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企業はまずトイレを綺麗にしなければならない。(N証券とS証券、違いは衛生要因の満足度)

はいどーも、ユーマです。

お久しぶりの投稿です。
年内の”記事”としては、これが最後となります。

私は冬休み、大阪でゆっくり過ごしていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

先日私は大阪に帰ってきて親の証券会社訪問に付いて行きました。今回私が訪問したのは某証券業界トップN証券と、某銀行提携型のS証券です。どちらも2時間ほど滞在し、少しお話しさせていただきました。その中で見つけた両者の違いとと、私が感じたことについて今日は書きたいと思います。



まずは証券会社の仕組みからおさらい。
証券会社には5つの業務があることをご存知でしたか?


[5つの証券会社業務]


・ブローカー業務;私たち顧客が株の売買をする時に仲介してくれて、委託手数料を受け取る

・ディーラー業務;私たち顧客が預けているお金(資産)を運用して収益プラスを目指す

・アンダーライティング業務;株や債券(有価証券)を資金調達したい企業から買い取って私たち顧客に勧め、手数料を受け取る

・セリング業務;アンダーライティングでは株を自社で買い取るが、セリングは自社で買い取らず、私たちに勧めるため、リスクも低い分手数料も安い

・アセットマネジメント業務;私たち顧客の資産運用にアドバイスをしたり自社に預けてもらって、自分たちが運用し、長期的に手数料をもらう


こんな具合に収益モデルが存在しております。

私の家の場合、ブローカー業務とアセットマネジメント業務を一人の担当者の方を信頼してやっていただいているので、必ずしも一人一人が分担して業務をしているわけではないようです。


その背景には、最近の証券会社は投資信託といって、私たち顧客の資産を預けてもらって、長期的にいいリターンを渡し続ける業務に力を入れているようです。

というのも、ブローカー業務では売買の時のみで短期的な収益しかあげられないこと。

そして自社資産を運営するディーラー業務には制限があり、収益を伸ばすということよりも、企業が潰れないように最低限確保していく側面の方が強いらしく、証券会社の収益構造に手詰まり感があったようです。

結果として、最近の証券会社は地方に店舗を持ち、対面してお客さんと対応できる環境を積極的に作っており、投資信託を増やそうと試みているようです。


と、ここまで証券業界の簡単な収益構造を見てきました。
続いて私が感じた最も必要なスキル。




証券マン=信用バイヤー



これが私の抱いた結論です。

全ての業界に共通して信用性というのは必要になってくると思いますが、証券会社が相手にする顧客は企業ではなく、私たち消費者です。

そして、最も大きな違いは、お金を扱うというポイントです。

もちろん顧客である私たちが汗水流し働いて得た対価であるお金を減る可能性も考えられる投資に回す決断をする。証券マンは無理強いすることはしませんが、どうにかしてお金を預けてもらいたい。ここで最も大事なポイントは”信用性”であると感じました。

しかし、私たち学生が考えている信用とは”獲得方法”に少し違いがあると感じます。



どれだけ時間をかけれるか?



他人を信用する時に必要な条件というのはいくつかありますが、証券マンの社会では”表面的なことをいかに賢そうに話せるか?”も必要だと感じてしまいました。

今回資産運用のプランについての話をしてもらいましたが、全て向こうが用意した専門用語を中心に、OOはXXと言いまして、これが10年後にはこうなります。それを今回は40年の積み立てですので、シュミレーションではこうなっております。。。。。

途中質問はありますか?といった具合にこちらに聞いてくれますが、話の本筋をまずつかめておらず、表面的な話しかされないので質問の仕様がありません。


しかし、大人たちはそう言った本筋を見せないわかったような気になる説明で、承諾し、契約する。


つまり、こういうことですよね?と一文でプランについて話してみると、つまりはそういうことです。と言って苦笑いを浮かべる。

こっちは、その一文で言われたほうがわかりやすいのにもかかわらず、社会ではその一文を百文に変えて説明する。

どうして社会では、その一文を最初に言ってから説明してくれないのか。

おそらくそれは、顧客である私たちが一文での説明よりも百文で説明された方が購買行動に出やすいという理由があるかもしれない。


顧客である私たちが自ら稼いだお金を預ける契約の中で、あまりにも簡単(淡白すぎる)説明で、『はい、こんな形になっております。預けてください』なんて言われても確かに信用できないかもしれない。


