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<全文公開> 出口塾発足会『僕のライフネット生命の起業はこうやって始まった』


はいどーも、ユーマです。

7/16  2・3限でAPU起業部出口塾の発足式がありました。

僕も塾生(ちゃっかり申請してました笑)ということで、参加してきたんですが、発足式の内容をレビューします。

前から2番目で出口さんが話されている中、ずっとタイピングしていたので、かなりうるさかったと思いますが、投稿するために頑張りました!!

そして、最後の方は指つりました。笑



ということで、本題に入りますが、全文を掲載していますので、少し長いですが、ご了承ください。

(以下文中に登場する「僕」は出口学長のことを指す)



『僕のライフネット生命の起業はこうやって始まった』


・なぜ7/16に発足式を開催したのか?
・APU起業部をなぜ作る必要があるのか?
・APU起業部の目的
・起業・社会起業にとって必要なこととは?
・プロジェクト
・仲間集め
・お金集め
・最大のチャレンジ
・ダーウィンの正しさ
・一番難しかったのはBtoCの難しさ
・そして今の現状
・結び



<なぜ7/16に発足式を開催したのか?>


今日は海の日です。
(ちなみに、APUには祝日・祭日はありません笑)

APUの校舎からは別府湾が見えるわけですが、ちょーど400年前大分は日本で一番進んだ国際都市でした。

大友宗麟の手によって、府内が最も栄えていたわけですが、
当時生まれた人が伊東マンショです。

彼はローマまで旅を通して挑戦し続けたわけです。
僕もAPUから別府湾を望み、400年前の伊東マンショと同じ景色を見て、APUで生に世界でよりチャレンジして欲しいという気持ちでスタートを切りました。

そして、君たち学生が広い海に繰り出していけるように、と海の日を発足日にした次第です。



<APU起業部をなぜ作る必要があるのか?>


APUが日本の大学の中で、何の分野で東大をはじめ他大学に負けないのか?

ダイバーシティです。

世界88カ国から学生が集まり、一つのキャンパスに集まっているのは日本中どこにもない。

日本人だけに目を向けても、ダイバーシティなのは明白です。

首都圏の有名大学に通う学生の3分の2は首都圏からきています。

しかし、APUは47都道府県全てから学生がきており、

3分の2の学生は九州以外からきております。

これこそAPUの宝。

ダイバーシティが産むものこそ、イノベーションです。

異質な人が集まることで、イノベーションは生まれる。

イノベーションとは既存知の掛け合わせがほとんどで、アインシュタインが生んだようなイノベーションは歴史上ほとんどないんですね、

産業革命の話をしましょう。

みなさんは歴史で、産業革命が起こったのは、ワットが発明した蒸気機関と習いましたよね?

最初イングランドは木を切って産業に使っていたわけですね。

でも切り過ぎてしまって、木は無くなってしまいました。

そこで、石炭を取り始めるわけですが、イングランドは湿地帯だったため、ほったらすぐに水が出てきてしまったわけです。

ワットは図書館にこもって、本を漁ってたんでしょうね、ある一冊の本を見つけました。

古代アレキサンドリアで蒸気の力で、蓋を飛ばしている文献を見つけました。

そこでワットはこう考えるわけです。

この力で水をふっ飛ばしたらいいのではないのか?

そうして、蒸気機関が生まれたわけですが、

空間的・時間的にキョリが遠い既存知を組み合わせて出来上がったのが蒸気機関であり、産業革命だったわけです。

その点、世界88カ国から学生がきているAPUのダイバーシティな環境はイノベーションが生まれるはずなんです。

だったら、この環境で、起業家・社会起業家を生み出さなければ申し訳なく、宝の持ち腐れと言われても仕方がない。

だから、APU起業部は作らないといけないんです。



<APU起業部の目的>


目的がなければ、本気度はわからないです。

そして、APU起業部の初年度の目標は5つの起業を産むことです。

夢が小さければ、やることはたかが知れています。
大きい夢を持たなければ何もできないし、背伸びをしなければ何も進歩しません。

では、どうやって起業家を生むのか?

