数年前に書いた異世界転移物のプロット

当時の担当に「なんか無い?」と言われて突貫で書いたもの。
八犬伝をベースに考えていた。

何かしらの形でものに出来ればいいのですが。

*権利は放棄しておりません。後に他で似たようなストーリーや設定のものが
展開されても自分はお構いなしにこのプロットを使いますでおすし。


プロット・ストーリー

1 異世界に流れ着いたマチルダは親友の篠塚里美の兄の宗介と出会う。
2 宗介は異世界にいるはずの妹の里美を探しておりマチルダも協力することになる。
3 この世界で過ごすうちに曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」の設定に酷似していることに気がつく。
4 しかし細部で違う部分もあり疑問が広がるが、マチルダは里美が現実世界で話していた
「二次創作の里見八犬伝」の設定に近い事に気がつく。
(マチルダは里美と里見八犬伝をかけて今いる世界を「里見の世界」と呼ぶ)
5 里美は八犬伝の犬塚信乃としてこの世界に存在したが現在は行方不明
6 里美を探すマチルダと宗介だがその道中で里美とマチルダが現実世界で因縁のある環梓(たまきあずさ)
という少女と出会う。
7 梓は玉梓(たまずさ)と名乗り、網干(あぼし)というチンピラ侍と異端者と呼ばれる謎の存在と行動を共にして
里美と八犬士を探していた
(里美は異世界の要でありそれと大きく関わる八犬士たち共々抹殺して世界を滅ぼすことで因縁を晴らそうとしており
すでに数名の八犬士が殺害されている。異端者とは世界の抹消という目的上の協力関係。)
8 玉梓との対決で網干を倒すが一方で宗介が殺される。しかしそこに現れた犬山道節に助けられ「妖刀村雨丸」を渡される。
(玉梓たちは逃亡、道節とは別れる)
9 道節と別れ里美を探すために八犬伝の物語をなぞって犬塚信乃が「妖刀村雨丸」を献上しに向かったと事になっている「芳流閣」へ…
(*ここまではオリジナル要素以外では八犬伝のあらすじを追う構成)

10 (現実世界の状況)
里美やマチルダたち親はかつてフランスで「脳を介して異世界とアクセスする」研究をしており
その一環で里美とマチルダ双方の母親を被験者として「夢を現実世界に投影させる」実験を行ったが事故により中止。
*その際にマチルダと里美が被験者二人の妊娠というかたちで産み落とされる。
それからしばらく後、世界中で10代の少年少女が次々と昏睡していく事態が起き、それを「眠り病」と読んで解明や解決が図られる。
「眠り病」が急激に増えたのが「夢を現実世界に投影させる」実験直後からという事に気がついた里美の父は
日本で病の解明を進める中、里美が「眠り病」にかかってしまう。
思案の結果「脳を介して異世界とアクセスする」研究を応用した装置を使い里美の兄を「擬似的に眠り病にして」
彼女の意識の中に送り込み情報収集を行うことを決める。
その後マチルダも「眠り病」にかかり、「異世界」に流れ着き物語の冒頭に至る。

11 芳流閣でマチルダは里美と犬飼現八(いぬかい げんぱち)と犬坂毛野(いぬさか けの)と合流するが玉梓たちの襲撃で
マチルダと里美以外バラバラになる。
12 マチルダたちは玉梓から逃げつつ旅を続けるが追い詰められマチルダが殺害され里美は隙を付いて逃げる事に成功。

13 マチルダは現実世界で目が覚める。
本来なら異世界で死亡すると現実でも死亡するが里美の父親たちの仕込みのおかげで生還。
里美の兄も同様の理由で生きていた。
14 現実世界には存在しないはずの犬坂毛野と出会い、現実世界と異世界とが互いに侵食し始めている事、
「眠り病はその侵食の影響である事、
毛野の正体が現実世界や里見の世界でもないザナドゥという世界の住人である事、
里見が元々ザナドゥの住人でその関係上クリエイター(創造主)の能力を有して「里見の世界」を無自覚に
生み出した事と、彼女がその要であり死んでしまうと「里見の世界」が消滅する事、
そして「里見の世界」と「現実世界」が互いに侵食しあっている為に一蓮托生の関係になりつつあることを聞かされる。
(ただしこの時点ではマチルダの正体には言及しない)
15 以上の事や玉梓の存在などを踏まえ、それ以上に里美への個人的な感情を理由にして再び「里見の世界」へと向かう
(里美の兄が擬似的に眠り病になった方法を使う)

