「この外部調査やる意味あったかな…」不安とモヤモヤを抱えた新人マーケターの考察

先日弊社はお金のかかる外部調査を行いました。そこで自社・競合の認知率サービスイメージユーザーの感想想定市場サイズなどが分かりました。しかし、結局思った通りの結果を「やっぱそうだよね〜」と確認し、その後の戦略にあまり影響を与えなかった気がします。そして「やる意味あったのかな?」と疑問に思った時の話です。

■外部調査をやる意味がある(と私が思う)ケース

はじめに、私が外部調査を行う意味があると思うシチュエーション2つを説明します。

①TVCM前後の認知率のリフト調査
TVCMの効果測定に利用するデータを集めます。「今回この期間・予算・枠・クリエイティブの結果これだけの人にリーチできました」と、数字で示す材料になります。

②特定の領域で「1番」である結果を生む
LPや広告で利用する材料になります。No.1訴求は検討者層に安心感やメジャー感といった印象を与えます。

では、今回の外部調査の目的と結果を説明していきます。

■外部調査の目的と、それが実施の意義に結びつかなかった理由

外部調査の目的は大きく3つありました。

A) 認知度を知ること
B) 企業イメージを知ること
C) 市場でのポジションを知る

まず、どれも私が意味があると思ったシチュエーションに当てはまりません。では、ABCが外部調査実施の目的として弱いと思った理由と、調査実施の意義に結びつかなかった理由をそれぞれお話します。

A) 認知度を知ること
今回、何故ただ認知度を知ることが不要だと思ったかというと、もともとそんなに高くないだろうということは知っていたので、結果を見ても「やっぱこの程度だよね〜」と確認して終わりなのが見えていたからです。

仮に結果の認知度が想像より高かったとして、プロモーションはそこそこにほっぽり出そうという判断になりません。低ければ、「うん、がんばろう、どうやってサービス認知を高められるかな?」と今まで通り考えるだけです。

B) 企業イメージを知ること
Bが不要と思う理由は、サービス特性にあります。弊社サービスはB向けのツール提供サービスに近く、ファッションなどイメージが重要な商品を扱っているわけではないので「かわいい」「かっこいい」「お洒落」などのイメージはそんなに重要ではないと思います。かわいいから、かっこいいからという理由ではあまり選ばれません。それよりも、「みんな使ってるから」が選考理由になりやすいと考えています。

他にも「使いやすい」「便利」「人に勧めたい」などのイメージが選択肢にありましたが、これらの項目も個別ヒヤリングで聞くほうが良さそうです。というのも、今回の外部調査で回答者の回答が結構適当だったりするのを実感したためです。例えば、弊社はTVCMの実績がありませんが、サービス認知の理由を尋ねる質問への回答にTVCMが結構ありしました。

また、市場規模的にサンプリング数が結構絞られていたので適当な回答に数字結果が引っ張られてしまいました。どこからどこまで当てにすれば良いのか、数字の正確性が問われる外部調査だったのです。自由回答項目で、ユーザーの生の声が見える箇所もありましたが、大きな意外性はなく内部調査と概ね一致していました。

C) 市場でのポジションを知る
弊社にの置かれている市場には様々な競合サービスがあります。サービスごとに微妙にターゲットが異なりますが、重複している部分ももちろんあります。そんな市場で、実際のところ弊社はどこに位置するのか?を知ることは外部調査の目的の1つでした。

結論、アンケート結果がなくとも市場でのポジションは分かっていたと思います。弊社が目指すポジションも既に社員みんな共通認識としてありましたし、私自身も「競合Aのお客さんはこういう人が多くて、競合Bのお客さんはこういう人が多いくて…」と頭にイメージ出来る状態でした。

結局、このCも認知度を知った時と同様で「やっぱりそうだよね〜」の確認で終わった気がします。

■でも本当に何も役立たなかったのか?

ここまで読んで、「でも想定市場規模とか知れて良かったのでは?」と思う方もいるかもしれません。確かに取り切れる市場規模がわかればKPIも立てやすいですが、弊社サービスはまだ市場を食いつぶすぞ〜!という段階ではなく市場規模の限界を知ったところであまり役に立ちません。メルカリくらい大きく市場を刈り取る勢いのあるサービスが限界値を知るには役立つ情報だと思います。

競合のブランド認知率やイメージも知ることができましたが、認知率を知っても何かが変わるわけでもなく、ブランドイメージも私が思うイメージと大きく変わりませんでした。

今回の件を通して、私が担当者だったらこうしたかもと思ったのは以下3点です。

・No.1訴求の材料を作れる設問設計にする(マーケに活用)
・サービスや市場がより大きくなる時まで待つ(結果の精度担保)
・次のアクションに影響する結果が欲しい時に実施する(結果を予想の確認にしない)


多くの企業が多額の費用を掛けて行う外部調査(認知度調査)ですが、それを発注する理由や目的、発注の適切なシチュエーションが知りたいと思ったのでした。

またね

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