結論から言えば、塾生には完全バックアップの体制を取ります。

ただ、30組集めて講義しても企業アイディアは全部違うので今がないですね。

なので、個別に対応します。

そして、世界中に散らばるAPUの卒業生のネットワークも活用して行きます。

ここで、協力していただける先生方を紹介します。

〜割愛〜



<起業・社会起業にとって必要なこととは?>


全ては算数だと考えます。

みなさんがしたいことはなんですか?
これが志になるわけです。

そして、みなさんがしたいことをビジネスプランに落とし込むことを算数と言います。
やりたいことをどうやってやるのか?が事業プラン

僕は以上の二つが起業のエッセンシャルだと思っています。

そしてみなさんに覚えて欲しいことが4Pです。

授業で習ったと思いますが、起業に必要な4Psはこうです。


Project/ Peer/ Passion/ Play


一つづつ説明しますね。

プロジェクトはそのままの意味です。
これがなければ始まりません。

peerとは仲間のことです。
仲間がいないとできません。

パッションは自分たちのエンジンです。
起業ではどこかで、リスクをとって走る必要があります。
その時に必要なのです。

プレイ
生真面目にずっとやってると、どっかで必ずしんどくなります。
適度に遊び心が必要です。

つまり、プロジェクトを仲間とともに情熱を持って楽しくやっていくことが長続きの秘訣だと思います。



<プロジェクト>


僕がライフネット生命を立ち上げた時の話になりますが、

人口が減り続けて、中長期的に成長している国家は歴史上存在しません。

人間も動物なので、赤ちゃんを生むことは当たり前です。

近年仕事か赤ちゃんかと言う話題が上がりますが、これは完全に間違っていて、赤ちゃんがいないと、人類は滅びる。

赤ちゃんを育てるために仕事をする。

だから、僕は保険料を半分にして安心して赤ちゃんを産める社会を作りたい。

インターネット生保を作りたかったわけではない。

保険料を半分にしようと思ったら、インターネットを使わざる得なかった。

ミッション・コアバリュー・ビジョンみたいなのがゆわれますが、

今言ったのはミッションです。

そして、コアバリューとして、僕の会社では作るべき会社・どう言う会社の像を24の文言で表した。

正直に商売をし、情報公開を徹底し、安くて分かりやすい便利なサービス。

話は変わりますが、

保険の免許は総理大臣の免許と同じで、

作ったら・成ったら、すぐ無くなってはやばい

だから、審査がすごい厳しかったんですね。

金融庁が私たちに問いかけてくる質問はこんな感じでした。

サービス開始初日に500万人登録したらどうしますか?

絶対来るわけないじゃないですか。
だけど、それを論証できないんです。

だから、もしかしたら荒れるかもしれない可能性のために、500万人登録した時のことも考えなくてはならない。

逆に0だったらどうしますか?
ってゆう質問も来ます。

僕が入りますが、と言っても、60の私は審査に落ちるかもしれないでしょ。
と突き返されます。

だから、0から500万人までの全パターンに対応できた事業プランを作らざるを得なかった。

本当に大変やった。

事業プロセスを作るなら、事務のプロセスを考えると分かりやすかった。

送られてくる資料を入れる封筒代。そして封筒に貼る切手代。
そう言うものを積み重ねて考えていくと分かりやすかった。

そうして志と算数ができました。



<仲間集め>


次に問題なのは仲間集めです。

高い給料は払えない。

定年退職者専門の中途採用を回ったが結果的には若い人ばかりが入社した。

どうやって集めたかと言うと、ブログでした。

パートナーの岩瀬さんが毎日のようにブログを投稿していたことで勝手に集まって来た。

ブログの内容としては、こんなことを書かれました。

僕(岩瀬氏)は自分の父親よりも年上の人と一緒に起業している。
こんなの2年もやってて本当に免許はもらえるのか??

