【ぴくっ09 抜毛症】

中学三年生になりました。

(*こちらの有料記事では、
主にトゥレット症候群とそれに付随する精神疾患の
体験談に特化してますので、
トゥレット以外の思春期の体験談は、
今後執筆してゆく「或る怪人の生涯」を
お楽しみにしてくださいね。
[無料版ブログ 夢野ナオの幻想的日常の世界]
でたまにアップしてますのでぜひお読みください!)

頭頂部の髪を強く引っ張ると、
えもいわれぬ感触があって髪が抜けました。
髪の根元には太い半透明なものが付着しています。
一本、また一本、
と抜きました。
とても快感でした。
髪の毛とともに葛藤やストレスも、
滞ったエネルギーがひとつひとつ取れてゆく感じです。

抜いた髪はゴミ箱に捨てるでもなく、
自分の部屋の絨毯のいたるところへポイポイ捨てていました。
祖母が部屋を掃除機をかけてくれるのですが、
「ナオちゃんは最近抜け毛が多いなあ」
と言ってました。
きっちり掃除機をかけても、
まもなく呪われた部屋のように、
ぼくの髪がうようよと漂ようのでした。

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