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武道館、サラバ青春

涙が止まらなかった。

それを聞くのが最後だからなのか、彼女たちの物語の完結だからなのか。
彼女たちの涙に誘われたのか。彼女たちの演奏に心を動かされたからなのか。音楽から彼女たちの思いが伝わってきたからなのか。
あの頃の自分の記憶や思いが蘇ったからなのか。
会場全体にあった優しさと寂しさに共鳴したからなのか。

『サラバ青春』を演奏する2人の背中をみて、涙が止まらなかった。


チャットモンチーのラストワンマンライブに行ってきた。武道館は超満員だった。追加席で当選したぼくの席は、ステージの裏側。演奏する2人が、後ろから見える席だった。
演出も音も、前から見る席用に作られているから、はじめ残念に思っていた。だけど、この場所だったから、ぼくはより一層チャットモンチーを感じることができた。
後ろから見える景色は、作る側の景色だった。

集まった、たくさんのファンの顔が見える。手拍子する人、腕をあげる人、踊る人、じっと見つめる人、笑顔の人、涙を拭う人。
楽しむ人たちの思いが伝わってきた。最後を見守る感情が伝わってきた。

たくさんのスタッフの姿も見える。ステージの横で見守る人。楽器のメンテナンスや準備をする人。演者がステージに入るとき、ステージを去るときに迎える人。カメラのシャッターを切る人。映像を撮り続ける人。最前列の柵を守る人。
つくることに関しては、まったくわからない。だけど、演奏する2人はもちろん、それを支える人、この公演をつくる人、たくさんの人たちがいて、この場やこの音楽が存在していることを実感した。そして、つくる人たちみんなにとっても、最後なんだという気持ちが伝わってくるようだった。

彼女たちの背中と、演奏を届ける姿が見えた。
ギターを弾く指の動き、ドラムの動き、演者で同士で合わせる動き。
一曲一曲を大切にするような、でも普段と同じような、そんな姿がみえた。

この光景は、観客席とも、作り手側の席とも違うけれど、いつも以上に、『チャットモンチー』を体感できるものだった。
前から見えなかったのは、ちょっと残念だったけど、最後を同じ場で、いつもと違うところから体感できたのは、ほんとうに幸せだ。


チャットモンチーに、また、会いたい。

#日記 #コンテンツ会議 #チャットモンチー

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