こんなことまで赤裸々に語られるわけです。

なんで2年なのかと言うと、

保険の免許を頂くには8センチくらい資料を積み重ねないといけない。

ただ、2ページ書いたら金融庁に持っていき、ほとんど赤線で帰ってくる。

その繰り返しで2年もかかってしまう。

ある時、こんな人が採用面接に来ました。

「岩瀬さんのブログを読んでいる限り、彼にマーケティング能力はない。
そして出口さんにはインターネットの知識がない」

だが、僕はどちらも専門的にやっています。

だから僕を採用しなさい。

結果的には毎日ブログを書いていたら、勝手に集まった。

そこで、私たちは公募すればいいやん?と言うことで採用しました。

採用基準は「相性」です。

採用担当が絶対採用してほしいと言ったら、ノータイムでオーケーしていました。

そして、新卒は30歳まで新卒と定義して、難しいテーマを出して、論文だけで採用。

面談では本当に自分で書いたのか?だけを確認していました。

小さいベンチャーは大手と同じことをしていてもダメで、尖った人を採用しないといけなかった。

その点、難しいテーマに字数無制限で答えてもらうのがトガリを見つける上で最も有効的だった。

そして、もう1つはwebで情報公開していたこと。

情報を公開していた子で足切りの効果があった。



<お金集め>


保険会社を作るのに、資本金として100億円を準備するのが相場で決まっていました。

ライフネット生命は結果的に132億円集めました。

そして現在会員数は28万人。

28万人の管理はパソコン1つでできるのだが、金融庁に500万人来た時どーするねん?と言われていたので、

東京と大阪に最初から500万人に対応できるサーバーを設置していました。
そのため、初期投資がかなりかかるのです。

こんなのは投資家を当たってももらえる額ではないので、投資してくれそうな会社を探しました。

まず商社です。

三菱商事と三井物産が思い浮かびましたが、三井物産はネット損保に投資していたので、物産の方がわかってくれるなーと思い、物産に話しに行きました。

そこでお金をもらえたのは事業プランが細かかったからです。

0から500万人まで対応していて、いろいろなパターンを用意していることが信頼につながりました。

事業計画・仲間・お金

これらが揃ってもダメな時はダメなんです。

運も必要です。

僕が金融庁に初めて行ったのは2006年です。

実際に免許は1年半で降りて、2008年3月31日に132億円の銀行預金が出来上がりました。

もし免許取得に2年かかっていたら、2008年の9月ですね。

みなさん分かりますか。

リーマンショックです。
こんなのはいくら努力してもわかんないんで、運は大事やな。



<最大のチャレンジ?>


実はライフネット生命は世界初のネット生保

保険料を半分にするにはインターネットを使わなあかんかったけど、
ネット銀行やネット損保は全て欧米から来ているから、ネット生保も真似すればいいと思ってた。

だけど、実はネットと生保は相性が悪いことが分かった。

なんでかってゆうと、クリックした瞬間に商談が成立してしまう。

でも。生保は長いから、見通しがつかず、クリックまで遠い。

ある時ゆわれたのが、保険は20年後とかだから、その時までライフネットがあるかわからんで!と言われた。

これは、個人が保険会社を新規設立したことがない。
そして、設立母体は全て大保険会社

ライフネットは個人が設立して、バックがない。

だから、安心できない。

難しいこんなシュチュエーションがあった。

銀行口座に100億以上のお金がないと免許出さないで、と言う金融庁

そして、免許見てからお金は出しますと言う三井物産

の板挟み状態になってしまった。

そこで取った解決方法が仮免許。

仮免許を取った会社が免許を取れなかったことがない、と言う事実から

2年間で取れなかったら、残った金額は返還することを条件に融資をもらった。



<ダーウィンの正しさ>


ダーウィンの主張は正しいと思ってて、
強いもの・賢いものが生き残るわけではない。

運と適応が全て。
将来のことなんてわからないんですよ。

例としてあげられるのは、スマホ

ライフネットの開業時、スマホはなかったですね。
ビジネスモデルとして、ネットに対応した形で組んでいました。

しかし、現在は50%がスマホを通して契約されている。

僕は当時、こんな小さいものから生保を契約するなんて思いつかなかった。

だから、KDDIと業務提携を結んだんよね。

