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こころのなかに掃除できない空間

花粉症じゃなくて風邪だった。
まあそんなこともあるか。

視界が霞んでみえる
静かに花粉が積もってる気がする
風が定期的に吹いて
舞い上がったり巻き上げられて
また降り積もる

そんなこと書いてたら
高村光太郎の詩が頭に現れた。



太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
高村光太郎

長いこと
心の中に棚田みたいな段差があって
それぞれに降り積もった思い出とか言葉が
ずっと手付かずに放置されたまま
掃除せずに置いている空間がある。

心の中に閉じこもって掃除してても
掃除の最中にアルバム開くみたいに
時間が必要ですぐに解決しないからって
掃除は後回し。
外の世界にひょっこり出て
活動してるのが今、って感じ。

心に沈潜すると
なかなか帰って来れないのはわかってるから
無理矢理にでも浮上する。

ほんとは静かに
そこにいて、整理したい。
内側と外側を器用に行き来するくらいの
心と身体の強さがあればいいな。

「30代は20代の積み重ねでやってきたことをやろう」とか「経験が武器」とか
「全部棚卸ししてスッキリ綺麗な私プライスレス」
「風の時代がなんとか」
それぞれの経験を
正論風に語る言葉は
ハリボテなんじゃないかと思ってしまう。

むしろ曲がりに曲がって
50代でも60代でも
曲がり切ってます!
くらいの気概がある人の方が
人間ぽいやん。
と私は思うけど
まあそれもその人の歩んできた轍でしか
語れないものなのだろうな。

花粉症なのか風邪なのか
よくわからないまま薬を飲んで
いつの間にか治るんだろう
心の中の整理ももしかしたら
そんなもんなのかもしれないな。

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