【活動紹介#1】児童養護施設退所後の就労・住まい・心のサポート-「巣立ちの翼プロジェクト」
今回は、本法人の取組の1つ「巣立ちの翼プロジェクト」について紹介します。
社会的養護が必要な子どもたち(以下、ユース)は原則として18歳になると児童養護施設を退所し自立します。そんな「巣立ち」を迎えたユースを就労、住居、心の3方面からサポートする取組です。
1.就労支援
「仕事が続かない、うまくいかない」
ユースの就労ニーズを本法人の関連企業・協力企業様がヒアリングし、希望に沿う求人の紹介、面談サポート、就職後のアフターフォローまでを一貫して行います。ユースに特化したマンツーマンのキャリアコンサルティングです。
2022年1月に発表した東京都の調べによると、児童養護施設出身者で仕事を既に辞めている人のうち、約43%は就業から1年未満で辞めています。
ユースの話を聞いてみると彼らの希望する就業先と現実に乖離が生じていることもしばしば。その際には、ユースと一緒に理想と現実のギャップを埋める話し合いを重ねることもします。
同時に、ユースの受け入れ先企業の拡充も必要です。企業様・団体様に社会的養護の現状を伝えると共に、受け入れいただけるよう呼びかけています。
興味のある企業様は、以下のフォームよりお気軽にご相談いただけますと幸いです。
2.住環境サポート
「保証人がおらず家の賃貸契約が難しい」
ユースの悩みの1つが住居です。保証人となる家族がいないことから家を借りるハードルが高く、本人の個性や才能にマッチしない住み込み寮付きの職場に通わざるを得ないケースが少なくありません。
本法人では、東京都江東区のUR賃貸住宅をリフォームし、ユース寮として提供してきました。(※当時、どんな住宅か、ユースの住んでいる感想など分かれば入れる ex.窓からの景色、嬉しい声等)
また現在は、LCVグループと不動産会社の協力のもと横浜市内の物件をユース寮として格安で?提供しています。
そのほか、本法人の関連企業より家具や家電等の生活用品を寄付するなど、入居後の生活サポートにも取り組んでいます。
3.心のケア
「人付き合いが苦手で、頼れる親や相談者がいない」
過去に受けてきた心の傷から職場で自己開示ができず、上司や同僚との信頼関係の構築に難しさを感じているユースも多いです。
施設を退所した後、近くに頼れる親や相談者がいないことも、彼らの孤独を一層助長させています。
退所後の心のケアとして、本法人スタッフによる自宅訪問や食事、買い物への同行など、ユースが気軽に相談できる窓口を設けています。
また児童養護施設出身のユース同士が定期的に交流できるコミュニティ作りとして「ふれ愛プロジェクト」も実施中です。
お金の管理サポートも欠かせません。ユースたちと話していると「頑張って働いても収入を得ると散財してしまう」という声を聞くことが多いです。(ユースに限った話ではありませんが…)
そこでお金に対する考え方や向き合い方を深めるために、1人1人に渡した家計簿を本法人のスタッフが月に1回ほど確認するようにしています。
おわりに
巣立ちと共に生まれる課題
児童福祉法のもと原則として18歳になると自立が求められるユース。東京都の調べによると(※)施設出身者の約43%は高校卒業と同時に仕事を始め、お金を稼ぐこと、住まい、生活全般の管理などを一挙に行っている状況です。
・施設を出たあとの仕事を探している
・施設を出て一度は仕事に就いたが上手くいかず悩んでいる
・職場の住み込み寮以外で暮らしたい
・頼る大人が居なくて困っている
あなたはこの様な悩みを抱えていませんか?
あなたの近くにこういった若者はいませんか?
そして、私たちの活動に賛同いただける企業様、団体様、個人様がいらっしゃいましたら、お気軽にNPO法人夢の宝箱までご相談いただけますと幸いです。
※2022年1月25日に東京都が発表した児童養護施設等退所者の実態調査結果に基づく
文:中村愛(https://twitter.com/love_chanchanch)
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