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我が家の庭の風景 part.64

弱い苗も環境を変えたら育ってくれるだろうか。
「栴檀は双葉より芳し」という。
幼い頃から才能の片鱗は見られるという格言である。
野菜の生育について調べていたら、ガーデニングのYouTubeチャンネルで双葉の役割りを知った。双葉がしっかりついている野菜苗はその後の生育が良いのだそうだ。

人間も同じだろうか。
3歳までの教育がしっかりして、その後病気にもならない人間が花を咲かせて実り豊かな人生を送るだろうか。
そうかもしれない。
しかしながら、3歳までたまたま不遇だったから、一度病気になったからといって人生を諦めることは出来ない。

園芸植物の話にしても、良い苗ばかり買われてしまったら後の苗はどうなるか。植物は土に還るから懐は痛んでも惜しくないという人は多いかもしれない。
しかしながら、地に還るというのならば、人間も他の動物も同じである。
弱い植物が顧みられないのであれば、やはり弱い人間も育っていかないのかと思われてしまう。

私自身はもう成長しきった動物である。今更、花を咲かせるとか実がなるとか気にすることでもないが、もともと弱い苗だったと言われてしまうと悲しいものがある。

双葉が落ちているもの、既に黄色くなってしまっているもの、斑点が出て病気にかかってしまっているもの、それらの植物も育ててみようじゃないか。どのみち家で食すだけだ。市場に出すわけでもない。

残念ながら、今年の我が家で買った苗は、どれも非常に優秀で、放置していても病気知らずである。たまたま今年の気象条件に合う植物ばかり買ってしまったのだろう。人間の方はぐったりしている。例年のことながら、季節の変わり目の寒暖差が激しい。とにかく気怠く雨の日はもう起き上がれないと思うくらいだ。

そうは言っても、今年はそれほど雨は降っていない。たまに降る雨は、植物にちょうどいい。めったに降らなくなったから、雨の日の体調不良をより顕著に感じるようになったのかもしれない。

だが、しかし、どんなに頭痛がしようと体がダルかろうと私は雨が好きだ。雨の日は家にいる理由になる。雨音のうるささが生活音をかき消してくれる。
猫たちもぐったりしているのに、雨が好きなんて我ながら人が悪いようだ。

窓辺で見てみよう。雨に打たれる植物たちの強さを。雨に打たれるたびに葉っぱが弾んで、晴れの人はまた違った風情を醸し出している。

雨の日に感じる土の臭さ。草の青臭さ空を覆う灰色の雲の怪しい眩しさ。雲と水色を背景にすると、緑はよく映えるようだ。

常緑の植物は、5月葉っぱの生え変わる季節である。薄緑色の柔らかい若葉は雨がよく似合う。

雨に打たれながら芽を出している。雨は痛いだろうか。冷たいだろうか。あるいは心地よいのだろうか。

庭木は簡単に枯れ果てたりはしない。雑草はしぶとい。本来は、温室で育つべき園芸植物や野菜たちも病気などに負けず、なんとかかんとか一生を全うしてほしいと思う。
そんなにたくさん実らなくても、多少不恰好でもむしろ愛着が湧くというものだ。
私だってそんなに上等な人間じゃない。
生育旺盛な植物だったら、それはそれでラッキーというだけだ。

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