あの空間での信用とは”より長く時間を積み重ね、多少の難しい知識を織り交ぜた会話をし、できる限りのホスピタリティで対応し、楽しくお茶を飲むこと”で獲得していくものであるということであり、

決して、”彼は人間として頼れる人間だから任せよう”というものではないと感じた

その理由はN証券という名前以外の何者でもないと思う。




見た目が大事



S証券には別件があって行ってきたが、親の態度がどうも違った。
それにはいくつか理由があって、

        N証券 l S証券
綺麗さ    O l X
部屋の機密性 O l X
机の豪華さ  O l X
洋服     O l X


といった、見た目の差が顕著であった。

これは、一見すると本質とは違う点なのでは?と思うかもしれませんが、経営学では衛生理論(ハーズバーグの動機付け要因と衛生要因)というもので解説されています。

ハーズバーグ理論の説明をする前に、それぞれの単語の定義。

ここでの動機付け要因とは

達成・承認・昇進・成長・責任といったもので

衛生要因とは

人間関係・給料・清潔さ・見た目などです。


ハーズバーグ理論の革新的なところは

人間のモチベーションを上げるには、達成感・承認欲求といった満足度を埋めることで成功するというものであるのですが、

その際に、衛生要因(清潔度や人間関係)といった満足度が埋められていない状態だと、どれだけ達成感や承認欲求を満たしても、モチベーションは上がらないということです。

そして、衛生要因の満足度を極限まで高めても、モチベーションが比例的に上がらないということです。


つまり、こういうこと

トイレが汚く、一日で最も話さなければならない同僚がめちゃくちゃクサイ時、自分が部長になって100億ものプロジェクトを任されていたとしても、モチベーションは上がらず、


黄金のトイレと、一つ100万円もする机で仕事をして、給料が高くても、上司からいつまでたっても認められず、万年平社員待遇だと、モチベーションは上がらない。というところです。


つまり

最低限の衛生要因が満たされなければ、何してもダメなのです。


今回の例に当てはめてみると、

S証券でも個室であったが、隣の話声は聞こえ、N証券と比べると部屋そのものが古く、ところどころにボロさが目立つ。椅子は硬く、契約のために部屋に用意されているペンに高級感がない。

こう行った点が衛生要因に含まれ、S証券は満たすことができていなかったと思う。




信頼=業界トップ


もし仮に、N証券とD証券(私は行ったことないから比較できませんが)の衛生要因満足度が同じならば、次に顧客である私たちが見るのは”売上高の順位”である。

これはみなさんも一つの判断基準として持っているかもしれないが、お金を預けるとなったとき、より信頼できる方と考えたときに、よりみんなが預けている方と考えるだろう。

実際は、企業の人数が圧倒的に違ったり、関連会社をたくさん持っていて連結決済の売上高であったり、収益スタイルをたくさん持っていたりと単純に売上高の比較では見えないものがあると思いますが、顧客からすればあまり関係ありません。


そのため、こういった信用商売では業界1番の企業と2番手とでは大きな差が開いている傾向にあると思います。(実際N証券とD証券では3倍ほど離れている)



と、まぁここまで証券会社に行って感じたことを書いてきたが、最後に今回対応してくださった人と話して感じたことについて




お金と関わる仕事に終わりはない


これはやりがいの問題であったり、完全主観の人間的面白みの問題になるのだが、


<常に対応する側の人間>

市場の動向を読む際には、株主の感情を読み取ったり、その原因となった発言を調べたりと様々な情報が複雑に絡み合っています。そういった情報が反映されたマーケットに対応し続けなければならず、自分がその中心に立つことありません。



<なにも生み出さない>

顧客の皆さんの資金運用をして、安全・安心な生活を送る手助けもする証券会社ですが、仕事の大半がお金のやりとりで利益を生み出すことをです。大金を動かしますが、結局は何も生み出すことがないので、面白みを見出すのは好きでないとできないでしょう。(最近は応募してくる学生はすごく多いらしいですが、優秀な学生がかなり減ってきて困っているようです)



<会話が恋バナとマーケット>

人によるとも思いますが、僕が話したときはソフトバンクとトランプの話ばかりでなんとも難しい話ばかりでした。(40歳独身女性)


そうは言っても、金融マーケットが好きな人や、大金を動かしたいと思う人はたくさんいるでしょう。好きなことを仕事にするべきだと、証券会社を訪問して分かりましたとさ。



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