コーヒーの起源「エチオピア」。美味しさのわけとコーヒーができるまで。

こんにちは。川野優馬です。

前回の投稿から少し間が空いてしまいました。エチオピアに行っていました。

そこで見てきた様子、あまり知られないエチオピアでコーヒーが作られるまでをご紹介したいと思います。


コーヒーの起源

コーヒーがもともとあった場所、エチオピア。奇しくも人類もエチオピアで誕生したとも言われています。

4000m級の山々が多く、アフリカの中でも圧倒的に標高が高い国です。

コーヒーの木は氷河期からずっとエチオピアに生息していたとも言われています。

▲アフリカの北東部、ちょうど赤道付近のエチオピア。


コーヒーの木がエチオピア外に渡ったのはつい最近。東インド会社ができた貿易の時代。17世紀に初めてアジア、中米でコーヒーの栽培が始まるまで、コーヒーはずっっっとエチオピアにありました。

ルーツであり、原種であり、圧倒的な年月を育った場所。世界で一番美味しいのもエチオピア。紅茶のような超華やかで繊細な風味のエチオピアのコーヒー。

そんな、エチオピアの秘密を解き明かしに、今回1週間滞在してきました!


首都から農村部までの道のり

エチオピアの国土は日本の3倍。人口は約1億人

1億人もいるって知ってました!?日本とほぼ一緒です。


▲エチオピアの主食「インジェラ」。通称「食べる雑巾」。おい雑巾って呼んだやつ誰だよ、主食だぞ、失礼すぎない?w 味は酸っぱくて発酵したクレープみたいな感じ。これでスパイシーな肉や野菜をくるんで食べます。香りは雑巾の香り...w


首都のアディスアベバからコーヒー産地の南部に車で移動していると、街にも、街と街の間のにも、若い人たちがいっぱいいました。

人口ピラミッドを強く感じるアフリカ。今回はノルウェーのコーヒー商社Nordic Approachの人たちと一緒にお邪魔してきました。


▲空港がある首都のアディスアベバ。ここですでに標高2,300mです。

Yirgacheffe(イルガチェフェ)やGuji(グジ)といったコーヒーのメインの産地までは車で500km。途中からアスファルトの舗装もなくなり、ひたすらガタガタ道を1日半かけて行きます...。

移動キツすぎーーー!


▲こんな砂利道をひたすらまっすぐ。


▲農村地域の風景はこんな感じ。伝統的に竹でできた丸い家に住んでいます。


エチオピアのコーヒーは11月〜2月が収穫期。収穫期は乾季なのでほぼ常に晴天で、強い日差しが降り注ぎます。

標高が高いので気温はそんなに高くありませんでした。日本で、真夏に山登りに行った時の感じの天気です。


コーヒーができるまで

エチオピアでは基本的に、農民が家庭栽培で育てたコーヒーチェリーを集めて生産しています。大きな整った農園はほぼありません。

家の裏の農地をみんなで分けて、コーヒーを育てています。


▲一般的な農家の家。平均0.7haの農地を持っていると言われていて、自給自足でいろんな作物を育てている中にコーヒーの木もあります。


▲家の裏の農地にあるコーヒーの木。超ワイルドに育ち、人間の背丈以上の木も。

土壌が良すぎるのか、環境が合っているのか、わかりませんが、普通実らないような30-40才の古い木でも関係なく実ります。手入れしなくても関係なく実ります。

これがエチオピアの力...。


そんな各家庭で摘まれたパワーあふれるコーヒーチェリーは、村のコーヒーチェリー買取所に集められます。

各主要な村にはチェリーの買取所が設けられ、農家はここに朝摘んだチェリーをお昼過ぎに運んできて現金と交換します。

村によって最低価格は違うのですが、コーヒーチェリー1kgで0.4-0.5ドル = 50円ほど。

▲コーヒーチェリー買取所。1小屋が1精製所に割り当てられ、いくつもの精製所の買取所が並びます。買取ルールや価格も小屋によって違うので、農家は売り先を選ぶことができます。


ここで集められたコーヒーチェリーはその日の夕方に、まとめて精製所へと運ばれ、ここで一気にコーヒーの精製がはじまります!