こんな感じに、事業計画の齟齬は起きてしまう。

だから、RUN&TESTを繰り返すしかなんよ。



<一番難しかったのはBtoCの難しさ>


BtoBは毎日企業を回って頑張ればいいのに、市民の皆さんに買ってもらうのは難しい。

だから、僕はいろんなベンチャー創業者に話を聞いたわけだけど、
一人納得いけることを言ってくれた人がいて。

澤上さんってゆう社長さんは

『僕の真似をしなさい』と言われた。

毎日を10年続ければ信用がたまる。

僕もこれならできそうだと思い、真似してみた。

講演会の開催と・本を書き始めた。

パートナーの岩瀬が講演会を主催してくれたんだけど、講演会費用に25万プラス旅費で講演会を企画して、十五人しか集まらなかった。

本は最初、ライフネット生命が30歳と60歳のタッグが面白いということで、出版社が来てくれた。

ある時から歴史の本を書くようになったんだけど、

ーある日、ツイッターをしなさいと言われた。

なんで?

出口さんいつも言ってますよね。

大手と同じことをしてはいけない。と。

まさか、有限不実行じゃないですよね?

ということで、ツイッターを始めたです。

そして、最初の投稿が「今日はいい天気ですね。」から始まった。

たまたま、仲のいい京大の教授から、イスラム史の講義を頼まれた。

僕は別に良かったから引き受けて、新幹線の中で義務である、ツイッターに
「今から京大でイスラム史について講義します」と投稿。

そしたら、リプがきた。

「僕も聞きたい!」それに答えてるうちにタスクのツイート3件が終わったんだけど、その時リプライ送ってきてくれた若者がある時、20人くらい集めてイベントを主催してくれたんですよ。

それで、それから年3回くらい開催していた。

その講義を好きになってくれた出版業者の方が出してくれた本が『仕事に効く教養としての「世界史」』

そうやって続けていく中で、少しずつ信用が溜まっていって、今があります。



<そして今の現状>


ライフネット生命の営業キャッシュフローが40億を超えた時点で、もう大丈夫だなともった。

それに、森くん(現CEO 森亮介)が優秀で社長のスキルを持っていたから、去年バトンタッチしました。

そんな時に、学長に公募推薦で選ばれてしまったので、これからはAPUで頑張ります。

僕はライフネット生命で保険料を半分にした結果、
競合大手も保険料を半分にし、

今の平均保険料はライフネットがある前の半分近くまで安くなりました。

僕は志を少しは叶えることができたのでは?と思っています。



<結び>


チャレンジして99%は失敗する。失敗しても多数派になるだけです。

人間の歴史が進歩してきた理由は1%の成功。チャレンジしてきたこそ、人間の歴史が進歩してきた。

バーナードショウという人が言いました(ジョージ・バーナード・ショウ;アイルランド出身の劇作家)

「賢い人は空気を読んで世界に合わせてしまうから世界を変えられない・賢くない人は世界がわからないから、自分のやりたいことを言い続けて世界を変える」

世界を変えるのは「よそ者馬鹿者若者」で、人生とはチャレンジすることだと思っています。

200万いる団塊世代はそろそろ引退し、2030年には800万の仕事がなくなる。
だから、今の若者はいくらでも仕事はある。チャレンジするしかない。チャレンジこそ楽しい。
だから、企業部の皆さんは是非チャレンジして欲しいと思っています

APUの2030年のビジョンはみなさんが世界に散らばり、自分の居場所を見つけ、自ら考え行動して、世界を変えることです。

大学が全力で皆さんを支えます。

APUの宝物はもう一あります。

全世界に張り巡らせた、33のチャプター

一期生がまだ35歳くらいです。一番偉くてもキルギスの大臣レベルですが、、笑

日本の中で一番強いのは慶応の三田会です。

バンコクで100人集めまれる三田会(中身は駐在員)

APUは数十人(現地でビジネスをやっている)

さぁ、今日からAPU起業部頑張って行きましょう。


ありがとうございました。


ー以上でレビュー終わりです!ー


これ出口学長に記事公開OKもらってますんで安心してください。

明日は、出口学長講演会『歴史から学べ、博学になれ』の全文公開します!!!

ちなみに、最高に楽しくて、僕を含め、みんなの名前まで覚えてもらって、しまいました。


詳しくは明日の記事で!

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