見出し画像

台風16号(9/27午前9時での予想)

今週後半は東日本中心に台風16号の影響を受けそうです。

今の台風の状況や、今後の見通しについて書いていきます。

発達の最盛期過ぎた?

画像11

台風16号は午前9時現在、

中心気圧935hPa、最大風速50メートルと非常に強い勢力に落ちました

台風の中心付近には雲がない眼がありますが

この眼がはっきりしているほど勢力が強いことを示しています。

画像2

午前9時の時点での衛星画像です。

中心付近ははっきりと眼が見えます。

雲は中心よりも東側に広がっていて、西側はちょっと少なめです。

円形が崩れてくると台風の勢力としては弱まりますが

なんとなくそんなふうにも見えます。

この要因は上空の水蒸気量です。

画像3

こちらは水蒸気画像と言って、大気中上層の水蒸気量やその流れを見るものです。

白いほど水蒸気が多いことを示していますが

台風の西〜北側には水蒸気が少ない領域が見られます。

つまり乾燥した空気があるというわけです。

乾燥空気が台風に取り込まれると、雨粒、雲粒が蒸発し水蒸気に変わり

その際に周りから熱を奪うため、台風のエネルギー源がなくなっていき

勢力は弱まっていきます。

ただ、気象庁の台風予報ではまだ発達する予想です。

画像11

台風進路予想図に海面水温を重ねてみると、30日(木)までは

30℃以上の非常に暖かい海の上を通る予想となっており

この影響でまだ発達すると予想が出ているものと思われます。

多少勢力が弱まったとしても、最強クラスまで発達していますので

全く影響がないほどにまでいくことは期待できません。

影響はいつ頃から

画像12

1日(金)は非常に強い勢力で伊豆諸島近海を北東に進み

2日(土)は日本の東を進む見込みです。

このため1日(金)は東日本太平洋側中心に大きな影響を受け

北日本太平洋側は2日(土)にかけて影響が残ります。

高波に警戒

ただ、高波に関してはもっと早く影響が出ます。

画像6

台風の中心がまだ離れている30日(木)未明でも

高波のエリアは南西諸島から東日本太平洋沿岸に広がっています。

台風は非常に大きなエネルギーを持っているため

遠くにまでそのエネルギーを波として伝えます。

南西諸島と西日本太平洋沿岸は29日(水)から大しけで警報級の恐れがあり

30日(木)は東日本太平洋沿岸も警報級となる可能性が高いです。

台風が近づいてくる時の波はうねりを伴っており

普通の波よりも人並みのインパクトが大きいです。

晴れていても海のレジャーは控えてください。

画像7

画像8

風の影響

画像5

30日(木)の午後3時の雨と風の予想です。

台風の中心付近に活発な雨雲が広がり

中心に近づくほど風が強いことがわかります。

この先の現時点での予想では伊豆諸島付近を台風が進む見込みのため

暴風に関しては進路に近い伊豆諸島が最も警戒で

30日(木)〜1日(金)にかけては

最大風速は40メートルを超える猛烈な風が吹く恐れがあります。

進路が少し陸側に寄った場合は、30日(木)〜1日(金)は

本州でも暴風警報の可能性があります。

画像9

画像10

雨の影響

雨は現時点ではまだ詳しい予想が出せませんが

伊豆諸島では警報級大雨の恐れが高いです。

また東海、関東、東北南部太平洋側も

台風の中心がそれほど近くなくても

台風が運ぶ暖かく湿った空気が東寄りの風で入り

山にぶつかり同じ場所で大雨が続くパターンも考えられます。

2年前の令和元年東日本台風もその影響で雨量が非常に多くなりました。

そうなると警報級の大雨となる可能性があります。

穏やかな天候のうちにハザードマップや備蓄品の確認、補充等を行っておき

いざというときに早く逃げられるようにしておきましょう。

画像11


おもしろい、少しでもお役に立ったならよろしければサポートをお願いいたします!気象業務への活動費にさせて頂きますm(_ _)m