16 再び「里見の世界」に戻ったマチルダは玉梓と対決し倒す

17 玉梓が倒された事を切っ掛けに異端者たちが本格的に侵攻を開始する。

18 生き残った八犬士たちが集い異端者たちと対決してそれを退ける。


●ザナドゥ
脳内とザナドゥとの接続を脳を介する事で、意識(それを魂と仮定する)を別世界として投影させる
その際に人はそれを夢と認識する。
…というのが里美の父が提唱した仮説。
アカシックレコード(神の無限の記録または図書館)と同義だが里美やその父親はザナドゥの方が
言葉の響きが好みということでそう呼び
毛野もそれに合わせて自身の出身世界の事をそう呼ぶ。
脳のつながりをネットとweb上のアクセス等と重ねて、テッド・ネルソンが唱えた「ハイパーテキストプロジェクト」
であるザナドゥ計画から名付けたが本来の「桃源郷」の意味も含んでいる
里美はザナドゥから物語の元を引き出し世界を形成した。

ザナドゥ計画 (Project Xanadu) は、世界最初のハイパーテキストプロジェクト。1960年、テッド・ネルソンにより創始された。開発は長期に及び、1998年に「Project Udanax」としてソースコードを公開。2014年に開発開始から54年間を経てプロジェクトの成果物であるソフトウェア「OpenXanadu」をリリースした。
公式サイトでは、紙媒体との発想の違いを強調している。曰く、「今日、広く使われているソフトウェアは紙媒体を模している。(同様に紙媒体の模倣である)World Wide Webは、リンクが一方向で途切れ易く、バージョン・コンテンツの管理を欠いている。こうしてWWWは、我々が元来構想していたハイパーテキストモデルをつまらないものにしてしまった」。一方、雑誌WIREDはザナドゥ計画を「コンピュータ業界史上最長のベーパーウェアストーリー」と揶揄している。

●キャラクター
異世界での名 *現実世界での名前(仮設定)

●犬士たち

◯犬塚信乃(いぬずか しの)「孝」及び伏姫神 *篠塚里美(しのずか さとみ)
本作のヒロイン
本来は伏姫だが戦乱から落ち延びて犬塚信乃と名乗るが
しばらく後に失踪してしまう。
実は現八と毛野の手引で玉梓から逃れるために芳流閣に身を隠していた。
現実世界では趣味で創作活動を行っており
好きな作品の一つである里見八犬伝の二次創作を作ろうとしていたが
玉梓からいじめに遭いそれが解決した直後に眠り病にかかって中断しているが
異世界である「里見の世界」ではその世界観や設定が反映している。
二次創作上では「八犬伝は好きな物語だが登場人物の大半が悪人なのが嫌い」という彼女の主張が反映しており
原作では性悪夫婦である亀六・亀篠が善良であったりという誤差がある。
人が死んだり傷つく話は嫌いだが悪人や自分や周囲の人を虐げる相手を排除することには肯定的。

父親は日本で「脳を介して異世界とアクセスする」研究をしている。
彼女の正体はその研究の一環であるザナドゥとのリンク実験の結果産み落とされた司書(ザナドゥの住人)で
クリエイター(創造主)の能力を持つ。
その能力で「眠り病」の際に入り込んだ異世界内に「里見の世界」を無意識に作り出し
彼女自身が「世界の要」となる。
一部の人物が原作と違い善良な性格であったりなどの原作との相違点で
マチルダはこの世界が彼女の創造物ではないかと気が付く。

*信乃の二次創作による八犬伝
原作通り里見家は戦乱に巻き込まれる所までは同様だが、伏姫と犬の八房はそこから逃れ武蔵大塚に落ち延び
そこで男装し名を犬塚信乃と改め亀六・亀篠夫婦や養女の浜路の元に身を寄せる。
本当の男性と思い込んでいる(この世界では)女性である八犬士たちや浜路と
男装した信乃をめぐるほのぼのドタバタコメディ…らしい。
ちなみに八房は原作と違いメス。

