を解決することができず、他人からの需要がない。
一方、他者貢献型であれば、周囲の人が抱える問題リスト(=需要)が無意識に大量にストックされる。そしてこれあの各問題を解決するための知見(=供給を学ぶ)ことができる。

他者貢献のための学びの方法は、以下を埋めていく学習法が提案されている。実際のフォーマットは書籍を参照すると良いが、ここでは概要を紹介しておく。

1. 誰のために?
2. どんな問題・願望を扱う?
3. 目的達成につながる質問は?
4. 8〜16個のキーワード
    * 20字アウトプットのときと同様
5. 20字でのまとめ
6. 2W1H
    * What?
        * 以下のような問いに対する答を3つ書く
            * 何を学んだが?
            * どんな本か?
            * 3大学びは?
    * Why?
        * 以下のような問いに対する答を3つ書く
            * なぜその本を読んだのか?
            * なぜ重要か?
    * How?
        * 以下のような問いに対する答を3つ書く
            * どうするか?
            * 今後にどう活かすか?

1〜3は、20字インプット学習法における「目的」に対応している。また、他者貢献を意識しているので、2W1Hを書くとき、主語は自分ではなく貢献したい相手になる。

学習の基本的なステップとしては、1〜3を明確にした後で学習を始める。学習が終わったら4を実施し、5→6という感じになる(必ずしもこの順番にする必要はない)。

おわりに

この本を読むまでは「学習は自分のためにやるもの」という意識が強かった。仕事(すなわち報酬を貰う何かしらの活動)は、他人のためにやるものだ。仕事と同様に学習も他人のためにやるべきという視点が持てたのはかなり良かった。

個人的な経験を振り返ったとき、困っている人を助けるために学習するときの方がインプットもアウトプットも速く効果的だった。他者貢献の意識を常に持ち続けて成長していこうと思う。


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