▲コーヒーの水洗・乾燥を行う精製所。200台以上の乾燥台が並び、年間1000t以上のコーヒーチェリーを精製します。



精製1- 皮むき

まず集められたコーヒーチェリーは精製所の小屋の投入口から、パルパーと呼ばれる皮むき機に投入されます。

ある程度の量が投入されたら、皮むき開始です。


▲100kg近いコーヒーチェリーを何度も往復して。


▲エチオピアのチェリーはまるでピーチキャンディーの味。美味しすぎた!!圧倒的に甘くて、チェリーの段階でエチオピアの華やかさが出まくっています。


コーヒーチェリーは果肉がほぼないため、皮むきするだけで種が取り出せます。

機械でまとめて皮むき。水に浮いた種は低いグレードに流れ、沈んだ重い種だけが、次の発酵槽へと進みます。


パルパーで皮むきをする様子。3人体制です。


▲剥かれたコーヒーの種はこんな感じ。


▲パルパーから水路で発酵槽に流れていくコーヒーの種。


精製2 - 発酵

コーヒーの種を洗いたい!んだけど、実は糖分を含む半透明のがなかなか洗い落とせません。これを洗い落とすために、槽に2日ほど置いておいて微生物に糖分を分解してもらいます。これが発酵です。

気温によって時間を変えたりしながら、発酵をコントロールしています。この発酵の間にいろんなフルーティなフレーバーが生まれたり、風味をつくる上で一番大切な工程です。


▲1つの発酵槽に20t分のチェリーから取り出されたコーヒーの種が入れられます。


▲発酵が進むと泡立ってきます。エチオピアではの出方を見て発酵具合を判断していました。


精製3 - 水洗

発酵が終わったコーヒーは一気に水洗

水洗用の水路で力を合わせてゴシゴシと。

発酵で溶けたベタつきを綺麗に洗い落とすほど、乾燥も早く進み透明感のあるテイストになるんです。


精製4 -乾燥

洗い終わったコーヒーはみんなで乾燥台まで運び、2週間かけて乾燥します。
アフリカンベッドと呼ばれる、竹や木でつくられた通気の良い乾燥台で、日中は混ぜながら天日干し、霧が出る夜間はビニールシートでくるんで守ります。

▲幅30mのアフリカンベッドにコーヒーを並べる女性たち。


精製所にはピーク時には約300-500名のメンバーが働きます。給料は1日約1.6ドル = 180円ほど。

基本的に男女半々で働き、男女ともに同じ給料です。


精製後

この状態のコーヒーはまだパーチメントと呼ばれるが付いた状態。殻むきをしたらようやく生豆の完成です。

10-11%の水分量になるまで乾いたら、首都のアディスアベバの工場まで運び、輸出の準備をしてから最後に殻むきです。

▲コーヒーの殻むき、仕分け、保管を行うドライミル工場。


実はエチオピア、アディスアベバにコーヒーを運ぶまでに検問があり、政府管轄のコーヒー組織ECXのオークションに出すか、直接外部のバイヤーに売るか、現状ではどっちかしか選べません。

一度直接販売を選んだら、ECXの公式オークションには戻せないのです。

90%以上はECXを通してコーヒーが売られます。日本の農協のような立ち位置です。


精製所にとって、できれば外部のバイヤーに直接売りたいけど、契約がないまま直接販売しようとすると、断られてしまってはもうコーヒー豆の行き先がないのでリスキー。でもバイヤーは最後の輸出直前の段階で品質を確かめたい、そこで質が落ちていたら買わないこともある。

リスクを負ってまで国のオークションにかけない直接取引には、品質に自信のある精製所しか踏み切れないんです。


コーヒーの質と農家の暮らし

世界で一番美味しいエチオピアのコーヒーは、こんな流れで作られています。

圧倒的な土壌パワーと、もともと育つ素晴らしい原種、安い賃金だからできる大人数で大規模な集中的な精製が、エチオピアの素晴らしい品質を支えています。


▲コーヒーチェリーごと乾燥させてまとめて脱穀する「ナチュラルプロセス」も人気。チェリーのまま発酵が進んでしまうので、コントロールは難しいが、よりフルーティな風味になります。


美味しい分だけ高い価格で買って、誰がどこでどう作っているか、情報も一緒にお客様に伝えて、お金や情報のやりとりが透明なのがスペシャルティコーヒーの良さ

だけど、エチオピアの農村地域はまだまだ貧しかった


▲車に集まってくる子供たち。


精製所に行くために車で農村を通ると、外国人が珍しいので住民全員家の前に出てきて、「外国人だー!」とみんな口々に叫びます。

綺麗な水がないので、洗濯も皿洗いも、用水路の茶色い川で。村によっては飲み水も川からだったり。

飲みかけのペットボトルの水を渡すだけで子供たちはめっっっっちゃ喜びます。

▲一緒に取り組む精製所がつくった学校の子供たち。


コーヒーの価格も毎年上がっているし、コーヒー生産を通して地域が活性化しているのも確か。

現地の精製所は、農村に学校を作ったり、スペシャルティコーヒーでの利益を農家に分け、「次の子供たちが育つからこそ未来もコーヒーは生産できてサステイナブルになるんだ」と話します。


まだまだまだまだ、コーヒーで変えられる社会はたくさんある。

スペシャルティコーヒーはやっとスタート地点


美味しさの向こう側にある暮らしを、もっともっと良くしたいな、そう思ったエチオピア渡航でした。


みんな、超美味しいエチオピアのコーヒー、飲んでね!!



川野優馬
LIGHT UP COFFEE



さいごに

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