◯犬江親兵衛(いぬえ しんべえ)「仁」 マチルダ・マルソー
本作の主人公
フランス出身の少女で里美の親友
両親は「脳を介して異世界とアクセスする」研究をフランスで行っていたが
彼女が生まれた前後に研究を中止し数年後に離婚
母親が彼女の身柄を引き取り日本渡る。
彼女の正体はその実験の際に産み落とされた子供で
両親の研究中断と離婚の原因でもある。
里美とは違い司書ではない。
眠り病にかかった後に飛ばされた「里見の世界」ではしばらく自身の役割がわからないままだったが
事態が進むにつれて犬江親兵衛の役割を担う事を自覚する。


◯犬川荘助(いぬかわ そうすけ)「義」 篠塚宗介 (しのずか そうすけ)
里美の実兄で父親の助手で眠り病」の研究者
擬似的に眠り病になって信乃とコンタクトを取るために「里見の世界」に入り込み犬川荘助の役割を担う
網干と玉梓との対決で死亡するが現実世界では生存

◯犬飼現八(いぬかい げんぱち)「信」 *本名未設定
毛野に頼まれ里美を芳流閣に匿う
容姿はやんちゃなロリっ子少女

◯犬坂毛野(いぬさか けの)「智」*本名不明
正体はザナドゥの司書
玉梓と異端者の存在を察知して里美を匿う
「里見の世界」やザナドゥとの関係などの謎に詳しく
現状の解決を目的に行動をしている。

◯浜路(はまじ)・(犬山道節(いぬやま どうせつ))「忠」 *本名不明
亀六・亀篠夫婦の養女だが里美の失踪直後に後を追うように失踪。
正体は里美たちや毛野、異端者の出身世界とは異なる別の世界軸の住人で
自称「漂流者」
道節役の人物が玉梓に殺害された為に役を兼任する形で「忠」の役割を演じるが
失踪理由は玉梓や異端者を避けるために殺されたフリをして身を隠していたため。
原作の道節と違い火炎の大道芸ではなく傀儡を使う。

◯犬村大角(いぬむら だいかく)「礼」 *本名不明
玉梓や異端者に殺害される

◯犬田小文吾 (いぬた こぶんご) 「悌」 *本名不明
玉梓や異端者に殺害される

(以上の二人は現実世界では眠り病にかかったしばらく後に突然死しており
その事を把握している宗介がこちらの世界で殺害された事を知り
双方の世界がリンクしている可能性を知る切っ掛けになる)

●その他の人物

◯篠塚義実(しのずか よしみ)
里美の父親で「眠り病」の研究者だが元々は「脳を介して異世界とアクセスする」として夢を研究していた。
その一環でザナドゥの存在を提唱する。
また他人の夢の中に介入する研究も行っており「眠り病」の解明の為に
患者である里美の夢の中への侵入を息子の宗介を介して行う。

◯亀六・亀篠(ひきろく・かめざさ)
信乃(里美)や浜路、荘介の義理の両親。
原作では三人を邪険にし嫌がらせを繰り返す悪人だがこの世界では極めて善良な夫婦。
玉梓や網干の策略に巻き込まれて殺される。
現実世界では里美やマチルダが住んでいる近所で書店を営んでいる夫婦だが
「里見の世界」ではその記憶はない。
こちらで死亡したと同時に現実世界でも就寝中に夫婦揃って突然死する。
*この事実によって異世界の侵食やそのリンクの存在を認識する切っ掛けになる

◯玉梓(たまずさ)環 梓(たまき あずさ)
現実世界では里美をいじめていたクラスメイト
里美を助けたマチルダを共々逆恨みして教師や親を巻き込み追い込もうとしたが
マチルダを救うために里美から逆襲され自主退学に追い込まれる。
異世界ではその時の復讐の為に利害が一致する「異端者」と組んで二人とそれに関わる他の八犬士たちの抹殺の為に暗躍する。

◯異端者
里美たちの世界とは異なる世界の住人で、世界の要である里美や八犬士を排除する目的で
利害が一致する玉梓と共にいる個体以外にも存在する。
意識のみで肉体を持たない存在で「里見の世界」に出現する際に
自身の姿をイメージ出来ないために無機的な姿をしている
自分たちの世界が「里見の世界」の出現で異変が起きたために
侵攻を始める。

◯網干左母二郎(あぼし さぼじろう)
原作同様に元某所の小姓だったが素行の悪さから追放されたチンピラ
玉梓にそそのかされて彼女の使い走りとなっている。


●作品の基本構造
歴史改変ものの亜種で歴史ではなく既存の創作物の改変や修正を行うことで物語が進行する


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